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26.魔法技術大会2

「いけー!!!」

「かわせー!!!」

「キャー!!!」


 外野がめちゃくちゃ盛り上がってる。

僕のテンションももちろん負けてないからね。

侯爵令嬢でも僕の大事なカッコいい義兄様の応援に遠慮はしないよ。


 時間の都合があるから大会前に半分はふるい落しておいて、本番では各学年ごとに競技場を5つに分けて勝ち抜きトーナメントになる。

最後は各学年の上位1位が学年対抗として戦うんだって。


 そうそう、騎士でも魔術は使えるし魔術師でも刃物は使えるから魔術師も騎士も混戦で問題なし。

あくまで強者が勝ち上がるのがこの大会の主旨だよってバルトス義兄様が教えてくれた。


 それから戦う彼らは厳密には正式な魔術師や騎士と認められたわけじゃなくて、この学園にいるうちは基本的には候補生扱い。

例外として冒険者ギルドに登録して上から2番目のA級冒険者に登録された場合は候補生から外れるってこないだレイヤード義兄様が教えてくれた。

外れた後ギルドからの依頼があれば学園より依頼を優先しても出席扱いになるんだよって言ってたレイヤード義兄様は、面倒な生徒会の仕事から逃げ出すのに早くA級に昇格したいって本音を惜しげもなく駄々漏れさせてた。

バルトス義兄様も度重なる生徒会への勧誘に嫌気がさして全力でA級を目指したって言ってたから、兄弟揃って心底生徒会役員が嫌なんだろうな。

ふふふ、生徒会のお仕事より危険なA級冒険者の依頼を選ぶなんて義兄様達もよっぽどだよね。

そこがこれまたカッコ可愛い。


 ちなみに候補生でもそうじゃなくてもこの学園の生徒ならトーナメントは問題なく出場できるらしい。


 魔術師は黒のローブ、騎士は白の中着が共通色。

杖や剣、甲冑等のアイテムは個人の自由でそれぞれ形も色もバラバラ。

義兄様達みたいに冒険者ギルドに登録して依頼こなしたり、魔術師団や騎士団の手伝いして買うか、家の援助で好みのアイテムを揃えて使う。

でも義兄様達は直接どこかの魔獣狩って採ったり好きなアイテムを自作したりするんだけど、多分これは例外なんじゃないかな?


 僕は山、じゃなかった、義父様とバルトス義兄様に挟まれてレイヤード義兄様の出番を待っていた。

2人とも背が190越えてるから、細身だけど圧迫感がまぁまぁある。


「アリー、体調はどうだい?

父様の膝に乗った方が楽じゃないか?」

「いや、父上より俺の膝の方が絶対楽です」

「息子よ、膝に自惚れるな」

「父上こそ、膝の引退をする時です」

「····2人とも、私もう10才になりましたのよ····ここでは恥ずかしいです」


 そう、中身はともかく僕はもう10才なんだ。

そもそもアホの会話すぎないかな。

膝に自惚れるって何だろ。

膝の引退って、何したら膝は現役なの。


「親離れが早すぎるんじゃないか、アリー」

「俺のアリーは天使だから大丈夫だよ」


 うん、過保護発言と天使発言はいつも通りにしても、何故に天使で大丈夫なのか訳がわからない。


 先ほどまでの保護者達の熱い声援が、僕達の周りだけ嘘みたいに静かなんだけど、まさかこの会話が原因じゃないよね。

義父様も義兄様も元王都魔術師団団長、現王宮魔術師団副団長で陛下や王太子からはいまだに側近として望まれていると囁かれ、知名度は高いとレイヤード義兄様から聞いたことがある。


 僕はあまり詳しくないけど、王宮魔術師団は魔術師版の近衛騎士団、王都魔術師団が魔術師版の王都騎士団だとざっくり識別してるよ。

背も高くて2人の顔立ちは違うけど、どちらも眉目秀麗。

これまでの実績や将来も有望な義兄様は当然のように縁談を持ちかけられてるけど、義父様にだって再婚の話は常にきてる。


 でも2人とも、いや、縁談に関してはレイヤード義兄様もなんだけど、ことごとく断り続けてるんだ。

うちの男達は本当にモテモテなはずなんだけど、この会話を聞くと疑っちゃうよね。

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