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隻眼の勇者  作者: 火神ツバメ
2/9

第二話 入学試験

登場人物

主人公

マックアレクサス(男) 左目が生まれつき見えない

ナナセ(女) アレクサスの幼なじみ片目に眼帯をしている女の子

ハック(男) 入学試験を受けに来た受験生 

マロン(女) 入学試験を受けに来た受験生 獣人族

マルク(男) カルハバーム騎士養成学校の教員。騎士を辞め教員になった。

キャロル(女) カルハバーム騎士養成学校の教員


二人は馬車に乗り中央都市カルハバームに向かっていた。


アレクサス「俺達以外にどれくらい受験生っているんだろうな?」


ナナセ「わからないけど、定員は30名ぐらいらしいよ。」


アレクサス「30名?!そんなに少ないのか。」


ナナセ「自信無くした?」


アレクサス「まさか!最初から厳しい道のりなのは承知の上だ。」


ナナセ「そうだね。この約5年間一緒に特訓を積んできたからね。」


アレクサス「あぁ。俺達なら大丈夫!」



大人の男「そこのお二人さん。今の話を聞くにカルハバームの騎士養成学校の入学試験を受けに行くのかい?」


アレクサス「そうだけど。」


大人の男「そうか。おっと失礼。俺はカルハバームでレインという宿の支配人をしているワッカだ。」


アレクサス「俺はアレクサス。こっちはナナセ。その宿の支配人さんが俺達に何のようですか?」


ワッカ「騎士養成学校の試験を今日受けて結果が出るのが明日なはずなんだが、今日泊まる所は決めてるのかい?」


アレクサス「いや、向こうで探そうと思ってたけど。」


ワッカ「それならウチの宿はどうだい?ここであったのも何かの縁少しお安くしますぜ。」


アレクサス「本当か!ならそうしようかな。どうする?ナナセ?」


ナナセ「いいんじゃないかな。」


アレクサス「それじゃあ、よろしくおねがいします!」


ワッカ「ありがとうございます。試験頑張って下さいね。これはウチの宿の地図です。それでは。」


しばらくして馬車はカルハバームに到着した。


アレクサス「ここがカルハバームか。すげぇ沢山の人と建物!」


ナナセ「都会って感じだね。騎士養成学校はこっちかな。」


ナナセは地図を広げ指を指した。


アレクサス「それじゃあ行くか。」


二人は地図を見ながら騎士養成学校を目指し歩きだした。


ドン!

