第ゼロ歩・大災害マイナスほにゃらら 其の弐の前篇
レオ丸と、エンクルマ氏の、接触編です。
本文を執筆するに際しまして、佐竹三郎様より詳細な人物設定と、言語指導と、監修の労を頂戴致しました事を付記致します。
佐竹三郎様、誠に有難うございます!!
それは、<大災害>が発生するよりも、十年近くも前の冬の事。
その日の昼前、早々に御勤めの予定を終えたレオ丸は、阪急電車二階改札を出て階段を駆け足で降り、駅下の巨大な本屋へ一目散に飛び込んだ。
平日でありながら、そこそこ込み合った店内のレジを横目に、ゲーム書籍関連の書架に行き着く。
「よっしゃ、資料ゲット!」
レオ丸が手にしたのは、とあるゲーム雑誌。
表紙には、<エルダー・テイル>と<炎の贈り物>のロゴが煽るように、デカデカと記されている。
十日ほど前に、大人気オンラインゲームの七番目の拡張パックが発売され、その特集記事が組まれている最新号の発売日が、今日なのであった。
ソフト自体は発売当日に入手済みで、既にゲーム仲間達と遊び始めてはいたが、データ魔であるレオ丸からすれば、ゲームに関する情報は全て押さえておきたかったのだ。
首尾よく最後の一冊を購入し、ホクホク顔で本屋を出ると、地下へと下るエスカレーターを使い一つ下の階層へ至る。
降りて直ぐ左へ進路を取り、更に下の階へと移動するレオ丸。
此の後の予定は特にないため、クイックマッサージにでも行こうかと思ったレオ丸は地下街をスタスタと歩き、地域の警察署地下入り口傍の交差点に差し掛かった。
迷う事なく左に折れて、生命保険会社のビル地下付近に至った時に、レオ丸は不意に尿意を覚える。
周囲をぐるりと見回したレオ丸は、近場にトイレを見つけ駆け込んだ。
唯一空いていた小用便器を占拠し、慌てず焦らずに所要を果たす。
急ぐとも、脇に散らすな、真ん中に、箕面の紅葉も、散れば汚し、である。
思っていたよりも、排水量は豊富であった。
用を済ませた両横の人が立ち去り、並んだアサガオの前に未だ立つのは、レオ丸と後一人となる。
「ほんなごつ、<ウメシン・ダンジョン>のごたる……」
その、もう一人が呟いた言葉が、レオ丸の鼓膜を突きぬけ、脳内で反響した。
レオ丸は一瞬、呆然となり、そして徐に横をそっと見る。
しかし、その人物は既にアサガオから立ち去った後であった。
背後で手を洗う音と、カツンカツンと靴底が床に当たる音。
レオ丸の視界に残った残像は、モサモサの頭と肩を落とした大きな体だけである。
脳内で反芻した声の感じは若く、そして力のないものであった。
漸く膀胱を空にし終え、軽く首を傾げながら手を濯ぐレオ丸。
そして。
トイレを出た処で、その人物がボンヤリと立ち尽くしている処に、出会した。
立派な体躯をしていながら、どうにも所在なげにしている、その背中。
レオ丸は、ホンの僅かな逡巡の後に、スッと手を伸ばした。
「どないしてん、お兄ちゃん?」
突然、背後からレオ丸に肩を叩かれ声をかけられた人物は、ビクッと体を震わして直ぐ、一挙動で振り返った。
暖冬とはいえ、寒さが厳しく感じられる時期にも関わらず、黒地に白抜き文字で“ふへんもの”と記されたTシャツの上に、ライダース・ジャケットを羽織っただけの出で立ち。
穿いたズボンはダメージ加工のジーンズ。
中々にごついバックルの革ベルトは太く、バイクチェーン型のウォレットチェーンが装着されている。
足元は、年季の入ったバイカーブーツ。
左手には、ゴーグル付きのジェットヘルメットを下げている。
しかも髪型は、最近では珍しいドレッドヘア。
あちゃ、オレの苦手なタイプっぽいな……。
声をかけたのを少し後悔し始めたレオ丸に、その人物はあからさまな警戒心を表情に浮かべていた。
「何ね?」
だが、やや高めなトーンで発せられた声を聞いたレオ丸は、心に芽生えた後悔を即座に摘み取り廃棄する。
虚勢の色と、当方に暮れた印象を受けたからだ。
「エライしょぼくれた感じやけど、道にでも迷ったんか?
