40話 ギルドマスターの大笑いと、無事?完成した冒険者カード
「ガハハハハッ!! 確かにこれじゃあ俺を呼んだのも頷ける! わざわざ呼ぶなんて、めんどくせいなぁと思ったが、これは俺が来ないとダメなやつだったな。嬢ちゃん、俺がきたからもう大丈夫だぞ。好きなようの冒険者カードを作ってやるからな!!」
……だからそれで良いのか、身分証にもなるギルドカードが。まぁ、私的には、とてもありがたい事ではあるけれども。安全面ではどうなのよ。
今、私たちの前で、とってもガタイのいい男の人が、ソファーにドカッと座り、大笑いしている。
このガタイのいい男の人は、冒険者ギルドのギルドマスターのヴァルトスさん。ヴァルトスさんなら、自由に冒険者カードを自由に作れるらしくて、ベルナードさんがすぐに呼んでくれたんだ。
それにヴァルトスさんは、もともとベルナードさんと冒険者パーティーを組んでいたらしい。かなり有名なパーティーだったとか? ただ、ヴァルトスさんが結婚をして、パーティーを抜けることに。
でも、ヴァルトスさんの力を、そのままにしておくのはもったいない。なら、調査により、犯罪に手を染ていたことが前ギルドマスターを捕え、ヴァルトスさんに次のギルドマスターになってもらえば良いんじゃないか。
ということで、様々な街に散らばっていた、かなり大きな犯罪者集団を一斉に検挙し、しっかりと前ギルドマスターも捕らえたあと、ヴァルトスさんが新冒険者ギルドマスターに就任。それからずっと、この街を守ってくれている、とっても信用できる人らしい。
そして、そんな信頼できる人だから、私の秘密も知っておいてもらい。もしもの時はベルナードさんやアーセリオ様だけじゃなく、ヴァルトスさんにも動いてもらえるようにしておく。それと一緒に、偽造ギルドカードも作ってもらえば良いって。
「ヴァルトス、頼むな」
「お前が俺を呼ぶってことは、こいつらは問題ないってことだからな。作りたいように作ってやるさ。それに確かにこのままカードを作ったんじゃ、この嬢ちゃんはそこら中から狙われるとこになるからな。そんな『神に愛し子』なんて、面倒な表示は消しとけ消しとけ。ガハハハハハッ!!」
神の愛し子を崇拝している人たちが聞いたら、大変な事になりそうだけど……。でも、こんな気にしなしで、冒険者カードを作ってもらえるのは、本当にありがたく思うよ。始めての陸地、初めての街で出会えた人たちが、とても親切で優しい人たちで良かった。
ちなみに問題の『神の愛し子』だけど。自由にこの世界で生きたい私にとっては。そして私の家族になってくれたケロケロ、グレイス、ポル君にとっても、面倒な存在だった。まぁ、これのおかげで、いろいろと力をもらえているし、守られているらしいんだけど。それでもね?
『神の愛し子』とは。神から特別な祝福を受けて生まれた存在。神に選ばれた子、神の意志を地上に伝える存在。特別な力を持っていて、邪悪なものを祓うことができ、世界を闇から救うことができる。
そのため、世界にその存在が現れると、信仰の対象として多くの人々から祀られるんだけど。ただ祀るだけじゃなく、存在を手に入れて自分たちの利益にしようと企む者も多く、常にどこかから狙われる。
ね、『神の愛し子』って、まさにライトノベルに出てくる神の愛し子みたいでしょう? だから自由に生きたい私には、すごく面倒な話なんだ。そんな囲われるような生活なんて、まっぴらごめんだし。
それに、もし私が神の愛し子だってバレたら、ケロケロたちに迷惑をかけることになっちゃ。それは絶対にダメ。
「よし! じゃあ嬢ちゃんのステータスは確認したから、今から俺がカードを作る。でだ、神の愛し子を載せないのは当たり前だが、使える力も……」
そうしてベルナードさんとアーセリオ様、ヴァルトスさんが、私のステータスについて話し合った結果。
使える基本属性については、全て載せることに。これは私が魔法を使えば、どうせそのうちバレるだろうし。基本の属性を全て持っている人なら、ちょっと珍しいだけで、いないわけじゃないから、下手に隠さない方が良いだろうって。
それから魔獣との契約については、全員と登録したよ。これなら、魔獣姿のケロケロかグレイスと一緒にギルドの入っても問題ないから。人の姿ならそれはそれで問題ないし。
後は魔力量に関しては、私は平均の2倍以上あるらしく、それを平均値に。というか2倍以上だったのか。神様、言っておいてもらわないと。
と、こんな感じでいろいろと決めていき、それを紙に書き留めていったヴァルトスさん。そして全てのことが決まると、ケロケロたちが持っているのと同じ、冒険者カードを取り出した。
「じゃあ、とりあえずこれに魔力を流せ。できるだろ?」
「あい」
私はすぐにカードに魔力を流す。するとカードは少しだけ光った後すぐに光りは消え。光りが消えたカードをヴァルトスさんが、これまた何かの道具に差し込んだよ。
「これに入れると、このカード情報が確認できるんだよ。……よし、変えるところ以外の情報も、ちゃんと記載されたな。後はこれを……」
カードを取り出し、今度はヴァルトスさんがカードに魔力を流し始めた。
「今、ヴァルトスが情報を書き換えているところだ。これは簡単にできることじゃないんだぞ。ここは大きな街だが、こんな大きな街でも、1人いるかいないかなんだ。ここにヴァルトスがいてくれて助かったな」
『俺たちは、いろいろと教えてくれたやつが、偽造の仕方を教えてくれたからな』
『カードに魔力を流す時点で、自分達で偽装したんですよ』
『ただ、人のまでは変えたことがなかったからな』
『本人が魔力を流しますからね。その後私たちが変えられれば良いのですが、変えられない可能性もありますし。大体その前に、向こうが確認してしまいますからね』
ん? そういえばベルナードさんは、書き換えるのは簡単な事じゃないって、大きな街でも1人いるかいないかって言ってたよね? じゃあケロケロたちは?
「お前たちもきっとできるだろう。お前たちは俺たちと実力が違い過ぎるからな。が、お前の言う通り、カードを作るとその場で確認されるからな。ここで作るのが最適だ。まぁ、そのうちリアも自分でできるようのなると思うが。……リアも普通と違うからな。あの戦闘能力。というか、教え方がまずおかしいだろう」
ベルナードさん、最後なんて言ったんだろう? 聞こえなかったよ。
と、こんな話しをしているうちに、ヴァルトスさんの作業が終わったみたい。
「よし、これで大丈夫なはずだ。もう1度確認してみるぞ。もしこれで問題なければ、後はお前の血をチビっともらって、情報を固定すれば終わりだ」
やっぱりそういうのがあるんだ。確認はさっきみたいに、道具にカードを差し込んで確認。さすがのヴァルトスさん。情報はきちんと書き換えられていたよ。
そうして最後、私の人差し指にチクッと針を刺して、私が血をカードに垂らすと、またカードが少しだけ光ってすぐに消えて。これで私の冒険者カードは出来上がり。私はヴァルトスさんにお礼を言った。
「ありあとごじゃましゅ」
「おう! 良いってことよ!」
「それでは。次に私の方を終わらせましょう」
そう、アーセリオ様が言った時だった。ケロケロとグレイスが2人揃って、窓の方を見たんだ。




