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隻眼の勇者  作者: 火神ツバメ
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第八話 隻眼の竜騎士

登場人物

主人公

マックアレクサス(男) 片目に眼帯をしている

オノル(男) アレクサスが行き付けの飯屋の店員

ノルン(女) 冒険者 魔族 武器双剣

ジャイル(男) 情報屋

マリウス(男) 貴族 珍しい魔物を収集している

ノルンとパーティーを組んでから数日が経ち2人の息もあってきた。


ノルン「今日も楽勝だったわね。」


アレクサス「あぁ。大分チームワークが良くなってきたな。」


ノルン「さぁいつもの所でご飯食べましょ。」


アレクサス「了解。」


アレクサス達はいつも通り飯屋に入った。


ノルン「オノル。アタシはいつものね。ってあれ?オノルは?」


店主「悪いね。オノルならもういないよ。」


アレクサス「いない?何処に行ったんだ。」


店主「詳しい話は後でいいかい。」


ノルン「後でちゃんと説明しなさいよ!」


アレクサス達はとりあえずご飯を食べてから店主の話を聞いた。


店主「実は今日店にある貴族の方がいらしてね。その貴族がオノルを見て龍神族じゃないかって驚いてね。その場でお金を出されてオノルを買い取りたいって言われてね。」


アレクサス「それでオノルを売ったのか。」


ノルン「最低ね。」


店主「最初は断ったんだが、次々にお金を出されてね。誰でもあんな大金を目の前にしたら正常な判断なんて出来ないさ。」


アレクサス「それでその貴族っていうのは誰なんだ?」


店主「ロードマリウスだ。」


アレクサス「ロードマリウス。知ってるか?」


ノルン「知らないわよ。」


店主「もういいだろ。出ていってくれ。」


アレクサス達は店を追い出された。


ノルン「どうするの?」


アレクサス「ジャイルに聞いてみるか。」


ノルン「情報屋ね。」


アレクサス達は酒場に向かった。

酒場にはいつも通りジャイルがいた。


アレクサス「よっ。ジャイル。ちょっといいか?」


ジャイル「そろそろ来ると思ったぜ。オノルの件だろ?」


アレクサス「話が早いな。ロードマリウスは今何処にいる?」


ジャイル「ロードマリウスは珍しい種族や珍しい魔物を集めているコレクターらしい。まさかオノルが龍神族だったとはな。マリウスに狙われても仕方ない。おっとマリウスの居場所だな。マリウスの館はここだ。」


ジャイルは地図を広げてマリウスの館の場所を教えてくれた。


ジャイル「恐らく館の地下室に監禁されてると思う。マリウスは自宅警護に強い冒険者を雇っているらしいから気を付けろよ。」


アレクサス「確かにクエストにたまにあるな。誰かの警護とか。いろいろありがとう。行ってくるわ。」


ノルン「早く行きましょう。」


アレクサス達はマリウスの館の前まで来た。


ノルン「ここね。さぁ行きましょう!」


アレクサス「ちょっと待て。流石に正面から突入してオノルを助け出して逃げるのはキツい。」


ノルン「じゃあどうするのよ。」


アレクサス「落ち着け。こういう時こそ慎重にならないといけない。作戦だがまず俺が正面から突入して相手にワザと見つかり逃げる。その隙にノルンが地下室に侵入してオノルを救出する。救出出来たらギルドに向かってくれ。俺もしばらくしたらギルドに向う。分かったか?」