行きたい処が判らんのやったら、案内したるけど?」
意識して明るい雰囲気を醸し出す、レオ丸。
精悍な顔立ちに、何処か幼さが残るその人物は、胡散臭そうな眼でレオ丸を見下ろし、口を閉ざす。
にへら、とレオ丸は笑いかけた。
「初めての人間やと、此の<ウメシン・ダンジョン>は攻略出来ひんで?」
レオ丸の台詞に、その人物は細めていた眼を、大きく見開く。
「こう見えてもオレは、Lv.63の<召喚術師>やで?
しかも此処、ミナミの街をホームグラウンドにしとる。
お客さんには、うってつけの案内人やと思うけどな?」
その人物が、溜息と共に漏らした呟き。
レオ丸が、何となく伸ばした手と、かけた言葉。
それが全ての、切欠であった。
「ほな、改めて自己紹介させてもらうわな。
オレの名は、松永忠順。<冒険者>名は、西武蔵坊レオ丸、や。
レベルとメイン職は、さっき言うた通りや。
自分の<冒険者>としての名前は、何て言うん?」
「……エンクルマ、です」
「ほう、エンクルマって言うんか! 短い間やが宜しくな♪
オレの名前は長いさかいに、レオ丸って呼んでくれたらエエし。
ほんで、エンクルマ君。
迷子みたいな顔しとるけど、何処行きたいんや?」
「……郵便局のATMを探しと……ています」
「郵便局のATMなぁ……。ほな、本局まで行こか。
ってゆーても、歩いてる途中で銀行ATMと合体したヤツが、あるかもしれへんし。
それが見つかったら、それでもエエやろう。
んじゃ、ついといで♪」
レオ丸は、エンクルマと名乗った青年に背を向けさっさと歩き出すが、後背に違和感を感じて立ち止まる。
振り返ると、彼は未だトイレの前に立ち尽くしたままであった。
「何してんねん、エンクルマ君。はよ、おいでや!
イスラムの開祖さんみたいに自分で歩かな、山は向こうから来てくれへんで?」
我に返ったように頭を一振りすると、大股でレオ丸に追いついて来る、迷子の青年。
その慌てた様子に、レオ丸は自然と笑顔になる。
身形だけは厳ついドーベルマンやけど、仕草はまるで子犬みたいな児やな?
レオ丸と、エンクルマ。
その第一接触は、そんな締まらぬ形で始まったが、それが後に十年もの長い付き合いとなるとは、此の時点では思いもよらぬ二人であった。
地下通路をプラプラ歩き出して直ぐ、何とも愉快で軽快な音が聞こえて来よった。
振り返って確かめるまでもなく、腹の虫の鳴き声以外の何もんでもない。
「そーいや、オレも昼飯がまだやったな。
意識したら、オレもごっつぅ腹減って来たなぁ、ホンマに!
ちょいと聞くけど、エンクルマ君はカツ丼とステーキと、どっちが好きや?」
「……ステーキです」
「よっしゃ! ほな、郵便局が閉まるまでまだまだ時間あるし、先に其処の店で腹を膨らませよか?」
オレは偶に利用する洋食屋に、エンクルマの右肘を掴んで連れ込んだった。
ちょいと強引かなぁって思ったけど、まぁエエやろ♪
有無を言わさずに、エンクルマ君を空いていたカウンター席に着かせた。
帽子を脱ぎつつ、メニューを開いて店員に声をかける。
「Aランチを一つと、カットステーキの定食を一つ。後それとサイコロステーキをオカズのみで!」
さっさと注文をしてから、紙ナプキンと一緒に出されたお冷をゴクゴクと飲んで、隣に座らせたエンクルマ君の様子を伺い見たらば。
彼はコップを両手で握り締めながら、黙りこくって俯いとった。
ふむ。
「もし、御代の事を気にしとるんやったら、安心しぃや。
此処はワシが奢るさかいに」
「ないごて……」
「うん?」
「……何で」
「何でって、何や?」
「何が……目的なんですか?」
「え?」
エンクルマ君の声は、警戒心よりも猜疑心で彩られているようやった。
何が目的で彼と行動を共にし、飯まで奢ろうとしとるんか?
