五話
「いよいよね…」
「やっとここまできましたわ…」
「うん…」
全員は顔を見合わせ決意したかのようにこちらを見る。
「全員生きて勝つぞ!!」
俺は全員にそう言い放ち、大きな扉に手をかける。
扉を開けた先には禍々しいオーラを放つ存在がいる。
「よくぞ我の元へたどり着いた若人達よ、己の武と知力のすべてをかけて我を倒してみよ!!」
「みんないくz
バシッ
急に頭に衝撃が走り頭が覚醒していく
「へっ?」
周囲を見渡し、自分が学校に居て夢を見ていたことを理解する。
頭にはしった衝撃はおそらく横に立っている顔の怖い女リズ・ゼノビアがこちらを見下ろしていた。
「おい、さっきのはどういうことだ!!」
リズは結構な声量で詰め寄ってきたが、思いのほか声がでかく周囲から注目を浴びることになり恥ずかしくなったのか詰め寄ってきた割に全く怖くない。
「さっきのって何のこと?」
「貴様が破り捨てたもののことだ!」
「あぁ、さっき組んだパーティーで組みt「あぁーーあー黙れ黙れこっちに来い」」
俺はリズに無理やり引きずられ人気のない階段に連れてかれる。
「手紙の内容は不用意に言いふらすんじゃない!」
リズは連れてきた瞬間そんなことを言い出した。
「フッフッフッフ」
俺は立場を理解していない小娘に対しなんとなく不敵に笑って見せる。俺は手紙の内容をその気になれば言いふらすことができるのでとりあえず強気に出ることにした。
「何がおかしい!」
「あまり偉そうな口をきくなよ?言いふらされてもいいのか?」
「言いふらせば貴様を殺して私も死のう」
そう言って剣を俺の首筋に突きつける。
そんなんで俺がビビるとでも思っているのかこいつは?さて、格の違いを見せてやろう。
「じょ、冗談だよ~、言いふらすわけないだろう~?よし!パーティー組むために頑張ろうぜ!!」
「ほ、本当か!じゃあさっそくあの二人をパーティーに入れるための作戦を考えようじゃないか!」
「あ、あぁ」
俺はフィジカル最強の女剣士にかなうはずもなく敢え無く勧誘大作戦に加わることになった。
その後は無理やり連絡先を交換させられ教室に戻ることになった。
教室に戻るとき他二名のボッチはなぜかこちらを羨ましそうに見ていたが、特に声を掛けられはせず、しかし終始視線を感じた一日だった。
寮に戻ってゆっくりしている頃、携帯に一つのメールが来た。
リズ【こんにちわ、こちらヒカゲ様のライーンであっていますでしょうか?】
「何言ってんだこいつ?俺に決まってるだろうに」
ヒカゲ【いいえ、違います】
リズ【すみません、間違えました。ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい】
「こわっ!!人見知りこじらせるとこうなるのか…」
ヒカゲ【本当はヒカゲです。】
リズ【きさまふぁざけるぇいるこか!!!!】
「どんだけ急いで入力してんだよこいつ」
ヒカゲ【それで何か用?】
リズ【これから行う作戦について話しておこうと思ってな。】
「はぁ~、その件か。え~と」
ヒカゲ【全部任せる。】
リズ【よし、すべて私に任せろ。ヒカゲは私に合わせてくれるだけでいい!】
一体何をするのかはわからないが、俺は深く考えないようにした。
「はぁ~、寝よ」