ノルン「了解!」


アレクサス「それじゃあ行くぞ!」


アレクサスは正面の門を破壊し館に侵入した。


マリウス「何事だ!」


警備員「何者かが侵入したもようです。」


マリウス「侵入者だと私の館に侵入するなど余程のアホらしいな。さっさと始末しろ。」


雇われた冒険者「俺達も行きますか?」


マリウス「当たり前だ!何のために雇っていると思ってる。それなりのお金を渡してるんだしっかり働いてもらうぞ。」


冒険者「了解しました。」


警備員「くっ。コイツ強いな。」


アレクサス「さぁどうした!こんなもんかい。マリウスの警備は。」


警備員「くっ。調子に乗るな!」


警備員達が数十名で挑むもアレクサスに攻撃を当てることすら出来ないでいた。


冒険者「やれやれ。楽な仕事だと思って来てみたら面倒ごとに巻き込みやがって。アンタに恨みはねぇが仕事なんでな。死んでもらうぜ。」


アレクサス「アンタが雇われた冒険者か。お手並み拝見だな。」


冒険者「一瞬で終わらせてやるよ!」


一方そのころ裏口からマリウス邸に侵入するノルン。


ノルン「アレクサスが敵を引き付けてくれてるお陰で誰もいないわね。これなら簡単に助け出せそうね。」


ノルンは難なく地下室まで辿り着いた。

地下は牢屋になっており、牢屋の中には見たこともないような魔物が捕まっていた。


ノルン「可哀想に。だけど、今はオノルを探さないと。って言ってたら見つけた。オノル!起きなさい!」


オノルは薬で眠らされていたようだ。


オノル「ん?あれノルンさん。どうしてここに?」


ノルン「アンタを助けに来たのよ!ほらここから出るわよ!」


オノル「はい。でもボクはもうここを出ても、もう行く所がありません。」


ノルン「そんなのはここから出てから考えればいいでしょ!あまり時間がないのよ。今外でアレクサスが時間を稼いでくれてるから。」


オノル「アレクサスさんが。分かりました。でも鍵がかかってて。」


ノルン「鍵ね。探してくるわ。」


ノルンは辺りを見渡すも鍵らしきものは見当たらなかったので扉を開けて隣の部屋を覗いてみた。

隣の部屋にはライオンの魔物。ライオネルが寝ていた。ライオネルの首に鍵が付いているのが見えた。


ノルン「まさかあれか。しょうがない。そ~っとそ~っと。」


ノルンは慎重にライオネルに近付き鍵に手を伸ばした。


ノルン「もう少しもう少し。」


鍵に触れた瞬間ライオネルが目を覚ました。

ライオネルはゆっくりと立ち上がり雄叫びをあげノルンに襲いかかってきた。


ノルン「仕方ない。悪いけど、ちょっと痛い目にあってもらうよ。」


ノルンはライオネルの攻撃をかわし双剣を取り出しライオネルに攻撃する。

両手を上にあげライオネルの頭に向けて振り下ろした。

ノルンの攻撃はライオネルにヒットしライオネルは気絶した。


ノルン「ごめんね。鍵貰っていくよ。」


ノルンは鍵を取りオノルの牢屋に向かった。


オノル「あっ。ノルンさん。大丈夫でしたか?何か獣の雄叫びが聞こえましたけど。」


ノルン「大丈夫よ。アタシにかかればあの程度朝飯前よ。それより鍵取ってきたわよ。」


ノルンはオノルの牢屋の鍵を開ける


オノル「すみません。ありがとうございました。」


ノルン「それじゃあ逃げるわよ。」


オノル「はい。」


オノル達はマリウスの館から逃げ出した。


一方アレクサスは。


冒険者「クソ!コイツさっきからちょこまかと。」


アレクサス「そろそろいいかな。」


冒険者「いい加減死にやがれ!」


冒険者の攻撃に合わせアレクサスはカウンターを入れる。


冒険者「がはっ。」


冒険者はその場で倒れ気絶した。


アレクサス「強いと言ってもこんなもんか。ノルンでも多分勝てたな。さてともういいだろう。」


アレクサスはその場から逃げ出した。


警備員「なっ。逃げたぞ!追え!」


警備員達はアレクサスを追うがアレクサスの速さについてこれず見失ってしまう。


警備員「すみません。見失ってしまいました。」