言われてみたら、……何でやろう?
こいつぁ、ちょっとした命題やなぁ?
そんな大袈裟なモンやないけどね。
細かい理由が同時多発的に脳内に溢れるが、一つを除いたら、一つ一つは大した理由と違うなぁ。
ようよう考えてみたら、現時点でオレは如何にも怪しい人やわな。
ほんで、此のまま黙っとったら、不審者決定やな!
せやけど、その除いた一つの理由を言うたとて、理解してもらえるかどーか、やし。
しゃあないな。
取り敢えず、思いついた他の理由の中で、一番無難なヤツを言うとこか。
「今朝観てた番組の星占いでな、オレの星座はボチボチまぁまぁやってん。
ほんで、ラッキーパーソンってのが、“ランチを一緒に食べた人”やったんやわ」
「は?」
「そんなん急に言われてもなぁ、独りで自営業のような御勤めをしとるオレに、一緒に昼飯食うてくれる相手なんか居らんし。
かとゆーて突然、誰かを呼び出す訳にもいかんやん?
ほしたらな、自分が、エンクルマ君が、眼の前に居ったって訳や。
オレの勝手な都合で昼飯につき合わせとんねん、こっちが奢るんが筋やろう?
まぁ、此れも神の思し召しやと思うて、付き合いぃや。
さ、美味そうなんが、やって来たで♪」
オレ達の前にウェイトレスさんが、注文した品々を次々と並べてくれた。
「疑問・質問・不審な点は沢山あるやろうけど、そんなもん空腹と御馳走の前には些細な事や。
冷めたら美味しい無くなるし、まぁ食べなはれ。
満腹感で幸せになれたら、道々歩きながらキッチリと答えたるさかいに。
あ、それと。此処は御飯の御代わり自由やさかいな♪」
オレは、紙ナプキンで手を拭き拭きしつつ、エンクルマ君に笑いかける。
「馴れ馴れしいんは、ワシの性格でもあるけど、大阪の街の特性でもある。
気にしたら負けやし、自分を餌付けして誑かすような趣味はないで?
ほんで、サイコロステーキは二人で摘むオカズやからな、半分は自分のノルマやで。
ほんじゃあ、戴きます!」
オレはキチンと両手指を揃えて合掌してから、Aランチのメインであるハンバーグへと早速に箸先をつけた。
肉汁も油も実に、ジューシー♪
ほっぺが落ちそうな美味さにニマニマしてたら、エンクルマ君がオレをジッと見てた。
どないしたん、オレは別に不思議な生き物やないで?
それよりも、早ぅ食べや?
「“自立への大いなる一歩は満足なる胃にあり” って、セネカはんも言うてるで?」
オレはそれだけ言うて、御飯を一口頬張る。
ああ、空腹に銀シャリは染みるなぁ♪
美味美味と、食べ続けるオレを茫洋と見詰めとる、エンクルマ君。
やがて。
その手が、漸く割り箸に伸びよった。
躊躇いと戸惑いで、頭がこんがらがって居るようやけど、油とお肉の焼ける素敵な音と芳香の前では、そんなん何の役にも立たへんで?
「……戴きます」
エンクルマ君は、デッカイ体を小さくしながら怖ず怖ずと、カットされたビフテキを食べ始めてくれた。
人見知りのワンコに餌づけしとる気分や、って言うたら滅茶失礼な話やけど。
な~んか、そんな感じやね?
