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隻眼の勇者  作者: 火神ツバメ
7/9

第七話 魔大陸

登場人物

主人公

マックアレクサス(男) 片目に眼帯をしている

オノル(男) アレクサスが行き付けの飯屋の店員

ノルン(女) 冒険者 魔族

ジャイル(男) 情報屋 

ナナセの件から3年後アレクサスは魔大陸にいた。


女の子「ハァハァ。誰か助けて。」


少女は1人森の中でワイルドウルフから逃げていた。

女の子「このキノコをおばあちゃんにあげるんだ。あっ。」


少女は地面の石に足を引っかけてしまい転んでしまう。

その少女にワイルドウルフが飛び掛かる。


ザシュ!


ワイルドウルフが少女を襲う瞬間ワイルドウルフは何者かに斬られた。

少女は恐る恐る目を開けるとそこには眼帯をした。男の人が剣を持って立っていた。

男は剣をしまい少女に手を差し伸べた。


男「大丈夫か?立てるか?」


女の子「うん。お兄ちゃんが助けてくれたの?」


男「あぁ。間一髪だったな。無事で良かった。ここら辺は魔物がでるから一人で出歩いたら駄目だぞ。」


女の子「うん。ごめんなさい。でも、どうしてもおばあちゃんにキノコを食べさせてあげたかったの。」


男「キノコ?」


女の子「うん。このキノコを煎じて飲めば元気になるんだって。図鑑に載ってた。」


男「そっか。でも今度からは大人の人と来たほうがいいな。」


女の子「うん。分かった。」


男「それじゃあ、町に帰ろうか?」


女の子「うん。」


男は女の子と一緒に町に向かった。


男「ここまで来れば大丈夫だな。」


女の子「うん。ありがとう。お兄ちゃんの名前聞いてもいい?」


アレクサス「ん?俺はアレクサス。マックアレクサス。」


女の子「アレクサスお兄ちゃんありがとう。またね。」


そう言うと女の子は去って行った。


俺は今魔大陸に来ていた。

魔大陸には現在2人の魔王の領土が存在するんだが、ここは中立都市ウォルガレム。どちらの魔王の領土にも属してない町だ。

魔王の領土に属している町の場合は領土内であれば魔物から襲われる心配はない。

その代わり食料やお金を納めなければならない。

この中立都市ウォルガレムは属していないためいろんな種族が生活している。

魔物が襲ってくることもあるがそれは冒険者達が基本退治している。

俺も今は冒険者として生活をしている。


この3年間の話を簡単にまとめると、俺はナナセの事を故郷の村の孤児院の先生やナナセの知り合いの人達に報告してから実家で一晩休んだ。

次の日に俺はある異変に気付いた。

それは今まで見えていた目の視力が無くなっていた。その代わり今まで見えていなかった方の目が見えるようになっていた。

しかもその目には魔眼を宿していた。

俺は見えなくなった方の目に眼帯をすることにした。

ナナセがしていたように。

何となくだがアイツが見守っていてくれるような気がする。

その後、旅をすることにして魔大陸に辿り着いた。

旅をするにも生きていく上でお金が必要だ。そこで知ったのがギルドの存在だ。

先程も説明した通りウォルガレムでは魔物を冒険者が討伐する。

その組織がギルドである。

魔物の討伐等の依頼を町の住民達がギルド側に依頼する。

ギルド側は依頼内容に応じてランク分けし依頼主に報奨金を要求する。

依頼主はギルド側にお金を渡し初めてクエストが発行される。

そのクエストを冒険者が受け、クリア出来ればその報奨金を獲得出来る仕組みになっている。


今日も魔物討伐のクエストを済ましたので今からギルドに向かい報奨金を貰いに行くところだ。

アレクサスはギルドに入った。


冒険者の男「おっ。隻眼のハンターじゃないか。今日もクエストをこなしたのか?」


隻眼のハンターとは俺のことだ。眼帯をしてクエストをこなしていたら、いつの間にか呼ばれるようになった。


