第二話
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お前名前とかないのか
『そうね。アニエスって呼んで』
わかった
窓の外から青白い光が差してきた。朝だ。
寝ていた女が目を覚ましたようだ。
「おはようございます。今日は早いんですね。いつもなら日が真上までいかないと起きないのに」
「なあ、俺どう言うやつだった?」
「何言ってるんですか。ジャック様はジャック様です」
「本当に教えてほしいんだ。記憶が曖昧で」
「大丈夫ですか? ジャック様は、、そうですね。あんまり印象はないんだけど、魔術も武術も普通で、変なことばっかり言っました。俺が王になるんだとか」
「俺って王になれないのか」
「なれないことはないですけど、まあ無理ですよ」
「何で無理なんだ」
「だってジャック様は九位だし、特徴がないって言うか、、」
「なるほど」
「あんまり落ち込まないでください。こっちまで悲しくなります。朝食の準備があるんでそろそろ行きますね」
そう言うと女は立ち上がり、ベットの横に散らばったメイド服に着替えだした
「俺とお前ってどういう関係だったっけ」
「もう、あんまりふざけたこと言わないでください。そろそろ怒りますよ。ジャック様から襲ってきたんじゃないですか!」
「そうだった」
「あんまりしゃべりかけないでください。遅れるとメイド長に怒られちゃう」
「あと一つだけ。今から俺はどうすればいい?」
「本当に記憶がなくなったんですか?」
「そう言ってるじゃないか」
「わかりました。私がついていきます。メイド長に報告しましょう」
「ありがとう。名前なんだっけ」
「アントワーヌです二度と忘れないでください」
俺はアントワーヌにつれられて、俺が見てきたどの建物よりも広いくて長い廊下を歩き続けた。
「この廊下長すぎないか」
「この城は魔術無効の結界を建物自体が魔法陣となって発動してるから、こういう変な廊下もできてくるわけです」
「それにしても長いな」もう一時間くらいは湾曲した廊下を歩いていた。
「ジャック様が定期選挙で順位を上げてくれればもっと中心に行けるのになー。ジャック様定期選挙覚えてます?」
「もちろん覚えてない」
「ですよね。この国の王子には序列があって1位から9位まであります。ジャック様は9位です。そしてこの城は中心に行けば行くほど上位の王子が住んでます。もちろん儀式や朝食などは中心で行われます。上位の王子のほうが楽なんですね。その序列をきめるのが定期選挙。三カ月に一回行われて、貴族の投票によって決められます。生まれの早い王子のほうが気に入られている場合が多いので、生まれの遅いジャック様は上位の王子にはまず勝てません」
「そうか」
「着きましたよ」
扉を開けると、朝の光に包まれた老婆が座っていた。
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