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物語は始まった 2話

お待たせしました、どうやら次話投稿ペースは2~3日に一回くらいになりそうです。


のんびり更新していきますので暇潰し程度になれば幸いです。

※以下ユウト視点


俺は作った弾を箱に入れながらツバキと他愛もないことを話しているとツバキは急に思い出したように言う。


「センパイ、そういえば新しいスキル取ったんですよ!」


そんな事をツバキは言いながら空中にステータス画面を表示して俺に見せた。







ステータスの項目は名前・性別・レベル・体力・筋力・敏捷性・器用さ・知力・カリスマ性・スキル、の10項目が存在する。


初期ステータスの基礎数値は種族によって変わり、名前と性別とレベルはプレイ開始時から自動で入力される。


またレベルが上がったりするとステータスポイントの割り振り画面が現れる。


各項目ごとにポイントを割り振ると以下の効果がある。


①『HP』


体力値のことで基本的に1000で固定されており、これが0になると死亡扱いになる。


基本的にこのゲームでは回復魔法や回復アイテムはあれど蘇生魔法や蘇生アイテムはないので、この数字を上げたくなるがこの項目のみポイントの割り振りは不可能。


そのため増やしたければHPアップ効果が付与されたレアアイテムを装備するしかない。


②『STR』


筋力値のことで、武器や防具で攻撃力や防御力が決まるこのゲームでは最も重要な項目。

武器や防具の要求スペックは基本的にSTR値が関係し、STR値を上げれば上げるほど重装備が可能になる。またタフになり多少のダメージを受けても怯みにくくなる。


③『AGI』


敏捷性の事でポイントを振ると行動スピードや移動スピードが少しづつ上昇しスタミナが消耗しにくくなる。


このゲームにおいては全プレイヤーが100メートルを50秒で走る速度に設定されているがこれは大体歩幅50㎝の人が1秒で4歩進む速度に相当する。


要するに、とても遅い。


つまりこれにポイントを振らないとプレイヤーはあまりの足の遅さに凄くイライラする。


④『DEX』


器用さのことで主に飛び道具の装備条件やアイテムの作成の成功率などに関わってくる。

DEXは数字が高いほど、より遠くを狙える武器が使用できるが当然STR値も必要なのでポイントを全部振り込むプレイヤーはいない。


⑤『INT』


知力のことでポイントを振ると使える魔法の威力や規模が上がり、また商業関係の副業を行うプレイヤーがNPCやプレイヤーと商売する際に利益が大きくなり、よりレア度の高い商品を扱えるようになるなどの効果もある。



⑥『CHA』


これにポイントを振るとカリスマ性が上がり外にいるモンスターが集まりやすくなる。


ちなみに装備アイテムによってCHAがマイナスだとモンスターから嫌われてとにかく避けられる傾向がある。


これは基本的に一つの種族しか使わない。


このゲームで人間族の次に不人気な種族、死霊族のプレイヤーが基本的に使用しておりモンスターを使役して戦う他力本願スタイルのため、プレイヤー同士の戦いでは非常に弱くこのゲームではあまり人気がないようだ。


CHAを上げると強力なモンスターを沢山使役することが可能だがそこまで高レベルの死霊族のプレイヤーはこのゲームでは確認されていない・・・





ツバキが新しいスキルをとったので見て欲しいと言われ、俺はツバキが空中に浮かべたステータス画面を見る。


ちなみにステータスポイントについては1レベルの状態では11ポイント持っており、レベルアップをすると1ポイント加算される。


つまり100レベルになると最終的に手に入るステータスポイントは合計110ポイントという事になる。


なお( )内の数値は種族ごとのステータス補正で人間族の場合はSTRとDEXに加算される。



【ステータス一覧】


名前 = ツバキ


性別 = ♀


レベル = 47


HP = 1000


STR = 15(+5)


AGI = 22


DEX = 10(+5)


INT = 0


CHA = 0


【スキル一覧】


●『タフネス』


一定のダメージを常に受け続けた功績により入手。


多少のダメージを受けても怯みにくくなる。



●『ノーマルシューター』New skill


平均的な集弾性をキープした功績により入手。


武器の要求STRが少し下がる。



◎『ブラックボックス』


???の功績により入手。


???出来る。








俺はツバキのステータス画面を見て相変わらずスピード重視なステータスポイントの割り振りだと思う。




ヒット&アウェーを中心とした戦闘スタイルのツバキは移動と銃の操作に阻害のない機動性を重視した装備を好み、マガジンポーチ等を幾つか着けたタクティカルベストとメインウエポンとナイフのみで戦うことが多かった。


