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ショッピングモールの建物ができてきた件

 ノエラさんと盗賊ギルド本部の裏口から出る。

 ヨーミのダンジョンの地下一階は相変わらず歓楽街かアジアの電飾街のような光景だ。

 魔力によって光る石があちらこちらにはめられていてカラフルな光を放つからだ。


「とりあえずダンジョンを出ましょうか」


 僕は盗賊ギルド本部から近いいつもの出口に向かう。

 地下ギルドの会合は地上にある冒険者ギルドで開かれるからだ。


「トオル様。こっちこっち」

「え?」


 ノエラさんが手招きするほうはまだ工事中のショッピングモールの建物がある方で出口とは逆だった。


「実はもうモール建物と地上階と地下階は繋がっているんですよ」

「え? まだ工事中かと思ってましたけど結構進んでいたんですね」

「はい。最近ではモールの建物からヘラクレイオンの街に行ってるんです」


 なるほど。それなら地下街を通って行ったほうが良い。

 いつもの出口はヘラクレイオンから少し離れた山の中に出口があるから起伏もある。


「ならモールに行きますか」

「はい」


 盗賊ギルド本部からモールに向かうまでのルートはほぼ一直線で盗賊ギルドの支配エリアとなっている。

 一部は商人ギルドのエリアだったので利便性を考えて支配エリアの交換を申し出たところ、様々な条件や金銭の要求あったが、商人ギルドが交換に応じたらしい。


「それで安心して通行ができるようになりました」

「よかったですね」


 ノエラさんの話によれば、相変わらず傭兵ギルドとはまだイザコザをよく起こしているらしいが、商人ギルドとは上手くやることが多くなっているようだ。


「盗賊ギルドのウチがビジネスに力を入れ始めたので商人ギルドも近づきたいのかもしれないですね。今通っている辺りも商人ギルドの支配地域だったところです」


 宿屋、食料品店、武器屋、防具屋、道具屋、マジックアイテム屋、酒場、ピンクな店。

 さすがに商人ギルドの支配地域の立派な店が多いし、バラエティに飛んでいた。


「経営してる人が変わったり、守り代も盗賊ギルドに払ってるんですか?」

「それは今までの支配ギルドのままです。ここの店は盗賊ギルドに払っています」

「あ~地域の治安維持を盗賊ギルドがやっているって感じですかね」

「そうです。新しい店を作る時は盗賊ギルドの管轄になりますし、徐々に移行していくと思います」


 モールの建物に着いた。

 外装や内装はされていなかったが、まだまだなのかと思っていたが建物の骨格は出来上がっていた。


「へ~工事は順調なんですね」

「はい。フルブレム商会が全力で支援してくれていますので。凄腕の職人も集まっていますよ」


 そんな話をしながら建物の中に入っていくと、工事を指導していた人が僕らの方にやってきた。


「ノエラさん!」

「あ、どうも。親方さん」


 どうやら異世界でも大工の棟梁は親方というようだ。

 見るからに親方風だった。


「いやーこんなやりがいのある仕事はさせてくれるとは思いませんでしたよ。バカヤロー! そっちじゃねえ!」


 ノエラさんとの会話にも部下への怒声を含ませている。

 笑顔と怒った顔にころころと変わる。


「まさかヨーミのダンジョンと地上をぶち抜く建物を作ってくれなんてね。この材木にカンナがけしたやつは誰だ~っ!」

「大変なことを頼んでしまってすいません」

「いやいや。地上と地下に重さを分散してって。素人さんにそんな話をしてもしょうがねえか。職人の俺達にまかせてくだせえ。それはともかくこんなことを考えた賢者様ってひょっとして?」


 ノエラさんが笑って僕のほうを振り向いた。


「こちらにいる賢者のトオル様が考えてくださったんですよ」

「へ~アンタが噂の賢者様ですか。いやーさすがですね。すごい発想ですよ。地下と地上をぶち抜く建物を作ってそんなかに商店街を入れちまおうなんて」


どうやら僕は盗賊ギルドに協力している賢者としてちょっと有名になっているようだった。


「あ、いやまあ。大したことはないですよ」

「大したこと大アリですぜ。構想聞いた時はぶったまげました」


 そんな建物は新宿や池袋にいけばいくらでもあるけど、異世界ではそもそもショッピングモール自体がない。

 大工の親方は僕に感心しきりだった。


「あ、そうだ。賢者様」

「なんですか?」

「賢者様から見て、ショッピングモールの建物を作るに当たってなにか気がついたことがありますか?」


 素人の僕が言えることなんてあるんだろうか。

 けど建物の構造のことではくショッピングモールということであれば一番詳しいのは確かに僕だ。


「そうですね。建物のなかはなるべく明るくしてください。そうすれば地下街なんかに来ないような地上の人も安心して入りやすくなるから」

「ふむ」

「とりあえずヨーミの地下街のようなカラフルな光はやめて落ち着いた灯りにしましょう」

「なるほど~確かにそうですな。あれは怪しい感じがしますね」


 ネオン街が怪しい感じがするというのは異世界人も共通の感覚だったらしい。親方は仕切りに感心する。


「それなら地上階は採光を増やして、地下階は魔法石の設置場所を増やしますわ」

「それと~地上階に馬車の乗り場を作ったほうがいいかもしれないですね」

「ふむふむ」

「他にも最初から拡張を考えて工事できませんか? 拡張工事の際には営業がはじまっている店に影響がでないようにして」

「もっと大きくするんで? いや~豪気ですな」

「さらに店が増えるかもしれないので」

「なるほど。やってみます」


 親方と話し込む。

 親方はもっと僕の話を聞いて参考にしたいと言ってくれたが、ノエラさんに止められた。


「そろそろ行かないと会合の時間に。後日お願いできますか」

「そ、そうですか~残念です。賢者様、また色々教えてくだせえ。」

「ええ。是非」


 この調子なら僕の店を親方に頼んでこっそり作ってもらっても大丈夫そうだ。

 日本のアイテムで売っても大丈夫そうなものをこっそり売ってみようか。

 あるいは日本の聖紺色の衣装で喫茶店を開いてもいいかもしれない。

 こっちの世界にはいくらでもリアルメイドがいるみたいだけどメイド喫茶なんてないだろう。

 ディートに殴られそうな気もする。

 親方と別れてモールの建物の階段を登る。

 そして地上階の建物に着き、歩いて青空の下に出た。

一週間ぐらいでの更新を目指しています。

WEBコミックの第四話更新しました。

コミック一巻と小説版三巻が11月10日に同時発売予定です。

ゼロ能力者の英雄伝説の書籍化報告他も10月10日に発売予定です。


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