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第97話 2つの集落

未熟ながら精進して参りますのでよろしくお願い致します!

感想・レビューお待ちしております!

「……」


「体中泥だらけで気持ち悪い…」


「私もよ、マトン…」


「早くおうちに帰って、お風呂に入りたいけど…」


「もう… 一歩も動けない…」


 シロちゃん、モコちゃん救出に参加した人全員、疲労の為、その場で大の字になって寝ころんでいた。


「……」


「まさか… こんな日が来るなんて…」


「全くだ…」


「2つの集落が協力して何か物事を成し遂げるなんてな…」


 ウール集落の男とモヘア集落の男はその場で立ち上がった。


「いがみ合うのは終わりだ…」


「あー… 今日から俺達は…」



()()()…」



 2人は握手を交わした。


 パチ…


 パチパチ…


 パチパチパチパチ…


 その場で、拍手が鳴り響いた。


「いいぞ!! 2人共!!」


「今日は俺達にとって記念すべき日だ!!」


「そうだ!! みんな!!」


「せっかく2つの集落が家族になれたんだ!!」



()()()()()()()()()()()()()!!」



「おーーーー!!!!」



「どうやら、ここにいる奴らは全員、賛成のようだな…」


「後は…」



 ーウール集落ー


「いかん!! そんなことは!!」


「モヘアの奴と仲良くするなんて…」


「わしは絶対に許さんぞ!!」


「ちょっ… 長老…」


「今日は2つの集落間の対立が無くなった記念すべき日なんです!!」


「対立が… 無くなった…?」


「それは… 誰が証明してくれるんじゃ…?」


「何か、書類でもあるのかの…?」


「まさか… 自分達で勝手に言ってるんじゃないのか…?」


「そっ… それは…」



 何このジジイ…


 頭硬すぎじゃない…?


 グッ…


 凛は、強く右拳を握り締めた。


「そもそも… この2つの集落がどうして、こうなったのか…」


「歴史的な背景の勉強不足だと思うんじゃ…」



 羊がいいか… 山羊がいいか… っていうどうでもいいことでしょ…


 シュウウウ……


「ねぇ… シン…」


「マックス… わかってる…」


「凛の右拳から煙が出てる…」


「俺知ーらね…」



「ともかく… 今後とも…」


「2つの集落は特に干渉することなく…」


「今まで通り… 暮らしていけば…」



「おい… ジジイ…」



 沈黙を破り、凛が口を開いた。


「!?」


「ジジイ…?」



 ぐっ!!!!



 鬼のような形相の凛は長老の前に立ち胸ぐらを掴んだ。


「なっ!! 何をするんじゃ!?」


「みんなが命懸けで家族を救おうとしていた時に…」


「お前は… 一体何してたの…?」


 ブルブル……


 長老は恐怖で震えだした。


「わっ… わしは…」


「まだ… 寝ていました…」


「寝てた…?」


「こんなバタバタ、外が騒がしいのによくもまぁ、そんな能天気な…」


「……」


「あんた… ゴミみたいな屁理屈でみんなに迷惑をかけてる自覚はないの…?」


「ゴミって… これは昔…」


「ああん!!!!」



 ギロッ!!!!



 凛は長老を思い切り睨み付けた。


「私… お前みたいな奴、大っ嫌い…」



「それって… ()()()()()()()()…」



 イラッ……



 凛は拳を振りかざした。


「覚悟しろよ…」


「ちょ… ちょっと… 待って…」



 バコン!!!!



 凛は長老の顔面を思い切りブン殴り、長老はそのまま後ろに倒れた。



「……」


「ハァ… ハァ…」


「いかん… 頭がフラフラする…」


「なんちゅう力じゃ… この女… ゴリラか何かか…?」


「さっ… 流石に、もう一発は殴れんじゃろ…」


「というか… 次くらったら死ぬぞ…」


「……」


「聞こえてるんですけど…」


「ゴリラか何かですって…」



 ぐっ!!!!



 凛はもう一度、右拳を思い切り握り締めた。



「あと… ()()()()()()()()()()()…」



「……」


「こんなふざけた風習は今日で終わりじゃ…」


「これからは、2つの集落手を取り合って、生きていこう…」


 ガクッ…


 長老はその場で気絶した。


「……」


「ふぅー…」


 凛は握り締めていた、拳を緩めた。


「みんな!! 聞いてた!?」


「やっと… 2つの集落が争わない平和な日々が来るのね…」


「……」


「なぁ… チビ…」


「えっ…」


 男はシンに耳打ちをした。


「あの子、べっぴんさんだけど…」


「恐ろしいな…」


「お前らも気を付けろよ…」


「怒らせると、ああなるぞ…」


「わかってる…」


 シン達は改めて、凛を怒らせないよう心に誓った。



「マトーン!!」



「!?」


「ラム!?」


「一体どうしたの!?」


「うちの長老が頑固でさ…」


「……」


「えっ… あんたのとこの長老…」



 ボキ… ボキ…



 凛その場で指の関節を鳴らした。



「よかったわ…」


「まだ… ()()()()()()()()()()()()…」



 ニコッ…



 ゾクッ!!!!



 凛の笑顔は、その場にいる全員の背筋を凍らせた。


「ラムさん… ()()()()…」


 ゴクッ…


 ラムは緊張で唾を飲んだ。


「うっ… うん…」


 その後、凛はモヘア集落に乗り込んでいき、長老を説得したらしい…



 その日の夜、2つの集落の住民達はウール集落に集まり、長老達はスピーチをすることになった。


「えー… こんな記念すべき日に…」


「集まっていただき、皆さんありがとうございました…」


「まさか… こんな日が来るなんて…」



「長老!!」


「そんなスピーチどうでもいいから!! 早く呑みたいんですけど!!」


「そっ… そんなこと言われたって…」


 チラッ…


 長老達は凛の方を向いた。


「……」


 凛は近くの人から紙とペンを借りてこう書いた。



()()()()()()()!!」



 ヒエッ…


「それじゃあ…」


「みなさん…」



()()()()()()!!!!」



 こうして、宴が始まった。


 第97話 FIN

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