【三題噺】 負うもの! 追われるもの!
お久しぶりの三題噺です。
今回のお題はこちら
【斧・告白・自転車】
の三つです。かなりの勢いで書いてますので、超展開です。
ですが、楽しんで頂ければ幸いでございます。
「待って~!」
「助けてくれ!!」
追われる者。人に追い掛け回されるそんな人。
大川巡査は『廃校で奇妙な集会が開かれている』との連絡を受けて、集会の開かれている山の廃校に向かったが、間違いなくその集会は大川の目にとってとんでもなかった。
逆に追う者も焦っていた。こんな姿を警察官に見られたなんて。
地方大学生の山下良子は、ホラー映画好きがあいまってサークルの仲間達と悪ふざけでホッケーマスク殺人鬼の格好をしていた。斧の形をしたプラスチック製の棒とおもちゃのホッケーマスク黒いレインコートをつけていた。
そう。
廃校で大川巡査の目にした光景は、殺人鬼の格好をした山下達。
大川は両目で恐怖を感じた。
大川巡査とホッケーマスクをつけた山下、互いに目と目があった瞬間に片方は恐怖心、もう片方は恥と焦燥感で心に傷を負った。
「うわあああああ~~」
大川は急いで走り、自分の愛用している自転車に飛び乗った。
山下は警察官に姿を見られた事に焦り、すぐに警官を追いかける。悪ふざけだった事を告白する為に……
「えっ!? うそっ!? 見られた!?」
「どこ行くの?」
山下はサークル仲間をおいて、ただひたすら走る。
大川は一心不乱に自転車のペダルをこぐ。
「なんで~あんなのがいるんだ!? 恐怖だ~」
だが、大川の恐怖は続く。
後ろから猛スピードでホッケーマスクが追いかけてくるのだから。
「まって~!」
山下は大川の後ろをスクーターで猛スピードで追いかけてくる。
「ぎゃあああ~~」
大川はこぐ! とにかくこぐ! 恐怖心のせいで判断できなかった。
山下も焦燥感のせいで判断が出来なかった。
「もう最悪~」
次の瞬間だった。
90度の急カーブ。大川の自転車はブレーキが利かないままスリップし、曲がれず横転した。
「うわっ!?」
大川は地面に背中から叩きつけて倒れる。
山下は前方の大川の姿が消えた事を知り、スクーターを停めた。
「えっ!? 何、どういう事?」
山下は道路の見える辺り一面を見たが、大川の姿はない。
「今のは?」
焦燥感は消えたが、山下の心には、新たに恐怖感が芽生えた。
どうして大川が消えたのか? その理由は簡単。大川がカーブでこける前に抜かしていたからである。
ある村で2つの都市伝説がある。一つは、ホッケーマスクの殺人鬼がスクーターでひたすら追いかけて来る事。もう一つは同じ村にある道の90度の急カーブで人が消える事である。
END
いかがでしたでしょうか。
久しぶりの三題噺でしたので、少々不安もありましたが、なんとかけたので良かったです。
読んでいただきありがとうございました。