そのためツバキはDEXやSTRにはポイントを多く振らず全体的な動作のスピードを上げるため、AGIに多く振っていたがSTRの少なさが災いしてサブマシンガンやPDWよりも威力の高いアサルトライフルが装備できなかった。


だが今回手に入れたスキルの『ノーマルシューター』のお陰でアサルトライフルが使えるようになり、銃器の威力不足を嘆いていたツバキにとってはとても嬉しい事実だろう。


ただツバキの持っている『ブラックボックス』というスキルはどの攻略サイトにも載っていないもので、ツバキもどうやって入手したかが分からないそうだ。


俺がそんな事を考えているとツバキは俺に聞いてきた。


「センパイはなにか新しいスキル増えたんですか?」


ツバキの言葉に俺はステータス画面を見せた。



【ステータス一覧】



名前 = ユウト


性別 = ♂


レベル = 63


HP = 1000


STR = 0(+5)


AGI = 0


DEX = 73(+5)


INT = 0


CHA = 0


【スキル一覧】


●『死の商人』


副業で銃器職人を選んだ功績により入手。


銃器の販売が可能となる。


○『ガンメイキング』


販売した銃器で殺害されたプレイヤーが1000人を越えた功績により入手。


銃器を作成することが出来る。


また作成した銃に様々なアタッチメントを自由に装備することが可能であるが銃の販売価格が自動的に素材の合計価格の二倍になる。

◎『ウエポンメイカー』


作成した銃器で殺害されたプレイヤーの数が1000人を越えた功績により入手。


銃器の改造が可能となり本来ならアタッチメントが装備不可能な銃器にアタッチメントを取り付けることができる。


また弾薬も自由に作成することが出来るが、ウエポンメイカーのスキルを使用して作成した武器や弾薬を販売すると、作成に使用した全ての素材の売値を合計した数の5倍の価格に設定される。


またDEX値の最大値に応じて強力な武器を作成することが出来る。









そんな俺のステータスを見てツバキは言う。

「相変わらずのDEX値とSTR値ですね。一体どれだけの射程の銃を使うつもりなのかが不思議ですけど、そもそもセンパイは銃を持てるんですか?」


俺はその言葉に少し悩むとツバキに告げた。

「DEX値はもっと欲しいんだけどな・・・そうすればさらに強い武器が作れるし・・・まぁ俺はワルサーPPKにマガジンを一個装填したのがギリギリ持てるぐらいのSTR値だから俺の自作した武器を自分で使えないのが残念だ。」


そんな俺の言葉にツバキは微笑みながら言う。

「センパイの代わりに私が戦いますからセンパイは銃なんて撃てなくても大丈夫です。なので間違ってもさっき作った弾丸を装填したワルサーPPKを撃たないで下さいね?」


ツバキはそう俺に言うとドアベルがカランカランと鳴る音がした。


俺は店の入り口の方を見るとそこには眼鏡を掛けた金髪の髪を撫で付けたスーツ姿の男が立っている。


男は俺を見るなり近づいてきて言った。


「『歌姫親衛傭兵団』から来ました。我々の最高司令官がお呼びなのでご足労願えますか?外に車が停めてありますのでそちらにお乗りください。」


あの最高司令官が呼んでいると聞いて俺はどうしようかと迷った。








俺がゲームを始めたばかりで今のような最強の武器を扱う店ではなかった時の話。


歌って踊れる『歌姫』の副業を持つ銀髪のツインテールの彼女は今でこそ有名だがゲームを始めたばかりの頃は可愛さの欠片もなかった。


黒い髪は無造作に伸ばしていて言葉遣いは荒いし、おまけに格好は地味だし何より行動や発想が斬新すぎて変人だと言われていた。


加えて誰かと一緒に戦うわけでもなく道路の片隅で歌っているだけの彼女を見て人は誰も近寄ろうとしなかった。


銃もマトモに使えないのに人通りの多い道路の隅っこの方で歌ってるだけの役立たずとガチ勢プレイヤーから言われエンジョイ勢にも地味な格好の変人だと言われていた彼女は、それでも道路の片隅で意固地に歌っていたのを覚えている。