アレクサス「あぁ。今から報奨金を貰いに行くところだ。」


冒険者の男「お疲れさん。今度飯でも行こうぜ。」


アレクサス「あぁ。」


アレクサスは受付に向かった。


ギルドの受付「あら、アレクサス様。お疲れ様です。」


アレクサス「お疲れです。クエスト達成したので確認お願いします。」


ギルド受付「はい。少々お待ち下さい。えっと。はい。依頼主から達成の確認が取れたので報奨金をお支払いしますね。」


アレクサス「どうも。」


ギルド受付「ありがとうございました。」


俺はそのまま飯屋に向かった。


飯屋の店員「あっ。アレクサスさん。いらっしゃいませ。」


アレクサス「よっ。オノル!席空いてるか?」


オノル「はい。空いてますよ。どうぞ。」


この子はオノル。年齢は15歳ぐらいかな。青色の髪に金色の眼をした男の子だ。

なんでも飯屋の店長が怪我をして倒れていたオノルを助けてそれ以来この店で働いているらしい。

記憶喪失で名前以外は覚えてないようだ。


アレクサス「うーん。今日も日替わり定食にしようかな。」


オノル「わかりました。」


しばらくしてオノルが料理を運んでくる。


オノル「お待たせしました。日替わり定食です。」


アレクサス「おっ。きたきた。」


オノル「アレクサスさん。今日もクエストの話聞かせて下さいよ。」


アレクサス「あぁ。いいぞ。」


オノルは毎回俺のクエストでの話を聞いてくる。


アレクサス「って感じで討伐した。」


オノル「やっぱりアレクサスさんは凄いですね。」


アレクサス「それじゃあ、そろそろ行くわ。」


オノル「はい。ありがとうございました!」


俺はその後いつも泊まっている宿に帰って寝た。

俺の1日は大体こんな感じだ。最初はクエストを達成するのに苦労したが今では難しいクエストも達成出来るようになってきた。


次の日


俺はいつも通りギルドに行きクエストをこなした。

今日の午前中のクエストはロックゴーレムの討伐だった。

討伐後に剣が刃こぼれしているのに気付いた。


アレクサス「ずっと使ってたからな。新しいのを買うか。」


ジャイル「おっ。兄貴。どうしました?何か考えごとですか?」


コイツはジャイル。このウォルガレムで情報屋をやっている。


アレクサス「いや、剣が刃こぼれをしてな。そろそろ新しいのを買おうかと思ってな。」


ジャイル「そうですか。それならこの鍛冶屋がオススメですよ。この町一の腕利きの鍛冶屋ですよ。材料を持って行けばその分割引してくれますよ。」


アレクサス「分かった。行ってみるよ。ありがとうな。」


俺は早速ジャイルに教えて貰った鍛冶屋に向かった。


鍛冶屋の店主「いらっしゃい!おや初めてのお客さんだね。何用だい?」


アレクサス「新しい剣を買おうと思ってな。何かオススメはあるか?」


鍛冶屋「そうだね~。ところであんた隻眼のハンターだね?」


アレクサス「まぁそう言われてるな。」


鍛冶屋「そっか。なら大丈夫かな。うちは材料をお客さんが持って来てくれたらその分安くしてるんだけどね。ここらで採れる鉱石の中で1番ランクが高いのがグリム鉱石って鉱石なんだけどね。これは鉱山の地下50階層でしか採れない鉱石なんだよ。」


アレクサス「地下50階か。そこまでは行ったことないな。」


鍛冶屋「そうだろうね。あんたも冒険者なら知ってるかもしれないけど、鉱山の下の階層に行くほど強力な魔物が生息している。それを知ってるから誰も行かないんだけどね。どうする?無理にとは言わないけど。」


アレクサス「そこまで言われたら行くしかないだろ。」


鍛冶屋「そうかい。気を付けてな。」


アレクサスは鍛冶屋を出て鉱山に向かおうとした。


?「ちょっと待ちなさい!」


アレクサス「ん?」


俺は振り向くとそこには赤髪の女の子が立っていた。

見た感じ俺と同じ年ぐらいかな。

腰に短刀を2本持っているところをみると冒険者か?


