第十一話
「心愛〜、織花〜っ!!遊ぼっ!!」
今は昼休み。私たちは最近ハマりだした、校内かくれんぼをしようとしていた。
あ、校内かくれんぼっていうのは、そのまんま、校舎内でかくれんぼをするというもの。
中一にもなってかくれんぼかよ!ってカンジだけど、先生にバレないようにしなくちゃいけないから、スリルがあって、結構楽しいんだ。
「じゃんけんぽん!!」
2、3にんがパーを出す。私と織花はチョキ。
「やった!かった!!」
私と織花はそれぞれ別の方向に逃げた。
私はいつもかくれている、四階のおどり場に行った。
ここは、めったに人が来ない場所で、かくれんぼには最適な場所。
のはずが・・・・・。
「・・・・・あのさ」
えっ!?うそ、誰かいる・・・?
えっ、どうしよう・・・?今ここから動いたら、絶対つかまっちゃうし・・・・・。
仕方がないから私は、そばにあったロッカーのかげにかくれた。
「何?どうかした?」
!!待って、この声って・・・・・。
「なんで黙ってんの、室田?」
山月じゃん!!!しかも、もう一人のほうは、凛々加!!
でも、なんでこの二人がここに?
「あのね・・・、私・・・。山月のことが、ずっと前から・・・、・・・好きだったの!!!だから・・・、もしよかったら、つきあって・・・ほしい、です・・・・・」
えええええーーーーーっ!!!
私は驚いて声も出なかった。だから、今のは心の中の叫び。
「それだけだから。じゃあ」
「え?あ、ちょっ、と待てよ、室田!?」
走り去って行った凛々加を、ワケのわからない様子で追いかける山月。
私は気が動転していて、二人から見える位置にいたままだったけど、二人とも気付かないで行ってしまった。
でも、ビックリ・・・。凛々加が山月のことを好きだったなんて。
文化祭のとき、全然気付かなかった・・・・・。
にしても、凛々加は山月の、どこを好きになったんだろ・・・?