女の子「うわっ。」


男が前を歩いていた女の子にぶつかり荷物を盗み走って逃げた。

アレクサス「ナナセ!」


ナナセ「うん。」


二人は同時に男を追いかけて走り出した。

男は追いかけてくる気配を感じてか路地に逃げた。


ナナセは地面に落ちていた石を拾い男に向けてなげたのと同時にナナセの後ろを走っていたアレクサスが大きく前にジャンプした。


ナナセ「当たれ!」


男「ぐはっ」


ナナセが投げた石は男の頭にぶつかり姿勢を崩した。その瞬間アレクサスが男の前に着地する。


アレクサス「さぁ。もう逃げられないぜ。観念しな。」


男「クソっ。ガキが。調子に乗るなよ!」


男はポケットからナイフを取り出しアレクサスに向けて走り出した。

アレクサスは相手の突き出された手を躱し背負投をして男を地につかせた。


男「ぐはっ。」


ナナセ「大丈夫かい?アレク。」


アレクサス「あぁ。」


しばらくして警備隊がやってきて男を連れて行った。

警備隊の人と一緒に荷物を盗まれた女の子がやってきた。


女の子「あの。ありがとうございました!」


アレクサス「良いって良いって。次は気を付けた方がいいかもな。それじゃあ。」


女の子「あっ。あのお礼を。」


アレクサス「悪い。俺達急ぐからまた何処かであったらな。」


ナナセ「じゃあね。」


そう言うと二人は走り出した。


女の子「あっ。凄かったな。あの二人。あっボクも急がないと。」


アレクサスとナナセは騎士養成学校の前まで辿り着いた。

アレクサス「ふー。いよいよだな。」


ナナセ「うん。頑張ろうね。」


アナウンス「入学試験を受験する方は正面玄関より入り受付を済ましてください。」


受付「入学試験の受験希望者ですね。お名前をおねがいします。」


アレクサス「マックアレクサスです。」


ナナセ「ナナセです。」


受付「はい。マックアレクサスさんとナナセさんですね。それではこちらの受験番号のバッチを胸に付けてもらって第2体育館に向かって下さい。」


二人「わかりました。」


アレクサス「俺は88番。ナナセは?」


ナナセ「154番。番号はランダムみたいだね。」


アレクサス「そうだな。そんじゃあ行くか。」


第2体育館に到着し二人は指定された場所で待機した。

前の看板に1〜100。101〜200。201〜300。のグループに分かれていた。

アレクサスとナナセは自分の番号を確認し自分のグループで待機した。

しばらくして壇上に先生らしき人が数名現れた。


アレクサス「あっ。あの人は。俺を助けてくれた。」


マルク「始めまして。カルハバーム騎士養成学校で講師をしているマルクだ。定刻を過ぎたので今から入学試験を開始する。試験項目は3つ筆記試験、身体能力テスト、実技試験の3つだ。今回入学試験の受験者数は約300名。定員は30名。受験番号1〜100番がAグループ。101〜200ばがBグループ。201〜300番がCグループとしAグループは筆記試験。Bグループは身体能力テスト、Cグループが実技試験から順番に試験を受けてもらう。」


マルク「それでは早速だが各グループは担当の先生の指示に従い行動してくれ。当然だがルール違反や指示に従わない者は即失格とする。以上。」


Aグループの先生「はーい。それじゃあ、Aグループの担当になったキャロル先生です。皆さん今日はよろしくお願いしますね。それでは皆さん試験会場に移動するので着いて来てくださーい。」


アレクサスは筆記試験からナナセは身体能力テストから試験を開始した。

順調に試験をこなし実技試験の番がきた。


キャロル先生「はーい。それでは最後の試験。実技試験ですね。それでは説明させて頂きまーす。実技試験は5人グループに分かれてモンスターの討伐を行なってもらいまーす。」


キャロル先生「討伐できなくても各々の動きを見て採点するので各々がしっかりと役割をこなしましょう。モンスターはこちらの使役スキルを利用して捕えたモンスターなのでこちらの指示には従うので心配いりませんがダメージは受けるので気を付けてね〜。」


キャロル先生「それでは改めて試験内容を説明します。受験生の皆さんは5名で1グループになってもらい。モンスターを討伐してもらいまーす。皆さんにはこちらが用意した防具と武器を装備してもらいます。この防具には転移魔法が施してあり防具の耐久値が無くなった時点で安全地点まで転移される仕組みになってまーす。制限時間は30分。それでは早速ですが順番にこちらの部屋に入って防具と武器を装備して下さいね。それ以外の受験生はこの部屋で待機して下さいね。」


アレクサス「俺は88番だからまだ先だな。」


?「88番の君。確かアレクサス君だったかな?少しいいかい?俺はサメイハック。ハックと呼んでくれ。番号は86番だ。」


アレクサス「あぁ。アレクサスだ。よろしく!86ってことは同じグループか。」


ハック「そうだ。今回の試験は協調性が試されていると思うんだ。だから事前に話しておきたいと思ってね。どうだろうか?」


アレクサス「俺もそう思う。一緒に協力していこう。」


ハック「良かった。87番と89番の人にも話しかけたんだが協力するつもりはないと言われてしまってね。まぁ無理もないよな。皆自分以外は敵だと考えるのが普通だろうからね。」


