第三話
「はあ・・・・・」
ためいきがでる。
織花とわかれるなんて、サイアクすぎる。
あー!!もーっ!
今、教室のドアを、思いっきり強くあけたい気分。なのに、教室のドアは、すでにあいていた。
・・・こういうの、何て言うんだか・・・。ことわざで言ったら、「泣きっ面に蜂」ってところなのかな・・・?
・・・まあ、そんな話はもういいや。こんなこと考えてる間に、もう教室の中だし。
えっと・・・。これからどうすんの・・・?つーか、先生いないし・・・。
「あっ。心愛!?」
とつぜん後ろから声がした。
だれ・・・?私のこと、知ってる人・・・だよ、ね・・・?
「心愛も、残りだったんだ〜。さっき、気付かなかったよー」
「あ、凛々加」
凛々加っていうのは、「室田 凛々加」(むろた りりか)のこと。
昔、っていうか、小学校、三、四年のときに、けっこう仲がよかった子。
「心愛、何委員なの?うちは、放送委員だけど」
「私は、学習委員なんだ」
・・・凛々加、小学校のときと、ほとんど変わっていない・・・。(テンション高めなとことか・・・)
「へえ〜。そうなんだ〜。あ、心愛って、3組だったよね?」
「うん。凛々加は・・・4組だったっけ?」
「そう。けっこー楽しいよ〜。ちょっと問題があるクラスだけどね(笑)」
「はは・・・・・。確かに・・・・・」
私は、ちょっと納得して、そして、苦笑した。
でも、よかった。しゃべれる人がいて。ほんと、ひと安心だよ〜。
「ねえ、凛々加。私たち、何したらいいの?っていうか、先生は?」
「・・・あ、そっか。心愛、ちょっと遅れてきたから、まだ説明聞いてなかったんだよね。なんかね。うちらは、技術と美術で作った物を、飾るんだって。で、今、先生は、忘れ物をとりにいってるよ」
「へ〜。そうなんだ。ありがと、凛々加」
「うん」
そっか・・・。意外と、簡単な仕事なんだな・・・。
「はい、みんな。じゃあ、半分にわかれて、仕事してもらおっか。こっからここまでが、技術をやる人で、こっからここまでが、美術のをやる人ね。仕事は、さっき説明したから、わかるよね?じゃあ、始めてください!!」
始めてくださいって、いわれても・・・。説明聞いてないんですけど・・・つーか先生、いたんですか・・・?
「心愛、早く!うちらは、美術だよ。こっちこっち!!」
あ、そうだ。凛々加がいたんだ。
「あのね。この模造紙に、ガムテープをはるんだって。いっしょにやろっ!」
「うん、いいよ」
ってことで、私は、凛々加といっしょに仕事を始めた。