四話
試合の形式は一定の広さにとある魔方陣が描かれており一定のダメージを負うと強制的に外に放り出される仕組みなので怪我の心配はない、試合は武器による攻撃、魔法による攻撃ありでのチームバトルロワイヤルである。
さて、試合が始まる寸前だというのにまるで倒すのはお前だと言わんばかりにこちらを睨んでくる人がいるが戦いになったらちゃんと戦ってくれることを祈ろう。
「さて、それじゃはじめるぞー、試合開始!」
さて、俺が選んだ武器は無難に剣である。まぁ、運動は得意ではないが俺は召喚された勇者、覚醒した俺のチート能力が敵を穿つ!
と思ってる時期が僕にもありました。
現在俺たちは1対1同士で相対する形であり、俺の相手は果たして本当に同い年か怪しい筋骨隆々の筋肉が相手であり、俺は2秒で観戦画面を見ているところである。俺はあまりにも一瞬の出来事過ぎてまるで最初から観戦していたんじゃないかに見えるようにやられたため恥ずかしいので堂々としている。
そのため周りからは、
「ここでは戦わないってことか」
「首席の力みたかったんだけどな…」
「あまりにも一瞬でやられたのかと思ったけど、さすがにあんなに堂々としてるわけないもんな~」
最後の人当たってますよ!自分の洞察力を信じて。
なぜか首席だと今のがわざと負けたかのように写るらしい、きっと今までの首席が相当強かったんだろうな、俺はもう今の戦いで俺にチートがないことを確信してしまったので非常に心が痛いが、コミュ症であるためそれを伝えられないでいる。
さて試合の様子だが、俺以外の3人は結構強いっぽい、まず銀髪だが名前は他の人のを盗み聞きした結果リズ・ ゼノビアという名前でどうやらかなりの剣の使い手っぽい、なんか回りがあれがゼノビア家の剣術かとか言ってるからたぶん剣の名家なんだろうな、知らんけど。
実力差もありそうそうにリズの敵は場外にでる。
次に金髪お嬢さまだが、こいつも剣を使ってるが、魔法も得意らしくどうやら万能型らしい(盗み聞き)名前はエリーゼ・アステル、この国の名前が入ってる辺りやはり王族なのだろう、忌々しい金持ちめ動き回りながら剣と魔法を併用し、巨乳も揺らし圧倒している。心なしか男子の目も圧倒している。
あっという間に相手を倒し場外に出す。
ラストに青髪イケメン女だが魔法メインのようで、おしゃれな杖を使っている。名前はルイス・モリトールという、相手よりも魔法の発動がみてわかる、そのため相手は避けるがその間に魔法の詠唱をし相手は場外へと飛ばされる。
そして最後に一人俺と戦ったキン肉マンが残ったが、さすがにリタイアし、俺らの勝ちが決まった。
他3人はこちらをすごく睨んできたが、俺は目線は一切合わせずにトイレでしばらくやり過ごした。
ちょうど授業が終わりそうになってから戻り最後に先生の話を聞いて解散になった。
先生の話によると、今後は今のようなパーティーでの戦いや訓練もするとの事で今日のパーティーでもいが、別でもいいので適当に組んで紙で提出しておいてとのことである。だが強制ではないらしく、提出していないものは授業で臨時で組むらしいので俺は少しほっとした。
次の授業のため俺は急いで着替えて教室に戻る。二限目はとてもなじみのある算数なので安心している、配布される教科書をみる限りでもマジで算数なのでこの授業に関しては俺は睡眠時間になりそうである。そんなことを考えながら二限目の授業の準備をしてると、もうほとんどの学生が着替え終えて席についている、そうすると俺の近くの席の人も座るわけだが、
リズ 俺 エリーゼ
ルイス
こんな感じで俺の左右と背後をぼっちにかこまれ俺の席はなんとも友達の作りづらい席である。肝心の前の席はなんとも陽キャのような集団なため望みは薄そうである。
俺は席替えが行われる日まで友達を作るのを諦めることにした。
「はーい、席についてくださーい」
先生の声で私語が消え授業が始まる。
授業は思いの外普通で、地球での授業と何ら変わらなかった。だが算数なので授業はかなり簡単だ、16歳でなぜ数学ではなく算数なのかと言うと色々なものにはほとんどが数学的な計算が必要であるがこの世界での様々な創作物は魔法で解決するので、高度な数学まではあまり発達していないようである。ちなみにこの世界にはスマホのようなものもあり、俺がこの世界に来たときに俺も王様からもらった、ちなみに連絡先はゼロである。
授業が半分ほど過ぎた頃左の席のやつ、もといリズから紙のようなものを机に置かれた。なにやら文字がかかれているためおそらく手紙だと思われる、正直この手の手紙は俺には縁がなかったので戸惑っているが、俺は少しどきどきしながらその手紙の内容を見ると、
[君の先程の非礼を私に謝るきはあるか?もしあるなら私と同じように手紙で返信を書いてくれ、もし君があやまるのであれば私も鬼ではない許してやろう、さらに私のパーティーに加えてやる。今は現状一人だが君が入るのであれば先程組んだ臨時パーティーの二人も折角なので誘うというのはどうだろうか?いやこれはなかなかの名案なのではないだろうか、その時の説得の際は君が従事してくれ、頼む。]
内容は謝れだのパーティーにはいれだの他の二人はお前が誘えだの、なんて生意気なそんなことを考えてるといつのまにか机の右と机のなかに似たような手紙がある、これはたぶん机の方は右の席にいるエリーゼ、机のなかにあったのは後ろの席にいるルイスから投げ入れられたものだと予想できる。
中身を見たところこの二人の手紙も同じ内容であった、もうまんまである。
さて、ありがたいお誘いを貰ったところでお返しをしなければな~。
ビリビリビリビリ
「おいっ!」
「ちょっと!」
「え…」
それぞれ3人は声をあげながらその場で立ち上がる。
「そこの3人どうしましたか?」
「あ、いえ、なんでもないです。」
「わ、わたしもなんでもないですわ」
「わたしも…」
3人は先生に注意され座る。俺はそれに笑いを堪えきれなく、うつ伏せになりながら笑ってしまう。
3人は顔を赤くしこちらを睨んでくる。
こいつらが下手で来ない限りは我は折れんぞ?
この3人俺は誘えるけど他の人は誘えないのか、まぁ俺があんだけボロクソに言えば俺への遠慮も普通はなくなるか、そのせいでこいつらの仲を持たせられそうになったが。
授業後がめんどくさそうだな~。
そんなことを考えながら三方向から強い視線を受け、俺は寝ることにした。