第55話 修業
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「おー… 痛ってー…」
「そりゃそうだよ… 1時間の座禅で、50回も叩かれちゃ…」
「該伯さん、ずっとシンの前に立って構えてるぐらいだもん…」
「くそっ… こんなのが続くのかよ!!」
「おーーい!! お前ら!!」
「次の修業だぞ!!」
「あっ… 凛さんが呼んでるよ!!」
「行こう!! シン!!」
「うん… わかった…」
「えっ… 何これ…?」
「何これって廊下だよ…」
「それはわかってるんだけど…」
「先が全く見えないんだけど…」
「本当にここを雑巾がけするの!?」
「当たり前だろ!!」
「私は、毎日1人でやってるんだから!!」
「ふふっ…」
「えっ… どうしたのシン…? ニヤニヤして…」
「こんな修業俺にとっては朝飯前だぜ!!」
「何せ…」
「お前がいる!!」
「……」
「ニヤッ…」
「そういうことかぁ…」
カチッ…
シンは右足に銀の腕輪、マックスは右腕に金の腕輪をつけた。
「よしそれじゃ…」
シンとマックスは片膝をついてしゃがんだ。
「いっちょ行ってくるか!!」
シン達は足に力を入れた。
「走人!!!!」
ドン!!!!
シン達は思い切り床を蹴って進みだした。
「あっ!! あいつら!!」
「しょうがない…」
「該伯流… 気術…」
「吐……」
フゥゥゥゥゥ……
「ハハハ!! この調子だったらすぐ終わ…」
ズコッ!!!!
シン達は、急に立ち止まった反動で、床に思い切り顔をぶつけた。
「なっ… 何が起こったんだ…?」
「おい!! お前ら!!」
「何か話してるなと思ったら、やっぱりずるしたな!!」
「能力使っただろ!!」
「たっ… 確かにそうだけど…」
「問題はそこじゃない…」
「何で、急に止まるの…?」
「それは、私がお前らの足首に向けて術を使ったからだよ!!」
「えっ… いつの間に!!」
「マックス!! 俺達の足首に黒い煙みたいなのが巻き付いてる!!」
「……」
「というか… 昨日から思ってたんだが…」
「この黒い煙は一体何なんだ!?」
「あー… それに関しては、朝飯を食べるときに教えてやるよ…」
「ともかく修業中はずるしちゃダメ!!」
「わかった!?」
「はーーい……」
ー数十分後ー
「おっ!! 意外と早く終わったじゃないか!!」
「ハァ… ハァ… まぁな…」
「もうくたくただよ…」
「ピカピカじゃないか!! 2人ともよく頑張った!!」
「よし!! 朝飯にしよう!!」
「やった!!」
シン達は用意された朝食を前に食卓を囲んだ。
「それじゃあ…」
「いただきます!!」
「うん!! うまい!!」
「本当においしい!!」
「これって凛さんが作ったの!?」
「そうだよ!! そんなに喜んでもらえると嬉しいよ!!」
「あれっ… そういえば…」
「該伯さんがいないけど…」
「あー… じっちゃんなら…」
「座禅が終わった後、診察のため、山を降りてったよ…」
「診察…?」
「そういえば… 気術医って、一応医者なのか…」
「まぁね… けど、怪我とか病気を治すんじゃなくて…」
「人の心を治す医者って感じかな…」
「へ―… それが気術なんだ…」
「そうだね… けれど…」
「気術なんてインチキだって、言い張る人もいるから、あんまり医者としては認識されていないのが現状なんだよね…」
「そうなんだ…(うちの師匠もそんなこと言ってるって聞いたな…)」
「けど、いいんだ!! 元気になったって言ってくれる人もいるし!!」
「何と言われようと、私は気術医も立派な医者だと思うんだよね!!」
「……」
「1つ質問いいか!?」
「おっ… どうした!?」
「昨日からあんたらが使ってる黒い煙も、その気術ってやつなのか!?」
「あー… そうだよ…」
「そうだ!! せっかくだし見せてやるよ!!」
シン達は庭に出た。
「該伯流… 気術…」
「吐……」
フゥゥゥゥゥ……
該凛は黒い息を吐いた。
「へー… 何か気って、明るいイメージだったけど… 改めてみると、こんなドス黒い色してんのな!!」
「ハハハ!! それはね…」
「この気のもとは邪気だからだよ!!」
「えっ… 邪気!?」
「そう…」
「気術医は患者から、この邪気を吸い取って、体に封じ込めるんだ…」
「それを、陽の気に変えることで自分で操れるようになるんだ!!」
「……」
「えっ… それって…」
「めちゃくちゃかっこいいじゃーん!!」
「ねぇシン!! 僕たち修業したら…」
「もしかして、この気術つかえるんじゃない!?」
「そうかもしれないな!!」
「ハハハ!! まぁ、できるかどうかはわからないが…」
「修業は本当に厳しいぞー!!」
「ふっ… 上等だぜ!!」
「マックス!! さっさと飯食って修業だ!!」
「わかった!!」
「ほんと元気な奴らだな…」
ー朝食後ー
「いいか… 次の修業は…」
「滝業だ!!」
「……」
「えっ… 滝業って…」
「どこに滝なんてあるんだよ!?」
「あー… それは、私が案内するよ!!」
「この山の中だ…」
「夜までに帰ってこよう!!」
「それじゃあ… 出発だ!!」
シン達は、該伯の家を出発し、山の中に入っていった。
「なーんだ、ただ山の中に入って滝に打たれるだけじゃねぇか!!」
「この修業のどこが厳しいんだ!?」
「フフフ… 今にわかるさ…」
「一応言っておくけど…」
「気を抜くと死ぬよ…」
第55話 FIN




