第100話 仲間になる覚悟
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シン達は数日、ウール集落で過ごし、翌日、出発することになった…
ー出発前日の夜(マトンの家)ー
マトンはシン達を食卓に集めた。
「どうした… マトン…? そんな、真剣な顔して…」
「……」
バッ!!
マトンは立ち上がり、頭を下げた。
「お願いします!! 私を!!」
「一緒に連れてってください!!」
「えっ!?」
「私… 皆さんと一緒に時間を過ごしていくうちに…」
「段々と… 力になりたいっていう気持ちが強くなっていったんです…」
「戦闘面では、全く役に立たないと思いますけど…」
「身の回りのお世話や… 雑用は全部、私が引き受けますから…」
「宜しくお願い致します…」
マトンはもう一度深く頭を下げた。
「……」
4人の中に沈黙が流れた。
「ちょっと… いい…?」
沈黙を破り、凛が話し始めた。
「私は…」
「マトンさんが来てくれるのは大歓迎よ…」
「ほっ… ほんとですか!?」
「えー… ちょうど、女の子1人で心細かったところだし…」
「おっ… 女の子…?」
「ぷっ… そんなキャラじゃないだろ…」
「ちょっと… シン…」
イラッ…
ボコッ!!
凛は思い切りシンの頭を殴った。
「ふぅー…」
「話を戻すけど…」
「私は、マトンさんを仲間に入れるのは賛成…」
「うっ… 嬉しいです…」
マトンは少し涙目になった。
「けど… 1つ言っておかなければいけないの…」
凛は、真剣な面持ちで話し始めた。
「この旅は… 決して、楽しい旅行なんかじゃないの…」
「1つ間違えれば、死ぬかもしれない危険な場所に行くかもしれないし…」
「さっき、戦闘面では、全く役に立たないって言ってたけど…」
「誰かを殺すことに躊躇ない殺人鬼と闘わなければならないかもしれない…」
「場合によっては、自分の手で人を殺めなければならない可能性だってあるのよ…」
「そんな状況に遭遇した時に…」
「仲間を…」
「自分の身を守る覚悟があるの…?」
「……」
マトンは少しうつむいた。
「はっきり言うけど…」
「この旅で自分の身にどんな不幸が起ころうが、全て自己責任…」
「もし、その覚悟が無いんだったら…」
「私は…」
「この旅に来るべきじゃないと思うの…」
「……」
ニッ…
凛は少し微笑みマトンの顔を見た。
「ごめんね…」
「ちょっと… きついこと言っちゃった…」
「けど、私は…」
「本当に… マトンさんが仲間に入ることには大歓迎よ!!」
「……」
「凛さん… 謝らないでください…」
「本当におっしゃる通りです…」
その場に、重苦しい空気が流れた。
「ぼっ… 僕もいいかな…?」
「僕も… 凛と一緒で…」
「マトンさんが仲間になることには大歓迎なんだ!!」
「あっ… ありがとうございます…」
「……」
「実は僕… いつ戦闘になっても大丈夫なように…」
「毎日鍛えてるんだ!!」
「今、闘うことに自信が無くても…」
「努力すれば、強くなれるんじゃないかな…?」
「もし… 一緒に行くことになったら…」
「参考になるかわからないけど… 僕が指導してあげるよ!! 一緒に強くなろう!!」
「マックスさん…」
「マトン…」
シンは椅子から立ち上がり、マトンに背を向けた。
「もう寝させてもらう…」
「俺達は明日、昼過ぎにここを出る…」
「それまでに、答えを出せ…」
「わかりました…」
「最後に…」
「お前が、ここに残るか、俺達と一緒に行くか、どっちの選択をしても…」
「俺はその意志を尊重する…」
「それじゃあ… おやすみ…」
シンは寝室へ移動した。
「……」
「それじゃあ… 私達も…」
「そうだね…」
「お2人共おやすみなさいませ…」
「おやすみー!!」
凛達も、寝室へ移動した。
「……」
その後、マトンはラムを玄関前に呼び出した。
「ふぁーっ… マトン… こんな夜に呼び出してどうしたの…?(私の家から結構遠いんだよ…)」
「ラム…」
ぐすっ…
「うわーーん!!」
マトンは大声で泣きながら、ラムに抱き着いた。
「えっ!? 何!?」
マトンはさっきのことをラムに全て話した。
「なるほどね… それは、凛さんの正論だわ…」
「でっ… あんたどうしたいの…?」
「……」
「私は…」
「あの人達と一緒に行きたいな…」
「けど… 私が誰かと闘っている想像なんてできる…?」
「それに… 私おっちょこちょいだから、みんなに迷惑をかけるかも…」
「……」
「マトン…」
「みんなが言ってるのは覚悟があるかどうかなんでしょ…」
「本当にあの人達と一緒に行きたいんだったら…」
「そんな弱音吐いちゃダメ!!」
「大丈夫よ…」
「シロちゃん達を命懸けで救おうとしたでしょ…」
「あんたには勇気がある…」
「もっと自分に自信を持ちなさい…」
「ラム…」
「ラムーーーー!!!!」
マトンは大声で泣きながらラムに抱き着いた。
「ありがとう!! 私!! 頑張るよ!!」
「そう!! その意気よ!!」
「……」
「ったく…」
「うるさくて… 寝れやしねえ…」
「マックス… 凛…」
「……」
「起きてるよ…」
「私も…」
「俺はあいつのことをよく知ってる…」
「ドジだけど、いい奴なんだ…」
「仲良くしてやってくれ…」
「もちろん…」
「賑やかになりそうね… 4人目の仲間…」
「そうだな…」
3人は微笑みながら眠りについた。
第100話 FIN