「ごっつぉ……御馳走様……でした」
俯き加減で店の外に立っていたエンクルマは、会計を済ませたレオ丸に向かい、背筋を伸ばしてから深々と腰を折った。
「へい、お粗末さんどした。御腹は、充分に膨れやしたかい?」
「はい。……有難うございました」
「そいつぁ、良かった! ほな、郵便局まで腹ごなしの散歩と、しけこもか?」
丸刈り頭に帽子を乗っけると、お気楽な台詞を言いながら、レオ丸は歩き出す。
その肩を、エンクルマの手が掴み止めた。
「あ、……あの!」
「ほえ? どないしたん?」
「なし……いや、何で、儂、いや、俺、いや、あの!」
「エンクルマ君、まぁ落ち着きよし。無理して標準語なんざ使わんでエエから、お国言葉で喋りぃや。
自分、九州の出身やろ? ……多分、福岡やろうかな?
な~んか、懐かしいやな。
ワシが寮生活してた時に、一年間同室やった奴と全く同じイントネーションしとるんやもん♪」
「なしです? ……あんた一体何ね!?
儂にそげん優しゅうしてくれるとは……なしですか!?」
「さっき、言うたやん。今朝の星占いが……って♪」
「ばってん!」
「そやねぇ、何でやろうねぇ……。何となくって言や、何となくやねんけど。
多分、自分がな、迷える仔羊に見えたからかも、しれへんなぁ?」
地下通路を行き来する人の波から体をずらし、レオ丸はエンクルマに正対する。
「ほら、ワシって坊主やんか?」
「え?」
決して高くはないが低くもない上背と、ポッコリとした御腹。
それらを包む、防寒タイプの灰色のスウェットの上下。
足元は、女物かと見紛うような濃紺色のショートブーツを履いている。
そして頭に被っているのは、食事中は脱いでいた、紺地に“L”の一文字だけが刺繍された野球帽。
帽子の下は、細めの近眼用眼鏡をかけている。
何処からどう見ても、近所で参歩中の中年予備軍にしか見えない。
エンクルマの瞳に、再び猜疑の色が湧き出した。
だがレオ丸は、気にした風もなく、スウェットの前ジッパーに手をかける。
楽しそうに、ポール・モーリアの『オリーブの首飾り』を口遊みながら、ゆっくりと焦らすようにジッパーを引き下す、レオ丸。
徐に帽子と上着を脱ぎ、脱いだ物を一纏めにして小脇に抱える。
「ほら、ワシって坊主やん?」
スウェットの中に着込まれて居たのは、白衣と改良服という僧衣の組み合わせだった。
口をOの字に開け、ポカンとしたまま時間が止まる、エンクルマ。
“ドッキリ大成功!”の看板でも取り出しそうな雰囲気で、レオ丸は呵呵大笑した。
当座の資金を確保し、当初の目的を果たしたエンクルマが、大阪市の中央郵便局の正面玄関から表に出ると、咥え煙草のレオ丸が寒空の下で待ち受けている。
再び上着をしっかりと着込み、購入したばかりの雑誌に、眼を落としながら。
表情は相変わらず、楽しそうな笑顔のままである。
「お待たせしました」
「用事は済みやしたかい?」
「……はい」
「オッケーオッケー♪ ほな、行こか?」
ニヤリと笑いながら縁石から腰を上げ、咥え煙草を携帯灰皿で始末すると、レオ丸はパンパンと軽く手を打ち鳴らした。
「あ……あの!」
エンクルマは、右手に握り締めていた一枚の千円札を、レオ丸に突き出す。
「しょ……食事代です!」
緩やかな寒風に靡く、少し皺のよった紙幣を握った手元から、エンクルマの顔へと視線を移したレオ丸は、笑顔を引っ込めて口をへの字に結んだ。
「エンクルマ君……、自分、歳は幾つや?」
「は……二十歳です」
「オレが二十歳の頃は、まだバブルの時代や。その頃の千円やったら、ペラッペラでホンマにやっすいモンやったわ。
せやけど、今の御時勢では違うやんか?
自分の年齢での千円は、今のオレにしたら一万円以上の価値がある。
そんなモン、ホイホイと受け取れるかいな、恐れ多くて勿体ないわ。
さっさと大事に、財布に仕舞っとき!