マリウス「まぁいい。結局奴は何がしたかったんだ?」


マリウスは地下に向うと異変に気付いた。


マリウス「なっ。ライオネルが倒されてるじゃないか!しかも首に掛けておいた鍵もなくなってる。まさか!」


マリウスは地下牢に向かった。


マリウス「やられた!奴の目的は誘導。龍神族の子供が盗まれた!畜生!もう一度奴等を探してこい!」


マリウスは警備員達に命令した。警備員達はもう一度アレクサス達を探しに行った。


アレクサスは追ってがいないことを確認してからギルドに向かった。

ギルドには既にノルンとオノルが待っていた。


ノルン「あっやっときた。遅いわよ。」


アレクサス「早かったな。充分に余裕をみて時間稼ぎしたんだが、必要なかったな。」


ノルン「見直したかしら?」


アレクサス「あぁ。見直した。オノルも無事で良かった。」


オノル「はい。お陰様で助かりました。ありがとうございました。でもボクはこれからどうすれば。」


アレクサス「オノルは龍神族なんだな。それは覚えてたのか。」


オノル「はい。すみません。言い出しづらくて。でもそれ以外は何も覚えていません。」


アレクサス「そっか。龍神族についてジャイルに聞いてみるか。」


アレクサス達は再びジャイルの元に向かった。


ジャイル「おっ。無事に戻ったみたいだな。流石隻眼のハンターだな。」


アレクサス「ジャイルのお陰さ。ありがとうな。それで龍神族について知りたいんだが。」


ジャイル「俺の知ってるのは龍神族とはドラゴンの中に稀に産まれるレア個体のことを言うらしい。龍神族の特徴は人間の姿に変化できるというのが最も大きな特徴かな。それ以外は詳しくは知らない。あとドラゴンは子供を産む時は天龍山で産むらしいからそこに行けばもしかしたら何かわかるかもな。」


アレクサス「なるほど、天龍山か。ここからだとかなり遠いな。どうする?そこに行けば何か思い出すかもしれないけど。」


オノル「ボクは…。」


ノルン「行くに決まってるじゃない!大丈夫よ。アタシとアレクサスが付いてるんだから!」


アレクサス「おい。勝手に決めるな。」


ノルン「何よ。アレクサスは嫌なの?」


アレクサス「嫌とかじゃなくてだな。オノルの意見が聞きたいって言ってるんだよ。」


オノル「ボク。行ってみたいです。」


アレクサス「なんだって?そんな小さな声じゃ聞こえないぞ?」


オノル「ボクを天龍山に連れて行って下さい!」


ノルン「了解!」


アレクサス「分かった。任せろ!」


ノルン「それじゃあ、今日からオノルもパーティーの仲間入りね。」


オノル「ボクなんかがいいんですか?」


アレクサス「一緒に行くんだから当然だろ。」


ノルン「ねぇねぇ。パーティー名決めない?」


アレクサス「パーティー名か。俺はなんでもいいけど。」


ノルン「じゃあじゃあノルンと愉快な仲間達なんてどうかしら?」


アレクサス「却下だ。」


ノルン「なんでよ!」


アレクサス「オノルは何かないか?」


オノル「ボクですか?うーん。隻眼の竜騎士なんてどうでしょうか?」


アレクサス「おぉ。いいんじゃないか。」


ノルン「うー。まぁいいんじゃない。」


アレクサス「じゃあ決定だな。今日から俺達は隻眼の竜騎士だ!」


ノルン、オノル「おー!」


アレクサス「それじゃあ明日から天龍山を目指すか。」


アレクサス達はその日は宿で寝ることにした。


次の日


アレクサス「それじゃあ、必要な物を揃えて出発するか。」


ノルン「あっ。ちょっといいかしら?」


アレクサス「なんだ?」


ノルン「天龍山に行く前に行きたい所があるんだけど。」


アレクサス「何処に行きたいんだ?」


ノルン「ユースレイド国!」


アレクサス「ユースレイド国だと。」


ノルン「アタシ一度でいいからユースレイド国に行ってみたかったのよね。でもユースレイド国には魔族だけじゃよっぽどの理由がなくちゃ入れないでしょ。だけど、アレクサスと一緒なら入れるじゃない!」


