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物語は始まった 後日談

物語は始まったの後日談です。


ユウトと妖精族の精鋭チーム『スピードスター』のリーダーの話がメインです。

※以下ユウト視点です。






ハヤセ達がミユに妖精族プレイヤー撃破の報告を終えたあと、俺とツバキとハヤセ達はバンに乗ってそれぞれの戻る場所に帰っていった。


バンで最強の銃器店まで送ってもらった俺とツバキは店にたどり着くとハヤセは俺に愛想つかされる前に気づけよユウト?と言い、俺が首をかしげている隣でツバキは『ファルコンクロー』のメンバーから、おれ達に出来ることがあったら教えてくれと言われていた。


ハヤセと『ファルコンクロー』のメンバーがチームの休憩所に帰っていくとツバキはやることがあると言ってマイホームに帰っていったので、一人になった俺はログアウトする。


ログアウトしたあとは夜も更けて時間も遅かったので俺はゆっくりと寝ることにした。




※以下マイホームについて説明。


※マイホームとはプレイヤーがニューゲームを始めるとプレゼントされる部屋の事で、各種族の『本拠点』内にある何処かの借宿の一室がランダムで選択される。


※部屋は1LDKの部屋でそれなりに清潔感がある部屋が支給される。しかしそんな小さな部屋で満足出来ないプレイヤーは一軒家を建てたり、豪邸を建てたりする。


※ちなみにツバキはニューゲーム当時から支給された『本拠点・秋葉原』マンションの1LDKで暮らしている。


※以下本文。



次の日、休日だったが特にやることもない俺はゲームにログインすると店で銃器開発を始めるべくテーブルに毛布を引いて部品が転がり落ちないように工夫し、何を作ろうかしばらく考えると俺は今回の戦いを振り返ってみて、人間族プレイヤーには対空火器が不足している事を思い出した。


そこで対空火器の従来の欠点であった重くて運びにくい点を改善するため、小回りが効き片手で扱えて空中にいるプレイヤーを瞬殺出来る武器があれば人間族プレイヤーは楽できるのではないかと気付いた俺はどうやってそんな武器を作るか悩んでいると、店の扉につけてあるドアベルがカランカランと小気味のよい音を立てる。


ツバキは今日も早いなと思って俺が店の入り口の方を見るとそこには慌てた様子で店に入ってきた可愛らしいデザインの白いドレスを着た黒い髪の女の子がいて、女の子は俺を見るなり言った。


「わ、わわ私の名前はユキでしゅ!?・・・あう・・・舌噛んだよぅ・・・。」


俺は突然現れた女の子が自己紹介し始めたことに驚きを隠せなかったが、慌てた様子でおどおどと話していた女の子が舌を噛み涙目になっていたので俺は心配して声を掛けた。


「君、大丈夫か?困り事とかなら相談に乗るけど?」


俺がそう言うと涙目だった女の子は徐々に輝くような笑顔になると言う。


「ほほほ、本当ですか!?じじじゃあ、お言葉に甘えて・・・」




・・・こうして俺とユキは出会ってしまった。


これから大変なことになるとも知らずに・・・。




※以下第三者視点です。




妖精族の本拠地の外にて・・・



そこには辛くも逃げ延びた妖精族で最も強いチームのリーダーが、清楚な雰囲気を放つエルフの美女に叫んでいた。


叫んでいるリーダーの周りで妖精族プレイヤー達は普段は優しい妖精族のリーダーが珍しく怒っているので、リーダーを不安そうに見ながらも止めることが出来ない。


そんななか、妖精族のリーダーが叫ぶ。


「いい?わたしたちは全く手を抜いてないわけ!『シティ・暁』を取り戻した人間族プレイヤー達は花火を使ってわたしたちを倒したの!本当に対空火器も航空機も一切使ってこないでわたしたちを倒したのよ!?これだけ言ってもまだウソだって言うの!?」


そんな妖精族のリーダーにエルフの美女が微笑みながら穏やかに言葉を返す。


「しつこいですわ?さっきから下らないウソばかり吐いてわたくしを騙せると思っているのですか?どうせ妖精族プレイヤーの連中はこのゲームの弱者の為を思って行動されているグレイン様に協力しようとしなかったエンジョイ勢の時点で役立たずなのは分かりきっていましたが・・・」


