第1話 覇王
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ーとある深夜の住宅街ー
「待ちやがれ! 犯罪者番号2020番喧嘩王猿彦!」
俺の名は防人守この物語の主人公ではない。
今追っている、こいつは凶悪犯罪者、喧嘩王猿彦、破壊を楽しむことを生き甲斐とし、何千もの人を病院に送った。
「お前を捕まえることが出来れば、出世だ!」
「待てって言われて待つ奴がこの世にいるかよ、面倒だから、能力を使って殺すか…」
猿彦は急に立ち止まり、鼻息がどんどんと荒くなっていった。そして、体がだんだん大きくなり、黒く、毛が生えだした。
能力名:大猩々に変身≪KONGラチュエーション≫
「フゥ…………」
「猿彦が馬鹿でかいゴリラになりやがった!? これでも食らいやがれ!」
「パン!」
「オイ、ナニカシタノカ?」
「弾が効かないだと、化け物め!!」
「イマノオレサマハムテキダ!」
「フンッ!」
猿彦は腕を地面に叩きつけ、衝撃が地面に伝わった。
「コンクリートが砕けた… 殺される!」
「シニヤガレ!」
猿彦は腕を高く振り上げた。
「もうだめか、あー俺の人生、平で終わりかぁ」
――ドンッ!!
「お前弱いなぁ…」
そこには身長190cm越えの大男がゴリラの振りかざそうとしている腕を抑えていた。
「助かった。あんた、ロックオンか!」
「ああ、超一流のな」
大男は自分の身長の倍くらいあるであろう猿彦を蹴飛ばした。
「クソッ、コイツオレヲチカラデオサエタノカ!?」
「コロシテヤル!」
猿彦は初めてであろう、力比べに負けたことに、驚き、憤慨した。
「さてクソゴリラ、俺は忙しい、さっさと森に帰ってもらおうか。」
大男は利き手である右の袖をまくり、右腕に力を入れだした。
すると――
大男の腕がどんどん巨大化していくのである。そして、彼の腕がミサイルくらい大きくなった時に、私は気づいた、この人はシン、今、1番世間を賑わしているであろう‟ロックオン”である。
「そうか、喧嘩王なんかが勝てるわけないか、何せこの人は――」
別名覇王…
「覇王シン!!」
猿彦は完全におびえ切っていた、そして自分の死を覚悟し放心状態になっていた。
シンはそんな猿彦を見ても躊躇せずに自分の技名を叫んだ。
「覇王の裁き≪オーバーロード・ジャッジメント≫!!」
シンの巨腕は猿彦を叩き潰した。衝撃は、軽い地震を起こし、大地が揺れているのを感じた。
これが覇王の力なのか――。
防人守は、恩人であるシンに対して、感謝をしていたのだが、それよりも何か大きな恐怖を感じていたのである。
第1話 FIN