Episode 1
残酷な描写については入る可能性でタグをつけております。
キャラ設定については以前自ブログに掲載しておりましたが、結構変えていますしブログ記事は削除済みです。
ここは何処で、
僕は誰なのでしょうか。
昔、ただひたすらに問いかけていたことだ。
時に他人に、時に自分に。
気がついたとき、僕は何も解らなかった。
ただ、総てに怯えていた。
だからずっと独りだった。
一人ではなかったけれど、寂しかった。
誰かに傍に居てほしかった。
でも、皆のことは恐かった。
だから、僕は僕の手で造り出す事にした。
* * * * *
「――…っ」
暗く静かな室内で、息を呑む音が聞こえた。
「りゅ、う…」
中性的な少し幼い声が零される。
明らかに何かに怯えていた。
現在の時刻は午前3時27分。
常識的にはほとんど鳴らない時間に、木原竜也の携帯電話はやかましい着信音を鳴らした。2つ折り式の形態の外側についた小さな液晶画面が光り、暗い室内を少しだけ照らした。
竜也はベッドで眠っていたが、着信音で目を覚ますとのそりと起き上がった。服装は、灰色のだらしなく見える古いスウェット上下。
携帯電話を液晶画面の明かりを頼りに手元に引き寄せ、まずはそれを開かず、
「啓だろうな…」
そしてそれを開き、
「啓だな…」
やれやれと呟き、電話に出る。
「もしもし啓?――お前今何時だと思ってるんだ?」