そんなエルフの美女の言葉に妖精族のリーダーは我慢の限界が近付くなか、周囲にいる妖精族プレイヤー達が妖精族のリーダーを不安そうな顔で見ているのでリーダーはグッと押し黙る。


妖精族のリーダーの目の前にいるエルフの美女は通称グレイン様ファンクラブのエミー会長でこの会長こそが、弱小勢力のプレイヤー達を森林同盟に強制加入させるために悪質行為を繰り返すことで有名なプレイヤー達の親玉だった。


グレイン様ファンクラブに所属するプレイヤーの悪質行為は多岐に渡るものの、最も悪質だとされるのは悪質行為のやり方だった。


ニューゲームを始めたばかりの妖精族プレイヤーが安全な『本拠地』の外に出た瞬間にエルフ族の魔法で何度も瞬殺される、これは他種族プレイヤーと戦うことが出来るゲームなのでゲームのルール上は問題ないとされている。


そのためゲーム会社にエルフ族プレイヤーの行動について苦情を言っても別にチートを使って反則的行為を繰り返しているわけでも無いのでなかなか改善されず、改善されるまでの間はグレイン様ファンクラブのメンバーが好き放題することが出来る。


そして改善されたとしてもエルフ族プレイヤー達はあの手この手で悪質行為を繰り返すので結局ゲーム会社もあてにならない。


そう・・・グレイン様ファンクラブが最も悪質だとされるのは、ルール上は問題ないが誰もやらない暗黙の了解を平気で破るような行為を自分達よりレベルや実力の低い弱小勢力にだけに行う事だった。


そんな悪質プレイヤー達の親玉であるエミーは今、美しく清楚な雰囲気を醸し出しているものの裏ではどんなことをやっているか分かったものじゃないと妖精族のリーダーが思っているとエミーは蔑むように言う。


「だいたい森林同盟に志願してきた身分の癖に何様のつもりですの?雑魚の集まりしかいない人間族プレイヤーの拠点を落とさせてやったのに、自分の怠慢により拠点を奪い返される失態を犯した間抜けなあなた達が森林同盟の中核の種族であるエルフ族に逆らうつもり?まぁ役立たずのあなたたちには期待してませんが精々グレイン様のために働いてください。」


テメェが初心者プレイヤー狩りなんてやるから嫌々参加してるんだよと叫びたくなるのを妖精族プレイヤーのリーダーは我慢する中、エミーは立ち去って何処かに行くと妖精族のリーダーはとうとう我慢の限界を越えて叫ぶ。


「あんの・・・性悪腐れ長耳が!腹立つ!本当に腹が立つ!」


そんな事を叫ぶ妖精族のリーダーはしばらくしてようやく怒りを静め、これからどうしたら良いかを考える。


このまま森林同盟に入っていてもメリットはない、しかし同盟を脱退すればエンジョイ勢の集まりである妖精族プレイヤーではガチ勢の多いエルフ族の悪質行為を止めることが出来るプレイヤーは極僅かだ。


要すればリーダーと『スピードスター』のチームメンバーを除いた妖精族プレイヤーは安全な本拠地内を飛ぶかエルフ族の集中攻撃に怯えながら本拠地の外を飛ぶしかない。


美しい景色や町並みの都市や自然の大地の空を生身で自由自在に飛べる数少ないゲームなのに純粋に楽しみたいだけのプレイヤー達を無理矢理下らない戦いに参加させようとするエルフ族。


『スピードスター』の優しいリーダーはこのゲームで自由に空を飛ぶ楽しみを知っているので、結局ゲームを楽しみたい他の妖精族プレイヤーのために同盟に我慢して所属する事を決意すると、妖精族のリーダーを不安そうな顔で見る妖精族プレイヤー達に見送られながらゲームをログアウトした・・・。

楽しいだけのゲームではないという現状を書いた後日談でした。


ちなみに妖精族プレイヤー達はこれからも出てきますので今後の彼らの活躍をご期待下さい。


次話は『善意で出来たスティンガーミサイル』の話です。

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