?「あんた隻眼のハンターでしょ?」


アレクサス「あぁ。そう呼ばれてるな。何か用か?」


?「ふーん。噂通り人間なんだ。髪の色がお母さんと一緒だ。」


アレクサス「ん?なんか言ったか?」


?「いや、なんでもない。えっとたまたま鍛冶屋との会話が聞こえたんだけど、あんたグリム鉱石を採りに行くんでしょ?」


アレクサス「あぁ。そうだけど。」


?「それならアタシも一緒に行ってあげるわ。鉱山の50階層まで行くんでしょ?一人で行くより二人の方がいいでしょ?」


アレクサス「いや、俺は一人でも大丈夫だけど。」


?「絶対危険よ。アタシがついて行ってあげるって言ってるじゃない。」


アレクサス「分かった。そこまで言うなら一緒に行くか。」


?「本当!やった。それじゃあ早く行きましょう。」


アレクサス「おい。名前ぐらい教えてくれないか?」


ノルン「ノルンよ。あんたは?」


アレクサス「アレクサスだ。マックアレクサス。」


ノルン「アレクサス。さぁ行きましょう。」


アレクサス「まぁ待て。一応準備してから行こう。」


ノルン「そうね。」


俺達は食料や回復薬等を買ってから鉱山に向かった。


アレクサス「因みに鉱山には来たことあるか?」


ノルン「えぇ。クエストでたまにあるじゃない。鉱山の魔物退治。それで20階層までなら行ったことあるわ。」


アレクサス「俺も同じぐらいだ。それじゃあ20階層まではサクッと行くか。」


ノルン「オッケー。」


俺達は50階層を目指して歩き出した。

20階層まではスムーズに来れたがここからは未知の領域だ。


30階層


ノルン「地下に行くほど魔物が強くなってるわね。」


アレクサス「あぁ。だけど、正直驚いた。ノルンもなかなかやるじゃないか。」


ノルン「フン。当たり前でしょ。この程度大したことないわ。」


アレクサス「その調子で頼むぜ。」


アレクサス達はようやく50階層に辿り着いた。

そこにいたのは頭が2つある大蛇だった。


ノルン「コイツを倒せば終わりね」


アレクサス「気を付けろ。コイツは今までの奴等より強いぞ。」


ノルン「大丈夫。アタシに任せてよね。」


ノルンは大蛇に接近した。

大蛇はノルンに噛みつき攻撃をしてきたがそれをかわしノルンは攻撃するが頭突きをくらい吹き飛ばされてしまう。


アレクサス「ノルン!」


大蛇はノルンに追撃をする。

アレクサスは咄嗟にノルンの前に出て大蛇の攻撃を受け止める。

アレクサスは片手の剣で大蛇の攻撃を受け止め片手で魔法の杖を出し魔法を放った。


アレクサス「燃え上がれ炎の紋章。イブフレイム。」


大蛇は炎に包まれ悶え苦しむ。

アレクサスはすかさず攻撃を加える。


アレクサス「天眼流 天翔龍波斬」

アレクサスは斬撃を衝撃波で飛ばし大蛇を斬った。

大蛇は消滅した。


アレクサス「ふう。ノルン大丈夫か?」


ノルン「あぁ。スマン。」


アレクサス「気にすんな。ほら回復薬だ。これでも飲んで休んでろ。その内にグリム鉱石を採っておくからさ。」


ノルン「分かった。頼む。」


アレクサス「これがグリム鉱石か。」


アレクサスはグリム鉱石を採りノルンの元に戻った。


盗賊A「おっと。動くな。動くとこの嬢ちゃんが傷つくことになるぜ。」


盗賊B「大人しくそのグリム鉱石と有り金置いて行きな。」


アレクサス「分かった。」


アレクサスは盗賊にグリム鉱石を入れた袋を投げつけた。

それと同時に接近し盗賊に攻撃する。


盗賊B「ぐはっ。」


盗賊A「てめぇ!」


盗賊はノルンをナイフで刺そうとする。


アレクサスはスキル拘束を使い相手の動きを止める。


盗賊A「なっ。身体が動かない。」


アレクサスはその隙に盗賊に攻撃して気絶させた。


アレクサス「すまん。大丈夫だったか。」


ノルン「うん。大丈夫。それより今何が起きたの?」


アレクサス「ん?あぁ。俺のスキルの能力で俺の視界に入った相手を3秒だけ動きを止めることが出来る。複数人は無理なのと一度使うと暫くは使えないから使う時は注意しないといけない。」


