1話
みなさんはインキャというものをご存じだろうか?
インキャとは陽キャと対局に位置する存在であり、主に学生生活でによって位置付けられる呼称である。
インキャはどの学校にも存在しており、陽キャの数だけインキャが存在する。彼らは日陰に生きるものたちであり、常に蔑みの対象になる。ゆえにインキャにはひねくれた考え方を持つものがたまに存在する。それはある種悟りのようなもの、
さて、ここまででインキャについてはある程度理解できただろう。なぜ俺がインキャについて詳しいかって?それは俺がインキャだからだ。
俺の名前は影倉 日陰名前からしてインキャに生まれるべくして生まれたような存在だ。だが俺はインキャであることを誇りに思ている。陽キャのようにばか騒ぎして回りの迷惑を考えないような存在にはなりたくないものでね。
…別に羨ましくなんてないんだからね!!!
ゴホンっ、さて今日は高校の前期が終わり終業式が終わり次第夏休みである。俺は優雅で快適な夏休みライフを過ごすために本屋へ向かう。そこで何をするかと言うとライトノベルを大量に買い家で読書するのである。ふむ、夏休みに家で読書する!!なんて充実しているんだ!!
…友達と遊べって?なんでわざわざ友達と遊ぶのかが理解できないね。友達をつくって遊ぶことがまるで正義かのように言うがそれは間違っている。友達と集まって遊ぶことでしか楽しみを見いだせない頭の思考が刷り固まった凡才どもが一人で楽しみを見つけられなからみんなで頭を悩ましている、あぁ愚かである。
俺はそうはなりたくないものでね。決して友達がいないわけではないのである。確か小学生の時は母親の友達と話したことがある、そのときは普通に話していたしたぶん友達だったはずだ、あれから連絡は取り合っていないが…
「はぁ…ラノベ買おう。」
俺は考えれば考えるほど固定ダメージを食らう思考を一旦ストップし、本屋へ向かう。すると目の前のビルの隙間からなにかの光が漏れている。俺はそれをなにかと覗いてみるとそこには光で構築された魔方陣のようなものがあった。
俺はおそるおそる近づいてみた。
「なんだこの光、まるで異世界召喚されそうな光じゃないか!!この魔方陣に乗れば俺も異世界に!」
ひかげは興奮して、急いでその魔方陣に入ろうとしたが一旦ストップする。
「いや待てよ、異世界に転生するとなると今日出る新刊のラノベが読めないな…」
ひかげは大いに迷っていた、今飛び込めば生きづらいこの現実世界とおさらばし、俺TUEEEE な異世界で無双しハーレムができるかもしれない。しかし最新刊やその後の新刊のラノベを読むことは今後叶わないだろう。ひかげにとってはラノベとはこの世界でもっとも愛する時間であり、もあや人生とまで言うレベルであった。
ひかげは数分迷ったあげく、
「家帰ってラノベ読もっと。」
ひかげはラノベをとったのである。ひかげはそう決めたあとビルの隙間から出ようとした時隙間から出た歩道からひかげの通う高校の陽キャ集団が歩いていた。
それをみたひかげは急にビルの隙間から出てきたんですけど、キモっ。と思われないようビルの隙間に急いで隠れる。
ここまではひかげの行動は素早く迅速な対応であったためなんとか、陽キャ集団には存在を悟られることはなかった。
しかし、位置が悪かった。
「あ、やべ…」
ひかげは魔方陣に片足を突っ込んでいた。すると、光は強くなり目の前が真っ白になにも見えなくなる。
「ようこそ我が国へ、勇者よ!」
「へ?」
「ふむ、まだ状況が理解できておらんか、お主は異世界より勇者召喚により召喚された勇者なんじゃ。」
目の前には王宮と一目でわかるような内装をした部屋に、これまた一目でわかるような王様らしき人が話しかけてきた。回りには十人ぐらいの兵士と数人のメイドのような人たちがいる。
「あ、あの状況は理解したんですけど俺は何のために召喚されたんですか?」
と聞いてみたものの大体予想はついていた。
(どうせ魔王とか戦争とかで俺の力が必要なんだろうけど、まぁテンプレ的に聞いとくか。)
「ふむ、お主には魔王を200体ぐらい倒してほしい。」
(はいはい、きたきたテンプレね魔王をに…)
「200体!!そんなにいるんですか!」
「ん?いや魔王は実際はもっといるでの、とりあえずは200ぐらいでいいぞ」
「いやいや、200体ってだいたい俺そんなに強くないんですけど」
「それについてはこちらに考えがあるから安心せいっ、とりあえず今日はゆっくり休むといい」
それからメイドらしき方に部屋に案内された後、詳しい説明を受けた。
この世界、アルカディアには無数のダンジョンが存在しており、そこにはモンスターが存在している。そしてそのダンジョンの最奥に魔王が存在しているらしい。そしてこの魔王を倒すことで不思議なアイテムが手にはいるらしく、それがこの世界アルカディアを発展させていると言う。
そして俺の召喚された国アステル王国では勇者を育てる機関、ようは学校のようなものが存在しており毎年数千人の志願者がいると言う。
俺はどうやらそこで一年生として学園で生活するらしい。俺はそこで5年で卒業し勇者としてつとめを果たすと。
だが卒業はいつしてもよく長くて5年であり。
学園で信頼できる仲間を作り一緒に成長し、パーティー仲間となりダンジョンにいくのが大まかな流れらしい。
さてここで大きな問題が2つでてくる。
1つ目俺にチートがないことである。どうやら自力で力をつけるしかないんだと言う。だがこの世界には魔法が存在しているようなので俺はそっちのエキスパート目指したいと思う。
2つ目が俺がインキャであることである。俺は生粋のインキャであるため人とパーティーを組むなんてまず無理だ。高校生活では友達と呼べる人間を一切作れなかった俺にまた学園生活と言うのは正直鬱になりそうだ。
いや逆に考えよう、これは俺がインキャを脱退するチャンスなのでは?
「俺はこの世界でインキャを脱退し、陽キャリア充にでも昇格するぞ!となれば!入学式の日のつかみが一番大事だな、よし今日は挨拶を考え終わるまで徹夜だ!」
そうして次の日の朝までかかり入学式に寝坊するのは、まだ誰も知らない。
処女作です。
応援しましょう!僕を!
そしたら頑張れますw