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神さまに普通の生活は難しいようです

目が覚めると、ベッドの上にいた。ふかふかの布団は寝心地がよく、眠気を覚まさせまいと睡魔を誘う。だが彼はものすごく目が冴えていた。冴えわたっていた。

「おぉ、、、これが」


そうこれが


「人間かぁーーーーー!!!!!」


そう、彼は"神"から"人"へと『降格転生』行ったのである。


この世界において、転生魔法は3つに分けられる。

ひとつは唯の転生、記憶だけを引き継ぎ、あらゆる生き物のいずれかに無作為に転生するくじ引きのような生き返りだ。


2つ目は彼が行った、『降格転生』これは自分よりも低い生き物に転生できるもので魔法行使だ。この場合は術者の任意の生き物に転生することが可能だ。またここで言う低い生き物というのは、彼からすれば人間である。人間からすれば、自分たちよりも低いものはほとんど転生魔法で転生できる生き物と変わらない。

故に人間は降格転生のことをただの転生魔法として認識している。


最後は『昇格転生』お察し通り。一つだけ違うのは、人間には行使不可能である。理論上は可能だが、絶対的魔力量が足りない。それこそ、神ぐらいしか使えない。もっとも、神もそれより上の存在が無いため、使う必要も無いのだが。



閑話休題。



とりあえず、今回の時代の情報収集から始めることにした。


まずここはガラハッド公爵の家の寝室の2階であり、俺はガラハッド家の息子、ギルジーク・ガラハッドという名前のようだ。


この部屋はどうやら俺の部屋らしく、大きな両手開きの扉に、人が1人出られる程のバルコニー、中には魔法に関する本がずらりとところ狭しに並んでいる。


神の世界『』において魔法と言うのは誰もが使える力ではあったが、それを生業として扱うには修練や才能が必要である。さて、この世界ではどうなっているのか...


とりあえず本棚に並ぶ歴史書に目を通すことにした。


本を取りだし、その上にそっと手をかざす。欲の席を持つ彼にとっては、読みたいという気持ちさえあれば、本を読むことは可能である。魔力を指先に少しだけ込め、眼前の書物に対して魔法を使う。欲するはその情報、そしてそれを自らの知識とせん────


「読破」


一言、呟く。突如、本はそれに答えるかのように淡く、青白くもなめかしい光を放つ。ゆっくりと表紙がひとりでに開く。そして次々に次項、また次項と開いてゆき、次第に加速していく。紙が風を映音が大きくなっていき、次第に音が小さくなる。最後の項に至ると、裏表紙がゆっくりと閉じ、同時に光もじわりと消えていった。


「、、、よし、この世界でも、魔法は問題なく使えそうだな。」


今のはほんの試し。ギルジークは再び『読破』を行使する。だがその意識はは部屋にある全ての本に向かっていた。


「読解」


突如、先の同じ光が部屋を埋め尽くす。同時に本は棚から出て、ふわりと空中に留まった。そして次々に項が捲られていく。恐ろしくも神秘的な光景だった。役目を終えた本たちは、また自らのもといた所へと戻っていった。


「ふぅ、、、」


溜息一つ、そして、


「うん、だいたいわかった」

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