第四話
模造紙をとってきて、裏返す。そして、ガムテープを取ってきて、紙のはじっこに貼る。
あ〜、面倒くさい!!特に、ガムテープを切るのが面倒くさい・・・。
凛々加は、何も言わずにやってるけど、きっと、同じこと思ってるよね・・・。
「先生〜。こっち終わったんですけど、次、何したらいいんですかー?」
私の近くにいた先生に、見知らぬ男子が話しかけている。
いいなあ・・・。もう、終わったんだ・・・。
こっちは、まだまだ終わりそうにもないのに・・・。(二人だけだし)
「あ、じゃあ、こっち手伝ってあげてくれる?二人だけで、大変そうだから」
えっ!?私たちのところですか・・・?まあ、手伝ってくれるのは、助かるんだけど。
「室田ー。何やればいいのー?」
その男子は、いきなり凛々加に話しかけた。
「あ、じゃあ、ガムテープ切って、うちらに渡して。じゃ、よろしく!!」
凛々加、ふつーに話してる・・・。
「ねえ、凛々加。あの人のこと、知ってるの?」
私は、小声で凛々加に聞いてみた。
「うん。同じクラスだし」
へえ〜。じゃあ、4組なんだ〜。初めて知ったよ。
「はい」
「え?」
いきなり私の前に、ガムテープを持った手がのびてきた。
「ガムテープ、早く取ってよ。えっと・・・・・」
・・・?あ、私の名前、わかんないのか・・・。
「心愛だよ、山月。かわいいでしょ?」
り、凛々加・・・。何言ってんの・・・・・?
「じゃあ、かわいい心愛ちゃん?はい、ガムテープ」
・・・はあ?・・・かわいい心愛ちゃん、って、何?つーか、なんで名前で呼んでくるの?
「・・・・・」
私は、無言でガムテープを取った。
「・・・凛々加。あの人、ちょっとおかしいんじゃないの?」
私はまたまた小声で、凛々加にそう言った。
「ああ、山月のことか。まあ、もとからあんなカンジだよ?それって、もとからおかしいってことだけどさ?」
はあ・・・。ほんとに、4組って、変人クラスなんだ・・・。(ウワサでは、聞いてたけど・・・)
それでも、私は仕事を続けて、そして、終わらせた。