時計
暗い部屋
秒針の音だけが響いたの
窓の外は
孤独が靡く夜の風が吹いていて
消えそうな月が浮かんでいたわ
忘れていた声が聞こえたは
きっと夢に迷ったのね
静けさだけが取り柄だったの
繁華街の街灯が賑やいで
そっぽ向いて歩いたは
耳を塞いだの
鼓動だけが聞こえたわ
少し寂しいのね
鼓動が揺れているの
排気の匂いがするの
一息もつけないは
嫌になっちゃうわ
訳もなく泣いたは
涙を残すと視界がぼやけて
うまく歩めなくなるから
ロクでもない世界ね
なんて自分もその一部だけど
まぁいいわ
冷めないうちに
家に帰りましょ
家には時計があるもの
いつも前向きな奴だからなんだかんだ好きなの。