それに、飯喰う前に言うたやろ、“此処はオレの奢りや!”って。
最初から金取るつもりやったらば、“割り勘”やって言うてるし、な。
ほな、リアル・ダンジョンの案内に戻るで?」
つっけんどんにレオ丸が言った途端、エンクルマの眼に光が宿った。
その光は小さな玉となり、エンクルマの右頬を伝い、顎から滴り落ちる。
「なして……なして……儂に……見ず知らずの……施しなんか……」
「ちょちょちょ、ちょい、ちょい待てや!」
思わぬ事態に、レオ丸の口と仕草が突如として、挙動不審なモノになった。
「お、オレがいつ自分に施した? 恵んでやった!?
勘違いしなや、エンクルマ君!
オレは飯を奢ってやっただけやで、オ・ゴ・リやで!?
奢りってな、何となくエエ事をした気になるような社会への還元とは違うてな、世代から世代への大事なバトン・リレーなんやで?」
「…………」
「オレも十代・二十代の頃に、年長の先輩から数限りなく、奢られて来た。
そん時に、よう言われたんは、な。
“同じ金を使うんなら、死に金を使うな、活きる金を使え!”やった。
先輩達が、何でオレに飯を奢ってくれたんかは、オレにも判らん。
せやけど、飯を奢ってもろうた時に、大事な何かも一緒にもらったんや。
ほんでそれは、オレが独り占めしてエエもんやないし、オレ一人で消費し尽くしてもエエもんやない、って事くらいは理解しとる。
さて、気ぃついたらば。
オレも三十路に突入してしもうた。
ボチボチと誰かに、“活きた金”を使うてもエエ年齢やわ。
そんな時に偶々、……自分と出会うた訳やな。
つまり、さっきレストランで払った代金は、自分のためでありながら、オレのために必要な代金やったっちゅーこっちゃ。
別に感謝して欲しくてした事やないし、恩に着てくれへんでも結構や。
但し、出来たらの御願いやけど。
自分が手にしとる其の千円札を、頑張って頑張って、千倍いや何万倍にもするくらいの人生を歩んで欲しい。
序でに言うたら、そのTシャツの文字を“不便者”から、“武辺者”にしたって欲しい。
ほんで、や」
レオ丸は、照れ臭そうに顎をポリポリと掻きながら、優しく言い添える。
「何れ自分が、迷わずに道を歩いていた時に、道に迷った誰か若い子を見つけたら、臆さずに声をかけて、茶ぁの一杯でも奢ったってぇや、な?」
両目を拳で拭いながら、エンクルマは何度も何度も頷いた。
「誰もが皆、一度は必ず道に迷うモンや。それは別に恥でもないで。
行き先が判らんようになって途方に暮れるんも、何れ省みれば人生のエッセンスやと思える時が来るし、な。
アフリカで独立運動のお父ちゃんって呼ばれとる、自分と同じ名前の人かて、悩んで苦労して血反吐を吐いて、ほんで国を一つ建国しはったんや。
名前に負けるな、自分に負けるな!
例え敗北して倒れ伏しても、百円玉の一枚でも掴める人生を歩こうや♪
さて、それよりも。
こ~~~んな処で突っ立ってたら、風邪引いてまうで、オレら。
さっさと暖かい地下空間の、<ウメシン・ダンジョン>に戻ろうや?
隅から隅まで、キッチリはっきりと、案内したるさかいに!
先ずは、<奥深き広場の白き泉>に向かって、レッツゴーや!!」
エンクルマの背中を、レオ丸は励ますようにポンと叩いた。
それから、凡そ十分後の事。
「此処ちゃ、何処です? ドン突きごとなっちょりますけど?」
「はっはっは! ……スマン、道に迷った!」
……ちょいと処か、大分、レオ丸を格好良く書き過ぎたかな?
って、ちょこっと反省中。
前書きに記しました通り、今回は二人の接触編です。
次回投稿分は勿論、発動編にて♪