アレクサス「そんなもんか。まぁ強制は出来ないか。俺達は協力して頑張ろう。」


女の子「あっあの。」


ハック「ん?君は90番のマロンさん。」


アレクサス「ん?あんたはさっき助けた女の子。」


マロン「先程はありがとうございました。また会えて良かった。まさか貴方もこの試験を受けていたんなんて。」


アレクサス「驚いた。こんなこともあるんだな。改めてマックアレクサスだ。アレクサスでいいぜ。」


マロン「マロンです。見ての通り獣人族ですがよろしくお願いします。」


アレクサス「獣人族か。始めてみた。その耳も尻尾も本物なんだな。マロン以外にも何人かいるみたいだけどな。」


マロン「そうですね。同じ故郷からきた仲間もいます。」


ハック「お話の途中ですまないが僕とアレクサスは実技試験を協力して乗り切ろうと思っているんだがマロンさんもどうだろうか?」


マロン「ボクなんかがお役に立てるか分かりませんが協力させて下さい。」


ハック「良かった。それとマロンさんのその眼は魔眼だよね?」


マロン「はい。ですがそんなに期待しないで下さいね。」


アレクサス「本当だ。始めてみた。綺麗だな。」


マロン「そんなに見ないで下さい。」


アレクサス「すまん、すまん。」


ハック「さてとそれじゃあ作戦を考えようか。」


アレクサス「俺はそういうの苦手だからな。ハックに任せるよ。」


マロン「ボクも同じくです。」


ハック「わかった。今回の試験のこちらの勝利条件は30分以内にモンスターを討伐するか30分間生き延びるかだけど。」


アレクサス「やっぱり討伐したいよな。」


マロン「ボクは倒せる自信がありません。逃げ切るのも自信ないけど。」


ハック「もちろん討伐を目指したいけど状況に応じては生き延びることも重要だよな。そこでこんな作戦はどうだろうか?マロンさんはモンスターから逃げてもらって僕とアレクサスがその隙をついてモンスターを攻撃する。」


アレクサス「わかった。」


マロン「怖いけど頑張ります。」


ハック「よし。それじゃあ頑張ろう!」


そしてアレクサス達の順番がやってきた。

準備部屋で防具と武器を装備して闘技場へ向かった。

扉を開けると広いフィールドが展開されていた。

四方は壁がありその上が観覧席になっているが今は誰もいない。

フィールドには大きな岩が幾つか配置されており人が隠れるには十分である。

キャロル先生「はーい。それでは86番〜90番の実技試験を開始しまーす。制限時間は30分。それじゃあ始め!」


キャロル先生の合図と同時に向こう側で扉が開いた音がした。

その扉から入って来たのは大きな狼のモンスターワイルドウルフである。

群れで行動し時速80キロで獲物を追いかけ岩をも砕くその強靭な牙を持つ恐ろしいモンスターである。

モンスターの映像がスクリーンに映し出された。


87番の男「マジかよ。あんなモンスターに勝てる訳ないだろ。」


89番の女「そうよ。いくら装備をしていても勝てっこないわ。先生!私リタイアします。」


87番の男「おっ俺もリタイアします!」


キャロル先生「はーい。わかりました。それでは87番と89番は転移しますね。」


そう言うと二人は準備部屋に転移された。


ハック「さてと、我々3人になったがどうする?2人みたいにリタイアする?」


アレクサス「まさか。ここで逃げるわけにいかないだろ。先生も防具を着てれば大丈夫だって言ってたし。」


マロン「そうですね。ボクも頑張ります。」


ハック「マロンさんは以外に度胸あるんだね。」


マロン「ボクだって騎士になりたくてここまで来たんです。覚悟は出来てます。」


アレクサス「よく言ったぜ!マロン。ハックはどうなんだ?」


ハック「ハァ~。俺がここで逃げたら誰が指揮するんだ?俺だって男だ!行くぞ!」


アレクサス「そんじゃあ作戦通りだな。」


ハック「あぁ。マロンさん頼んだよ。俺達を信じてくれ。」


マロン「はい。2人を信じます。」


アレクサスとハックは両脇に移動しマロンはモンスターの正面に移動した。


マロン「ボクはここだぞ!かかってこい!」


マロンの言葉に反応しワイルドウルフがマロンに向かって走り出した。

ワイルドウルフにはマロンしか見えていない。

ワイルドウルフがマロンに迫りくる。

岩の影からアレクサスが剣をワイルドウルフに突き刺す。


アレクサス「おりゃー!」


ザシュ!


アレクサスの剣がワイルドウルフの横の腹に突き刺さる。

ワイルドウルフの動きが止まった


アレクサス「今だ!ハック!」


ハック「うおぉー。」


ハックはアレクサスの反対側の岩の上からワイルドウルフに目掛けて飛び降りハンマーを振り下ろした。


ドカン!