ノルン「なるほどね。」


アレクサス「それじゃあ帰るか。もう大丈夫か?」


ノルン「うん。大丈夫。」


アレクサス達は鉱山から出て鍛冶屋に向かった。


鍛冶屋「おっ。無事に戻ったみたいね。」


アレクサス「あぁ。採ってきたぜ。グリム鉱石。あとコイツの分もコレで足りるか?」


鍛冶屋「大丈夫だよ。あんたも上手いことやったね。」


ノルン「何のことかしら?アタシがコイツと一緒に行ってあげたんだから。」


鍛冶屋「はい。はい。それじゃあ、造るからしばらく待っててくれるかい?あれならご飯でも食べてきたらどうだい?」


アレクサス「そうするか。」


ノルン「ご飯行きましょう。」


アレクサス「俺の行き付けの店でいいか?」


ノルン「うん。いいわよ。」


アレクサスはノルンと行き付けの飯屋に向かった。


オノル「いらっしゃいませ。あっアレクサスさん。今日はお二人様ですか?」


アレクサス「あぁ。こっちはノルン。」


ノルン「ノルンよ。よろしく。」


アレクサス「コイツはオノル。」


オノル「オノルです。よろしくおねがいします。」


アレクサス「俺は日替わり定食で。」


ノルン「アタシもそれでいい。」


オノル「かしこまりました。」


しばらくして料理が届く。


アレクサス「美味そう!いただきます!」


ノルン「いただきます。うん。美味しい。」


アレクサス「だろ?日替わりだから飽きないんだよな。」


オノル「アレクサスさん。今日はお二人でクエストをこなしたんですか?」


アレクサス「いや、クエストじゃなくて鉱山にグリム鉱石っていうのを採りに行ったんだ。剣を新しく造ってもらうのに必要らしくてな。」


オノル「そうだったんですね。それでノルンさんと一緒に行った感じですか。」


ノルン「そう。アタシがついて行ってあげたお陰で無事にグリム鉱石をゲット出来たってわけ。」


オノル「そうなんですね。」


アレクサス「さてとそろそろ行くか。」


ノルン「えぇ。」


オノル「ありがとうございました!」


2人は改めて鍛冶屋に向かった。


鍛冶屋「おっ。待ってたよ。出来たよ。ほい。まずはアンタから。」


ノルン「ありがとう。うわぁ。軽い!」


鍛冶屋「次にアンタね。」


アレクサス「ありがとう。うん。いい感じだな。」


鍛冶屋「満足してもらえたようで何よりだよ。また何かあったらなんでも言いな。」


アレクサス「ありがとうございました。」


ノルン「ありがとうね。」


アレクサス達は鍛冶屋を出た。


アレクサス「今日はありがとうな。助かったよ。」


ノルン「アタシの方こそ助かったわ。」


アレクサス「それじゃあ、また何かあったらよろしくな。じゃあな。」


ノルン「あっ。」


アレクサスはノルンと別れ宿に向かった。


次の日


アレクサスはいつも通りギルドに向かうと入口の前にノルンが待っていた。


アレクサス「よぉ。また会ったな。ノルンもクエストか?」


ノルン「えぇ。」


アレクサス「そっか。お互い頑張ろうぜ。」


ノルン「えっと、あのさ。」


アレクサス「ん?どうした?」


ノルン「その〜良かったらアタシが仲間になってあげてもいいわよ?」


アレクサス「ぷっ。あはは。」


ノルン「なによ!なんで笑うの!」


アレクサス「すまん。分かった。じゃあパーティー組むか。」


ノルン「うん。しょうがないから組んであげる。」


こうして2人はパーティーを組むことにした。




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