オノル「ボクも興味ありますね。人間の国。どんなんだろう?」


アレクサス「そんなに変わらないと思うけどな。」


ノルン「いいじゃない!ユースレイド国と天龍山は真逆にあるから行くなら今しかないのよね。」


アレクサス「分かったよ。但し俺の言うことを聞くことと大人しくすることを約束できるなら連れて行ってやる。」


ノルン「約束するわ。やったわね。オノル!」


オノル「はい!楽しみですね。」


ノルン「それじゃあ、早速行きましょう。」


アレクサス達はユースレイド国に向かった。


アレクサス達は中央都市カルハバームに向かうことにした。


アレクサス「せっかくだから俺はちょっと寄りたい所があるからお前らはこの辺のお店でも見て周っててくれ。あんまり遠くに行くなよ?」


ノルン「分かったわ。行くわよ。オノル。」


オノル「はい。行きましょう。」


アレクサス「少し不安だが、まぁ大丈夫だろ。さて、俺も行くか。」


アレクサスはカルハバーム騎士養成学校に来ていた。

校庭には生徒が先生に扱かれていた。


アレクサス「おっ。やってる、やってる。相変わらず厳しいなマルク先生は。」


マルク「よし。少し休憩だ。」


マルクは視線に気付き視線の方を見ると眼帯をした青年がこちらを見ていた。青年はお辞儀をして去って行った。


マルク「あれは、アレクサスか?随分逞しくなったようだな。」


マルクは少し笑顔になった。


マルク「よし!休憩終わりだ!再開するぞ!」


一方ノルン達はいろんな店を見て周っていた。


ノルン「いろんな店があって迷うわね。」


オノル「そうですね。どうします?」


ノルン「ねぇねぇ。あれ何かしら?」


オノル「えっと。クレープって書いてありますね。食べ物のようですね。」


ノルン「美味しそうね。あれ食べましょ!」


オノル「はい。」


クレープ屋の店員「いらっしゃいませ!何になさいますか?」


ノルン「えっと。アタシはストロベリーにするわ。オノルは?」


オノル「ボクはチョコレートでお願いします。」


店員「かしこまりました。」


しばらくして出来上がったクレープを受け取り2人はベンチに座り食べることにした。


?「泥棒!誰かそいつを捕まえて。」


ベンチに座ろうとしたノルンに泥棒がぶつかりノルンのクレープが地面に落ちてしまう。


オノル「大丈夫ですか?って大丈夫じゃないですね。ボクので良かったら食べますか?」


ノルン「許さない。」


オノル「えっ?」


ノルン「絶対に許さない!」


ノルンは泥棒を追いかけて走り出した。


オノル「あっ。ノルンさん!」


オノルもノルンを追いかけようと思ったがクレープを持っていたことに気付き急いでクレープを食べた。

ノルンは泥棒を追いかけていた。


泥棒「なっ。なんだ、あの女。このままだと追いつかれるな。仕方ねぇ。」


泥棒は女の子を捕まえて人質にした。


泥棒「くるな!この子供に怪我させたくないなら言うことを聞け!」


ノルン「クソ!卑怯者!」


泥棒「うるせー!いいから言うことを聞け!」


ノルンは大人しく言うことを聞くことにした。


泥棒「へっへっへ。それでいいんだ。」


泥棒はゆっくりとノルンに近付いてきた。

その時、泥棒の後ろの建物の上から泥棒目掛けて女性が降ってきた。

ノルンは思わずその女性の方に見とれてしまっていた。


泥棒「ん?お前どこ見てるんだ?」


泥棒は不意に後ろを見ると上から降りてきた女性の蹴りをくらい気絶した。

女性は人質の女の子を確保した。


女性「もう大丈夫だからね。貴方はこの男の関係者かしら?」


ノルン「いや、そいつ泥棒らしいから捕まえようと思って。」


女性「そう。でも無茶しちゃ駄目よ。でもありがとう。あとは私に任せなさい。」


女性は泥棒を抱えて歩き出した。


ノルン「あっ。あの。名前聞いてもいいですか?」


ユースティア「ユースティアよ。」


そう言うとユースティアは去って行った。


オノル「あっ。いたいた。ノルンさん。大丈夫ですか?泥棒は?」


ノルン「女性が捕まえて行ったわ。」


オノル「そうだったんですね。良かったですね。」


ノルン「そうね。さてと、もう一度クレープ買いに行きましょう。」


オノル「はい。」


ハック「あっ。戻ってきた。」


マロン「流石ユースティアだね。」


ユースティア「このぐらい大した事じゃないわ。」


マロン「前にもこんなことあったよね?」


ユースティア「そうね。私もそう思ってたわ。アレクサスは今何処にいるのかしらね。」


ハック「さぁな。まぁ元気にやってるさ。」


マロン「あれからもう3年か。ボク達も今ではカルハバーム騎士団の一員だもんね。」


ユースティア「そうね。さてと、せっかくの休み。楽しみましょう。」


一方アレクサスは2人と合流した。


アレクサス「おっ。いたいた。」


ノルン「遅かったわね。」


オノル「用事は済んだんですか?」


アレクサス「あぁ。旅に必要な物を揃えて一泊したら明日から天龍山に向うぞ。」


ノルン「分かったわ。」


オノル「了解です。」


アレクサス達は旅に必要な物を購入し一泊し翌日から天龍山に向けて旅に出た。




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