第十話
あれからというもの、いろんなところで会うたびに、あの山月に、からかわれまくった。
「かわいい心愛ちゃん」って。
マジふざけてる。信じらんない。
人のこと、馬鹿にしすぎだし!!!
「心愛?何怒ってんの?織花、なんかした?」
えっ・・・?あ、やば。顔に出てたのかも・・・。(今は、学校です)
「あ、いや、別に?怒ってなんかないよ。っていうか、織花が私のことを怒らせるなんて、前代未聞じゃない?」
「あはは、そうだね。織花と心愛って、全然ケンカしたことないもんね〜」
「そうだよ!」
・・・と、そういう話をしていると、4組の前を通りかかった。
・・・山月に会わなければいいんだけど・・・・・。
そういうことを思っているときに限って、最悪なことが起きるもの。
「・・・今日さぁ、部活あったよな〜。あっ!!!」
「!!!」
ばちっ!・・・と、二人(山月と心愛)の、視線があった。
うわ〜っ、でたぁ〜・・・・・。
「あっ、かわいい心愛ちゃんじゃん。ようっ!!」
・・・・・。ウザい・・・。
「何?隆哉の知り合い?」
「もしかして、彼女?」
なんて声が、後ろで聞こえてくる。
「いや別に。彼女ではないけど・・・」
否定してんだかしてないんだかわかんない山月の声も、一緒に後ろから聞こえる。
「・・・心愛、まだ山月って人に「かわいい心愛ちゃん」って言われてんだね・・・・・」
ひかえめな口調の質問が、今度はとなりから聞こえる。
「うん・・・・・」
私は静かに答えた。
はぁ、いやだなぁ・・・。
って言ってるけど、実際なにがいやなのかがわかっていない。
山月が「かわいい心愛ちゃん」って言ってくることなのか、それとも、山月の存在じたいがいやなのか・・・。
もうっ、考えんのがめんどくさーいっ!!!
なんか話が大変なことになっている気がしますが・・・。読んでくださってありがとうございます!