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美しい女

作者: yumix

その女は美しかった。

わたしの彼が、わたしを差し置いて選んだ人。

あまり知らなかったが、こんなに綺麗な人だとは思わなかった。

背が高くて、身なりも小奇麗で。

彼女はニコニコと誇らしげに笑っていた。

わたしのなかに、邪なこころが生まれた。


わたしは、さっそく元彼を誘惑した。

彼が、目移りしやすい性質であることを知っていたからだ。

そして、彼の車に乗ったとき、この二人は長くないと確信した。

なぜなら、美的センスを誇る彼が、車内にへんなぬいぐるみと、ダサい傘を置いてあったからだ。

この二人はおそらく、趣味の点でまったく合わない。

一方、わたしと彼は、趣味も美意識も一致していた。

わたしは、勝ったなと思った。


だが、意外と彼はその後も、彼女と別れなかった。

わたしはどうかしている彼に違和感を覚え、やがて彼のもとを去った。

するとまもなく友人から、彼が彼女と別れたと聞いた。

そう。

もしかしたら、わたしとの二重関係がばれたのかもね。

わたしは悪魔なことに、彼が彼女と付き合っている最中、その友人に、彼と私の関係をばらしていたのだ。

すぐばれる簡単な浮気なんてするもんじゃないわよ。

わたしはそれで、気がすんで、彼のことは忘れた。


こんな悪魔的なことを、わたしはいつでもできる。

あの美しい女の顔に泥を塗ったのだ。

わたしは、彼が欲しいというよりも、それがやりたかったのかも知れない。

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