飲み会
「もうすぐ終電だから帰りますね」
「始発まで飲んじゃおうよ」
「すみません、仕事に支障が出るので」
「いいじゃん、まだ飲み始めたばかりなんだし」
「仕事がありますので」
「いいじゃんいいじゃん」
「始発前にはもう仕事が始まっちゃうんですよ」
「それなら休んじゃえばいいんだよ」
「本当にごめんなさい」
思い切りアスファルトを蹴って進む。
小鳥はさえずり、草木は轟く。
カードを翳して階段を昇る。
電車に飛び乗り、いつもの隅の席に腰を下ろす。
ギラギラとした朝の日射しが、ガラスを通り、顔を撫でる。
ゆらゆらと揺られる田舎の中の田舎の終電車・午前7時45分発。