ハンマーはワイルドウルフの顔面にヒットしワイルドウルフはその場に倒れた。


ハック「ハァハァ。やったか?」


アレクサス「やったな!ふー。」


2人は安堵しその場に腰を下ろした。


アレクサス「ナイスハンマーだったぜハック!」


ハック「ハァハァ。まだ手が震えてるよ。」


2人がすっかり安心仕切ったその時、ワイルドウルフが目を覚ましハックに襲い掛かった。


ハック「うわぁ。」


アレクサス「ハック!」


アレクサスは咄嗟にハックの前に行き持っていた剣をワイルドウルフの口に挟みハックを守った。


アレクサス「くっ。今のうちにトドメをさせ!ハック!」


ハック「あっ。あっ。」


ハックは驚き動けないでいた。


マロン「燃え上がれ炎の紋章。イブフレイム!」


マロンが魔法の演唱を行い。魔鉱石の付いた杖を前に突き出した瞬間。マロンが持っていた杖から炎の玉が飛び出しワイルドウルフを吹き飛ばした。

ワイルドウルフはそのまま消滅した。


マロン「ハァハァ。」


キャロル先生「そこまで!見事討伐成功でーす!皆さんお疲れ様でした!準備室で防具を返して待機部屋で他の子達が終わるまで待機していてくださーい。」


キャロル先生の言葉を聞き改めて自分達の力でワイルドウルフを討伐したことを実感した。


アレクサス「やったな!ていうかマロン今のなんだ?凄いな!」


マロン「あはは。簡単な魔法なら使えるんだ。凄く緊張していた筈なのに2人がピンチになった瞬間無意識的に魔法を使っていたよ。ボク自信が驚いてるよ。」


ハック「魔法の杖を選んでたからなにかしら魔法でサポートしてくれるのかと思っていたけど、まさか攻撃魔法だとはね。いや〜改めて2人共助かったよ。」


アレクサス「皆で掴んだ勝利だな!」 


アレクサス達は闘技場を出て待機部屋で待機することにした。


しばらくして全員の試験が終わりまた全員第2体育館に集合した。


マルク「無事に全員の試験が終わったようだな。結果は明日の朝、校門前に合格者の受験番号を張り出しておくので各自確認するように。以上。解散!」


こうしてカルハバーム騎士養成学校の入学試験は無事に終了した。


カルハバーム騎士養成学校 会議室


マルク「今年の魔眼持ちは5名。5名とも素晴らしい成績ですね。合格にして問題無いと思いますが、何か意見がある先生はいますか?」


マルクの問に異を唱える者はいなかった。


マルク「それでは、魔眼持ちの5名は合格。残りは成績上位25名ということで。因みに今年は実技試験のモンスターを討伐したのは何グループいましたか?」


先生達の報告によると3グループがモンスターを討伐したようだ。


マルク「なるほど、3グループとも魔眼持ちが居ますね。分かりました。それでは今後のスケジュールについて話し合いましょうか。」


騎士養成学校校門前 試験終了直後


アレクサス「試験終わったな。ナナセはどうだった?」


ナナセ「ん〜。どうなんだろうね。そこそこ出来たと思うけど。」


アレクサス「俺も筆記試験以外は出来たと思うんだけどな。あっナナセのグループは実技試験のモンスター討伐できたのか?」


ナナセ「うん。同じグループの人が凄かった。アレクは?」


アレクサス「あぁ。俺のグループも討伐できたぜ。ていうか、お前らどこまで着いてくるんだ?」


アレクサスとナナセの後ろをハックとマロンが着いてきていた。


ハック「いや〜。結果発表が明日じゃないか。だから何処に泊まるのかと思ってな。」


マロン「ごめんなさい。ボク、カルハバームに来るの初めてだからアレクサスさん達と同じ宿に泊まろうかと思って。」


アレクサス「なるほどな。それなら早く言えよ。っても俺達もたまたま宿屋の人と知り合えたんだけどな。」


ナナセ「アレクこの2人は?こっちの女の子は私達が助けた子だよね。」


アレクサス「あぁ。こっちがハックでこっちがマロン。2人共同じグループだったんだぜ。」


ハック「サメイハックです。」


マロン「マロンです。」


ナナセ「あっ。どうも。ナナセです。」


アレクサス「自己紹介も終わったことだし宿屋に行くぞ!」


4人は宿レインに着いた


ワッカ「いらっしゃいませ~。おや、君達か。試験お疲れ様。そちらのお二人様はお友達かな?」


アレクサス「はい。こっちの2人も一緒に泊めて欲しいんですけど、部屋空いてますか?」


