66話 いろいろ決まって、街も元に戻って、でも何故か怒ってるベルナードさん
『うむうむ、いいかんじ』
『うむうむ、いいかんじなの』
うんうん頷きながら、ポル君とチーちゃんが満足そうに笑う。
『ほう、確かに良い感じだな』
『ちゃんと誰が誰か分かりますね』
『これはけりょけりょ、こっちがぐれいしゅ、りあとぽるくん!!』
『上手く特徴を出しているな』
『ええ、この目の感じなんて良いですね』
「ぽりゅくん、かわい!! かいてくれちぇ、ありがちょ!!」
『がんばった!! このもようも、おきにいり!!』
肉球の星形を指すポル君。
『おにいちゃんと、ちーちゃんこれなの!!』
『カッコいいんだな!! それに可愛いなんだな!!』
「ちーちゃんもしょっくり!! かわい!!」
『えへへなの!! こんどはりあ、かくなの!!』
と、みんなで盛り上がって話している時だった。向こうからドシドシとベルナードさんが歩いてきたと思ったら、ケロケロとグレイスのことを怒ってきたよ。
「お前たちは、目立つなって言っただろう!!」
ん? 何のこと? 何のことか分からず首を傾げる私たち。
「ヴァルトスが来てるから、客室へ行くぞ!」
『ああ、査定が済んだのか』
『今回はいくらくらいになったでしょうか? いろいろ必要なものを、買って帰らなければいけませんからね』
「はぁ、何でも好きなものを、いくらでも買って帰れるだろうよ。それよりもお前たちには、いろいろ話すことがあるんだよ!」
一昨日、私とポッカとチーちゃんは、初めて冒険者ギルドの依頼を受けに行ったの。まぁ、その話しはまた後でするけど、みんな初めての依頼を、問題なく終わらせられてね。うきうき冒険者ギルドへ、報告と報酬を貰いに行ったんだ。
だけど何故かすぐに査定が終わらなくて、数日後にまた来てくれって言われちゃってね。だから明日、もう1度冒険者ギルドへ行く予定だったんだよ。
どうもその査定が終わったみたいで、わざわざギルドマスターのヴァルトスが、報酬を持ってきてくれたみたい。でもどうしてそれで、ベルナードさんが怒ってるんだろう?
あっ、そうそう、ポッカはね、お兄ちゃんワイバーンの名前だよ。数日前の、契約と家族について話し合ったあの日。私たちとお兄ちゃんワイバーンとチーちゃんは、無事家族になったんだ。
少し早く決めすぎじゃない? とは思ったけど、お兄ちゃんワイバーンの表情がね。決めた!! ってしっかりした顔をしていたから。私たちはあれ以上何も言わずに、家族になることに決めたの。
そうして家族になったのなら、名前がいるだろうってことで。すぐにポル君とチーちゃんの所へ行って、みんなで名前を決めることにしたんだけど。
考えるまでもなくチーちゃんが、優しくてお日様みたいにポカポカのお兄ちゃんだから、ポッカがいいなの!! って言って。ワイバーンお兄ちゃんも、それをとっても気に入ってね。ワイバーンお兄ちゃんの名前はポッカに決定。
チーちゃんに関しては、ポッカがずっとチーちゃんって呼んでいて、チーちゃんもその名前が大好きだったから、そのままチーちゃんって決めたんだ。
そんな家族になった数日後。お屋敷も、街の中も港も、ほぼ元通り。ドタバタしていたのも落ち着いてたから、初めて冒険者ギルドの依頼を受けに行こう! ってなって。
ケロケロとグレイスはいつも、1つずつ依頼をするのは面倒で、いくつかまとめて依頼を受けているみたいで。この前も、私たちの依頼と自分たちの依頼をまとめて受けたんだよ。
客室に入るとヴァルトスさんがソファーに座っていて、テーブルの上には袋が1つ置いてあった。
「こんにちは!!」
『こんにちわぁ!!』
『こんにちはなの!!』
「おう! 今日も元気だな。元気すぎるくらいか」
『いま、ぽるくんとちーがつくったかべみてた』
『みんなのおかおかいたなの! かっこよくてかわいいなの!』
「そうなのか? じゃあ、話しが終わったら見せてもらうか」
『みてっ!!』
『いまでもいいなのよ?』
「ハハハッ! 今でもか。悪いな、ちょっとケロケロとグレイスと話しがあるから、それが終わったらちゃんと見るから、待っていてくれ」
『またおはなし』
『ながいなの』
『ポル、リア、チー、話しは私たちにらしいので、おもちゃで遊んでいていいですよ。ですが、騒がずに静かにしていてください』
「あたちは、おはなちきく」
『わかったぁ。ちー、はねであそぼ』
『うんなの!!』
ポル君とチーちゃんがマジックバックから、加工し終わったグリフィレットの羽を出して、ソファーの後ろで遊び始める。
私はソファーの端っこに座って、隣にケロケロ、グレイスの順番で座り。ポッカは私の隣、ソファーの横に座ったよ。
あっ、ちなみにポッカ。今練習中でケロケロみたいに完璧にはできないんだけど、体を小さくできたんだ。55型のテレビくらい? だから家の中に普通に入れるんだ。
まぁ、サーセリオ様のお屋敷は大きいからね。もう少し大きくても、普通に動けるけどね。街の中でも、お店に普通に入れるから良かったよ。
それからベルナードさんが1人でソファーに座ってすぐに、ランドルフさんがお茶を運んできてくれて、すぐに話しが始まったんだ。
「まず、今回の報酬だ。全部で白金貨50枚だ」
『まぁ、こんなものか』
『ですね。ですがこれでゆっくり買い物ができます』
「だろうな。これだけあればな」
この世界のお金は全部で4つ。下から銅貨 、銀貨 、金貨 、白金貨 で。日本円で言うと銅貨が約100円、銀貨が約1000円、金貨が約1万円で、白金貨が約10万円くらいかな。だから白金貨50枚だと500万くらい。
すごっ!! あの大きくない袋の中に、500万円も入ってるのか。と、ちょっと驚いた。うん、ちょっとね。ケロケロとグレイスにお金のことを、チラッと聞いていたから。
初めての依頼が終わってからね、ケロケロたちが持っているお金を見せてくれて。その時は100個くらいの袋を見たんだけど、まだまだ持っているらしく。そのほとんどが、金貨と白金貨だって言ってたんだ。
さすがにそれを聞いた時は驚いたよ。どれだけ持ってるの!? って。でもよくよく考えたら、ケロケロとグレイスだからね。大変な依頼でも、簡単にこなしちゃうんだから、すぐにお金は貯まるわけで。
今の驚きは、金額に驚いたっていうよりも、あんな小さな袋に、それだけ入るんだなぁって、量に驚いたっていう感じかな。
「よし、これにサインをくれ」
『ああ』
何枚も依頼終了の紙に、どんどんサインをするケロケロとグレイス。そうしてそのサインの確認を、ヴァルトスさんがし終わると、いよいよ話しになったよ。
「お前たち、やり過ぎだ」
だから何を?




