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転生先は海のど真ん中!? もふ強魔獣とイケオジに育てられた幼女は、今日も無意識に無双する  作者: ありぽん


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33話 弟との話し合いと、ここにもあった驚きの出来事(ベルナード視点)

「ん?」


「兄上? 兄上! 今までどこにいらしたのですか!!」


 玄関ホールに入ると、ちょうど階段の下にいた俺の弟、アーセリオが。俺の姿を見て、物凄い勢いで駆け寄ってきた。


「兄上がクラーケンを討伐したとの報告があってから、どれほど時間が経ったと思っていると? 街と港を守ってくださっているのは感謝していますが、報告だけはしっかりしていただきたいと、お願いしたはずでは?」


「すまんすまん。俺にもいろいろあったんだよ。それも含めてお前に……」


「しかも今回は、港だけでなく街にまで被害が及ぶかもしれなかった、クラーケンの襲撃です。それをたった一撃で倒したと報告を受けましたが、一体どんな魔法を使われたのですか!? 各方面から、あれは何だ? と説明を求められ、何も知らない、報告を受けていない私が、どれだけ困ったか!」


「あー、それは悪かったな。今からその話しを……」


「まったく兄上は、昔から肝心な時ほど戻ってこない。私たちとの食事をすっぽかすのはまだしも、今回の件はさすがに、すぐに顔を見せるべきだったのではないですか!」


 怒涛のように言葉をぶつけてくるアーセリオに、俺は口を挟む暇もない。


 ……そういえば昔から、こいつはこんなふうだったな、なんて懐かしく思いながらも。今はリアたちを待たせている。怒るのは後にしてもらって、先にリアたちの話しをしなければ。


「アーセリオ。今のお前の疑問も含めて、至急話さなきゃならないことがある。説教はあとでゆっくり聞くから、今は2人だけで話をしたい」


「私の話しはまだ終わって……、話ですか?」


「ああ、お前と2人きりでだ」


「……分かりました。では執務室へ。アルセイン、お茶の用意を」


「はっ」


 俺がふざけた調子をやめ、真面目に話したからか、アーセリオは怒るのをやめ、すぐに執務室へと向かい。

 そしてアルセインが茶を運んできて部屋を出ると、執務室には俺とアーセリオだけになった。


「それで兄上、話しとは? クラーケンや兄上の攻撃にも関係あるとか?」


「お前、ちゃんと俺の話しが聞こえていたのか」


「ええ、一応は」


「だったら少しは俺に話させろよ」


「あれくらい言っても良いではないですか。大変だったのは事実なのですから」


「はぁ、俺も俺だが、お前変わっていないな」


「良いではありませんか。いつも通り、今まで通りでいい事もたくさんあるんです。それで兄上?」


「ああ、実はな。今回クラーケンを倒したのは俺じゃない。倒したのは別の奴で、その家族も俺たちの側にいてな。そいつらの存在を他に知られないように、俺が倒したことにしたんだ」


「兄上ではなかったのですか!? 私は本当に、兄上が攻撃したのだと。 ……訓練を再開されたと聞いていたので、新しい魔法でも身につけ、それを使ったのだと思っていたのです」


「やはり、知っていたか」


「隠れて状況を確認してしまい、申し訳ありませんでした。ですが母上が……」


「はぁ、母上も相変わらずだな。まぁ、それだけ心配もかけたから仕方ないんだが」


「しかし、それほどの攻撃をできるなど、その者たちは一体どのような?」


「そいつの話をする前に、まずクラーケンが現れる前まで話を戻す。そして、俺の話をすべて聞いた上で、お前に頼みたいことがあるんだ。ある幼児と、その家族を守るために」


「……幼児? ……家族を守る? 分かりました。まずはすべて話を聞きましょう」


 こうして俺は、リアたちと出会った時のことから、クラーケンの襲撃前のリアたちのこと。クラーケン討伐の真実に、リアとその家族のこと。そして後見人について、すべてをアーセリオに話した。


 アーセリオは話の途中途中で、さすがに驚いた様子を見せる場面もあったが。それでも何も言わず、最後まで話を聞いてくれた。

 

 そしてひと通り俺の話しを聞き終わると、少しぐったりした感じで立ち上がり、ドアの方へ向かい、アルセインを呼び、お茶のお代わりを頼み。


 最初のときと同じように、アルセインが茶を置いて部屋を出ていくと、アーセリオは大きく深いため息を吐き、しばらくのあいだ天井を見上げていた。まぁ、リアたちのことを聞けば、そうもなるだろう。


「……ゴクゴク、はぁ。お茶をこんな風に飲むのは数年振りですよ」


「いつだ?」


「母上が木登りをした時です」


「木登りだって!? いつの事だ!?」


「2年前ですね。オリヴィアの子が遊びにきていたんですよ。アリシアとリオネスです。それで2人が木登りをしていたんですが、何故か自分がお手本を見せると言い出したらしく」


「まさかドレスで……」


「そのまさかですよ。言っては何ですが、あの歳にもなって、ドレスのまま木登りをするなんて。その話しを聞いた時、私がどれだけ驚いたか。しかもかなり高くまで登って、その後子供達に、憧れの眼差しで見られていましたよ」


「はぁ、なんて事を」


 まさかリアたちの話しをしに来て、俺も驚く話しを聞くことになるとは。今母上は確か今60歳。2年前といっても58歳。本当その歳で何をしてるんだ。


「はぁ。それで話を戻しますが、本当にそんな幼児が? それと、大きな街を簡単に、一瞬で破壊することができるほどの力を持っている魔獣と。普通に強く、街に来られれば大問題の魔獣と。滅多に人前に出てこず、生態がほとんど分かっていない魔獣と家族だと?」


「ああ」


「しかも、その国家戦力級の家族は今、街の近くで。私と兄上の話し合いの結果を待っていると。簡単にですが、これであっていますか?」


「ああ、あっている」


「はあぁぁぁ」


 アーセリオが大きなため息を吐く。


 この後も、俺とアーセリオの話し合いは続いた。

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