ワッカ「え〜と。2人部屋が2部屋ならあるけど、どうかな?」


アレクサス「それでいいよな?俺とナナセとハックとマロンで。」


ハック「いやいや、そこは俺とアレクサス。ナナセさんとマロンさんだろ。」


マロン「うんうん。」


ナナセ「私はどっちでもいいよ。」


アレクサス「ハックとマロンがそれがいいならそうするか。」


ワッカ「かしこまりました。」


アレクサス達は一泊分の代金を支払い部屋の鍵を受け取り早速部屋に移動した。


アレクサス「それじゃあ、こっちが俺達で隣がナナセ達な。」


各々部屋に移動してしばらく休憩することにした。

男部屋


アレクサスはベッドにダイブした。


アレクサス「ふー。今日は疲れたな。」


ハック「そうだな。ところでアレクサスとナナセさんはどういう関係なんだ?」


アレクサス「ん?どういう関係か。出身が同じなだけだけど?」


ハック「そうか。いわゆる幼なじみってやつか。」


アレクサス「そうだな。幼なじみだ!」


女部屋


マロン「あの突然お仕掛けてごめんなさい。」


ナナセ「ん?全然いいよ。それよりアレクが何か失礼なことしなかった?」


マロン「えっ?特に何も言われてないですよ。」


ナナセ「そっか。ならいいんだけど。」


マロン「あの。ナナセさんとアレクサスさんはどういう関係なんですか?」


ナナセ「ん?アレクとは幼なじみかな。」


マロン「なるほど。道理で仲良しなんですね。」


ナナセ「ん〜。まぁ昔から一緒だからね。」


マロン「なんだかちょっと羨ましいです。」


ナナセ「マロンにはそういう相手いないの?」


マロン「ボク人見知りだから。」


ナナセ「そっか。でも私達と一緒にいれば人見知りもきっと治るよ。私も昔は自分に自信がなくて人と話せなかったけど、アレクサスに出会っていつの間にか普通に話せるようになったよ。だから、マロンもきっと大丈夫だよ。」


マロン「ありがとうございます。アレクサスさんってなんだか少し不思議な人ですね。一緒にいるとなんでも出来る気がしてくる。」


ナナセ「まぁもう少し周りのことも考えて欲しいけどね。」


こうしてアレクサス達の一日は過ぎていった。


次の日アレクサス達4人は騎士養成学校に向かっていた。


ハック「ハァ~。大丈夫だろうか。」


アレクサス「大丈夫だって!」


ハック「どうしてそんなに自信満々なんだ?」


アレクサス「自信満々っていうか今更心配してもしょうがないだろ?」


ハック「なるほど。確かにな。ナナセさんもマロンさんも不安にならないのかい?」


ナナセ「ん〜。私もアレクと同じかな。」


マロン「…。」


ハック「マロンさん?」


マロン「はい!ごめんなさい。聞いてませんでした。」


ハック「いや、ごめん。そうだな、今更悩んでも仕方ない。やれることはやったのだから。」


4人は騎士養成学校の校門前までやってきた。

校門前には他にも受験生の姿があった。

4人は人混みの中を進み自分の番号がないか確認した。


アレクサス「おっ!あった!やったぜ!皆は?」


ナナセ「私もあった。」


マロン「ボクのは〜ありました!ありましたよ!」


ハック「駄目だ。怖くて見れない。」


アレクサス「しょうがないな〜俺が変わりに探してやるよ。86番だっけ?」


ハック「あぁ。頼む。」


アレクサス「86、86。おっあったぞ!やったな!」


ハック「本当か?!」


アレクサス「あぁ。ほら自分の目で確かめてみろよ。」


ハック「…。あった!あった!良かった〜。」


アレクサス「このあとどうすればいいんだ?」


ナナセ「貼り紙に合格者は校舎内の指定された教室に行くみたい。」


アレクサス「よし。行こうぜ!」


アレクサス達は指定された教室へ向かった。

その後先生から今後の説明があった。

入学式は一週間後で入学後は校舎近くの寮に入ることになるということ等の説明があり教室を出た。


アレクサス「入学式は一週間後かじゃあ一回家に帰るか。」


ナナセ「そうだね。孤児院の先生に報告しないと。」


ハック「それじゃあ次は入学式だな。」


マロン「はい。それじゃあまたです。」


4人は自分達の故郷に帰って行った。


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