第十二話
「心愛って、本当にかくれんぼ上手だよね?いっつも、どこにかくれてんの?」
「・・・・・・・・・・」
「心愛?聞いてる?心愛ってば!!」
「えっ?あ、何?」
ビックリした・・・。織花、私に話しかけてたんだ・・・・・。
「も〜。何ボーっとしてんの!!・・・なんかあったの?」
織花が心配そうな顔をする。
「いや?別に?・・・かくれんぼでずーっと立ってたから、つかれただけだよ?」
私は笑いながらそう言った。
「そう?それならまぁ、いいけど・・・・・・」
はぁ・・・。織花にバレるかと思った。
凛々加、ずっと山月のこと好きだったのかな・・・・・?
山月も、凛々加のこと・・・・・。
あー!!なんで私が、山月のこと気にしてんのかなあ?忘れよ、もう・・・・・。
そして放課後・・・・・。
「今日は部活ないね〜」
「うん・・・」
私と織花は、帰り道にいた。
「あ、でも今日は、職員会議だから、どの部活も休みなんだったね。テニス部だけじゃなかったよ」
「そういえば、そうだったね」
私は、織花としゃべりながらも、頭の中は凛々加と山月のことでいっぱいだった。
忘れようと思っても、頭の中から離れない・・・・・。
「バイバイ、心愛」
あ。気が付いたら、もう家の前だった。
「うん。バイバイ、織花」
っていっても、おんなじマンションなんだけどね。
私は家のカギを開けて、中に入った。
〜♪♪
あれ?
ケータイがなった。
それが、聞き覚えのない着信音。この曲は、何年か前にはやった曲・・・・・。
・・・凛々加だ。
私は思い出した。昔はすっごい凛々加と仲良かったんだもんね。
パカ・・・・・。
私はケータイを開けてみた。