決戦の日 2
街道から屋敷に至る道に入った。広々とした丘陵地帯。その中に長く延びる、さびれた道路だった。
※
はるか、道の先。
ゆるやかな、少しだけ高い、丘の上。
そこに立つ、一人の姿──
ケープをまとった、美少年少女。
肩までのプラチナの髪の毛、そして、その瞳はワイン色のはずである――
天草四郎、だった。
そこに、天草四郎、一人だけ。
「あらら……」
と、シンディがつぶやいた。なんとなく、うれしがっている響きがある。
「もしかして、読まれてた? フフ……」
ともかく、そこに。
わたしたちの相手、天草四郎がただ一人、わたしたちを待ち受けていたのだった。
※
そのときちょうど。真北の空から、太陽が昇り始めたのだ。それは、真夏の太陽だった。
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