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転生先は海のど真ん中!? もふ強魔獣とイケオジに育てられた幼女は、今日も無意識に無双する  作者: ありぽん


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35話 階段に敗北した私、連れてこられた場所は?

『はやぁ~』


「はやぁ~」


『ほら2人とも、口を閉じなさい。はしたないですよ』


『それにボケッとしながら歩いていると、転んで怪我をするぞ。しっかり前を向いて歩け』


 これを見て、普通に歩けと? というかケロケロとグレイスは何とも思わないわけ? もしかして2人は、時々街に来ていたから見慣れているとか? 

 でもそれだと、ポル君も一緒に見てるはずだから。ポル君は驚かないはずだよね?  ポル君、私よりも驚いてるけど……。


「それじゃあランドルフ、頼むな」


「はっ。では皆様こちらに」


『お前は行かないのか?』


「着替えてから行くから、先にランドルフに付いて行ってくれ」


「私もすぐそちらへ。アルセインお茶の準備を」


「はっ」


『ほら、ポル。フラフラしてないで行きますよ』


『ねぇねぇ、りあ』


「ん?」


『へんなきらきら、いっぱい。おもしろいねぇ』


「しょだね」


『あのまるっこいのとか、ぼくにぴったり』


「まりゅっこいの?」


『あれ』


 ポル君が短い足を一生懸命伸ばした先には、物凄くキラキラしている壺? が置いてあって。その壺には飾りと、取っ手みたいな物が付いていたんだけど。


『あのうえにのったり、ぶらさがったりして、ぴしっ!! ってやったら、ぼくカッコいいはず』


 ピシッ!! っていうのはポーズの事で。どうやたらそのきらきらの壺に乗ったり、ぶら下がってポーズをとったら、カッコいいと思ったみたい。


『ほかにもいっぱいある。あとでかっこいい、やらせてもらえるかなぁ』


「う~ん、どかな」


 たぶんやったら怒られるよ。どう考えても高級品だもん。勝手に触るのはもちろんダメだけど、聞いても触らせてもらえないんじゃないかな? 


『ポル! いい加減フラフラをやめなさい!』


『ほ~い』


 グレイスに怒られて、私のカバンに戻ってきたポル君。そうして、階段の前に立つ。

……なにこれ、山? それとも壁?

 今までは何でもなかったはずの階段が、2歳児の目には、まるで立ちはだかる壁みたいに見える。


 まぁ、ここは特別か。他の場所は普通なはず……だよね? とりあえず上れる所まで1人で上ってみよう。


 私は階段を1段ずつ上り始めるた。…けど、うん。階段の半分で、早々にギブアップをしてしまったほ。

 ケロケロとグレイスの訓練と、毎日甲羅の階段を上り下りして体力が付いたから、もう少し行けると思ったんだけど。どうやたら階段は違ったみたい。


 ケロケロが溜め息を吐いて、私を脇に抱え階段を上り始めたよ。


『だから初めから俺が連れて行ってやると言っただろう』


 そうだけど、頑張ろうと思ったんだよ。それと荷物じゃないんだから、脇に抱えないで、普通に抱っこして欲しい。いや、今の私は力尽きた荷物か……。はぁ。


 そんな荷物になった私の横を、カバンに入っていろって言われていたはずのポル君が、カバンから出てきて。フィギュアスケート選手のように、その場でクルクル回ったり、周りながら上の段にジャンプしたり、変なステップを踏んだり、時々格好つけたり。


 まぁ、いろいろと技を披露し、ポーズを決めながら、さっさと階段の1番上まで上って行った。そして……。


『りあ、つぎはこのくんれんねぇ』


 と。くっ、とりあえず2階までは上れるようになってやる。


 それからランドルフさんに付いて、私たちは3階まで上り。……私は抱えられたままだったけど。広い廊下を右に進んで、3つ目の部屋に通された。


 うん、大きな部屋。私が日本で暮らしていた時の1人に暮らし用の部屋が、何個も入っちゃうよ。これで応接室か……。


「ご当主様とベルナード様は、ただいまお支度中でございます。まもなく参りますので、どうぞおかけになってお待ちください」


 そう言って部屋を出て行ったランドルフさん。だけどすぐに戻ってきて、ポル君にたくさんのぬいぐるみと、おもちゃを持ってきてくれたんだ。


「きっとまた長い話になるでしょうから。もし飽きたら、こちらでお遊びください。それから、こちらも」


 ランドルフさんが出してきたのは、風呂桶を2倍くらいに広げたような入れ物で。話している間、ミストクラブたちをこの中に出しておいて、一緒に遊んでいても良いって。


 すぐにケロケロが魔法で砂を引き、海水を入れてくれて、グレイスがその中に、ミストクラブたちを出したよ。うん、みんな元気。


 と、そなことをしていると、先に部屋にきたのはベルナードさんだった。


「まだあいつは来てないか。まぁ、もう来るだろう。お、さっそく遊んでるな。リアも、自分の話しが終わったら遊んでて良いぞ。後は難しい大人の話し合いだからな。さて、ここはどうだ? 俺は落ち着かないんだが」


『前に同じような屋敷に行った事がある』


「そうなのか?」


『ええ。向こうはここと違い、森に囲まれていましたが』


「森……、それで同じような屋敷か」


『俺たちに、いろいろ教えてくれたやつが住んでいてな、ついでに泊まらせてくれたんだ』


『ぴょんぴょん、ぴよよよよ~ん!! あれはたのしかった』


「ぴょん? ぴよよん?」


『そう! あれはかんぺき』


 何のことだろう?


「なら、落ち着いてるのは、その魔獣が泊めてくれたおかげか」


『落ち着いて? 俺たりはあいつのところでもこんな感じだったが?』


『ええ、いつも通りでしたよ。ポルは最後まで楽しんでいましたし』


「いつも通り? ああ、魔獣だから、人間の方の身分なんて知らないだろうからな。……それで緊張しなかったか?」


 ああ、ベルナードさん。私はちゃんと緊張してたんだよ? 正確に言えば、緊張してた、だけど。階段を上っているうちに、緊張よりもなんとも、言えない気持ちの方が大きくなっちゃって、緊張はどこかに行っちゃったの。


 なんで急に、ベルナードさんがそんな話をしたのか。それは……。


 少し前まで、街の近くの岸辺にいた私たち。でも、やってきた馬車に乗せられて、ある場所まで連れてこられて。

 その場所とは、馬車に乗っていたベルナードさんの関係者の人が、暮らしている家だったんだけど。家っていうか、ううん……。


 私たちは今、まさかの辺境伯様のお屋敷に来ちゃったんだよ!

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