そんな誰からも見向きされない彼女の声や歌の内容はいいのにと残念に思っていた俺は少し手助けすることにした。


まず俺は即席ながらファッション雑誌の研究し男性受けしやすい可愛らしい格好にするのは勿論のこと、奇抜な髪の色が多いこのゲームにおいて人の目を引くためになるべく目立つ銀色に髪を染めるように言う。


次に俺が最近のゲームをプレイする男性の好きな髪型を研究した末にツインテールが人を魅了すると判断しその事を伝え、隠し副業の癖にほぼ誰からも見向きされない『歌姫』の副業の出現方法を教え、あとは自信を持って話すやり方を教えた。


そして俺はそんな見違えるように可愛くなった彼女を装甲車や軍用トラックが走り抜けるような大きな道路の交差点のど真ん中で歌うようにアドバイスをする。


結果は大渋滞を引き起こしイラついたプレイヤーたちが車から下りると交差点のど真ん中で歌う彼女を見てしばらく呆然としていた。

彼女が歌い終わると皆拍手して彼女を褒め称えている様子をゲーム内のテレビで見ていた俺は、もうアドバイスが無くても大丈夫そうだなと思い店を郊外の方に移して今の最強の銃器店を始める。





・・・のだが彼女は俺の店をどうやってか特定し、時々店に来て私のチームに入ってくれと勧誘を始めるようになった。


俺としては静かな場所で最強の銃器開発をしたいのでチームの勧誘を断ると、だったらその代わりにあたしのやりたいクエストに付き合いなさいと言われる。


しかもこれが面倒なクエストばかりでやたら時間が掛かるような内容ばかりだが、クエスト中の彼女はずっと嬉しそうなので俺はまあ彼女が楽しそうだからいいかと思い、それからは彼女の誘いになるべく付き合うようにしていた。


・・・しかしその事を知ったツバキは彼女が店に顔を出す度に彼女と壮絶な喧嘩を始め、彼女の誘ってきたクエストにツバキは意地でも一緒に行こうとする。


俺はツバキが喧嘩しているところを初めて見て驚いたのだが、ともあれ彼女とツバキは出会うと喧嘩しかしないので最近はなるべく彼女とツバキを引き合わせないようにしていたのだ。






俺は『歌姫親衛傭兵団』に行けば間違いなく喧嘩になるだろうなと悩んでいると眼鏡を掛けた男が言う。


「もし今すぐ最高司令官に会っていただければゴーレムの心臓をお渡ししますがどうですか?」


ゴーレムとはドワーフ族の住む地下都市の守護者であり、地下都市周りを徘徊してドワーフ族以外の種族を見つけると遠慮なく攻撃してくる。


そもそも地下都市まで行きたくとも今ではエルフ族や獣人族との戦いが激化しているのでそこまで行くのも厳しいが・・・。


そんなゴーレムの装甲は硬く並みの銃や剣では倒せないため、出会ったら戦ってはいけないモンスターに指定されている。


そんなゴーレムの心臓部はレア中のレアアイテムで俺が作成を予定している銃器を作るためには必須なのだ。





俺は話をするだけでレア中のレアアイテムが手に入るし、それにこのまま誘いを断っても不機嫌になった彼女がこの店を訪れたら結局ツバキと大喧嘩になることに気がつくと俺は男の言葉に従うことにした。


外には黒塗りのリムジンが停めてあり、俺はそこまで大した人物じゃないんだけどなと思いつつもリムジンに乗り込むとツバキも俺の隣に乗る。


眼鏡の男はツバキがリムジンに乗るのを止めようとしたが、素早く乗り込んだツバキを見て何かを諦めた表情でそのまま運転席に座る。


俺とツバキを乗せたリムジンは静かに動き始めた。













【スキル説明】


◎『ブラックボックス』


隠し副業『掃除屋』を選んだ功績により入手。


掃除屋に関係するスキルを隠すことが出来るが取得経験値が80%マイナスされる。



ツバキの取得スキルは後々に公開されますので、のんびりお待ちください。

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