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アーネシアと呼ばれる世界 と 昔話

世界観




アーネシア

その世界は、三つの大きな大陸と一つの小さな島でできており、三つの大陸にはそれぞれ違う種族の者達が暮らしている。


一つは、魔族。 魔素と言われる元素を操る力により、階級が決まる者達の大陸。

一つは、獣族。 身体能力の強靭さにより、階級が決まる者達の大陸。

一つは、人族。魔素を操る力も強靭な肉体も無いが、知恵と工夫を持ち、血筋と努力の二つによって階級が決まる大陸。


魔族が住む土地は魔界

獣族が住む土地は獣界

人族が住む土地は人界


それらの大陸は、綺麗に三等分されており、それぞれの大陸の間には海が存在する。しかし、海を越える事はできず。他の大陸に行きたければ、世界の中心にある中立地を経由しなければならない。


その為、それぞれの大陸に住む者達は、表向き適度な距離を保ち、互いの大陸に干渉する事無く暮らしていた。





そんなアーネシアで暮らす種族の一つ、魔族に伝わる昔話がある。




最初に三つの神が居た。


神々は、一緒に一つの世界を作ったが、そこに暮らす者達を一緒に作る事はしなかった。

その為、一つの世界の広大な大陸に、三つの種が存在する事となった。


最初は上手くいっていたが、共に暮らすうちに、三つの種は、互いの違いを受け入れられなくなり、争いが始まった。


ある種は言った・・・儚い命しか持たず、非力な者。怠惰で、ただ歳を重ねる為だけに生きているだけの者。そんな者達を何故 自分達と同等に扱わなければならないのかと。


ある種は言った・・・目に見えぬ物を操り、歳をとらない化け物。毛の生えた尾を持ち、毛の生えた耳を持ち、姿を変える化け物。そんな化け物達と、知恵を持ち、新たな物を生み出す事のできる私達とが、同じであるはずが無いと。


ある種は言った・・・何故そんな事を気にするのかと。


そうして戦いが始まった。

最初のきっかけは定かでは無いが、始まってしまえば、きっかけなど関係が無くなる。


ある種は、自分達の身体能力の高さと、戦闘技術を用いて戦いに挑んだ。


ある種は、知恵を持って武器を作り、数の多さで戦いに挑んだ。


ある種は、降りかかって来た火の粉だけを払いのけ、戦いに挑む事はしなかった。


戦いは激化・・・・しなかった。


戦いは日が昇る直前に始まり、日が沈む頃には終わっていた。

負けたのは、知恵を持ち、数の多さで戦いに挑んだ者達。

そして、その者達を追い込んだのは、身体能力の高さと、戦闘技術で戦いに挑んだ者達。

戦いに参加しなかった種は、ただ二つの種の戦いを傍観していた。


こうして、一つの種が滅び、二つの種が世界に残ると思われた。

しかし、戦いに勝利した者達は、戦いを止めなかった。

自分達がこの世界で唯一の種でなくてはならないと、戦いに参加しなかった種を滅ぼそうとしたのだ。

自分達の種を総動員させ、一気に攻め込んだ。

彼等は知っていた。戦いに参加しなかった種は、決して弱いから参加しなかったのでは無いと、ただ、興味が無かっただけなのだと。

だからこそ、自分達の持てる全ての力で挑んだ。


戦いは、日が昇り始める薄暗い中で始まり、日が昇りきる頃には終わっていた。


一瞬であった。


圧倒的であった。


気付けば、周りに居たはずの仲間達は生き絶え、極少数の者達が残るのみとなっていた。

勝利したのは、最初の戦いに参加しなかった種の者達。

彼等は、追撃をしなかった。彼等にとっては、降りかかる火の粉を払っただけの事であり、戦いですら無かったのだ。


こうして、世界には、一つの種しか残らないと思われた。


しかし、戦いは終わってはいなかった。

強大な力を持ち、世界で最も多い種となった者達には、弱点があったのだ。

それは、彼等の持つ力に関係していた。彼等の力は、魔素と呼ばれる体内で生成される物を使い、強大な力を操る事であったが、その力に頼り過ぎたばかりに、魔素を持たない者を認識する事が下手だったのだ。

目視であれば、認識できるのだが、視界から消えれば見失ってしまうほどだ。


最初に負けた種の者達は、一欠片も魔素を持っていなかった。


そこで、絶滅の危機に瀕した二つの種は手を取り合った。

強大な力を持つ者達が、世界を征すれば、自分達に居場所は無い。いずれ滅びるだけだと思ったのだ。


最初に負けた種は、戦闘技術を教わり、自分達の生み出した武器を用いて、暗殺を始めてしまった。

戦闘技術を教えた種には、僅かな魔素があったため、暗殺には参加しなかったが、彼等を支え援護した。


そうして、最も多い種となったはずの者達は、一気に数を減らしてしまう。

彼等は寿命が長い分、子を産みだす事が難しく、あっという間に数を減らしていったのだ。


そうして三つの種、全てが絶滅の危機に陥ってしまった。



その様子を見ていた神々は、自分達が協力して種を作らなかった為に、この様な事態になってしまった事を後悔し、世界を三つに分け、三つの種に名を付けた。



飛び抜けた身体能力の高さと、戦闘技術を持つ種を獣族とし、三つに分けた世界の一つを獣界として、そこに住まわせた。


儚い命を持ち、非力ながらも知恵を持ち、新たな物を生み出す事のできる種を人族とし、三つに分けた世界の一つを人界として、そこに住まわせた。


魔素と呼ばれる力を持ち、長い命を持ちながらも、自分の為にしか力を発揮しない種を魔族とし、三つに分けた世界の一つを魔界として、そこに住まわせた。


そして、神々はいずれ、互いの違いを認め合い、また共に暮らせる様にと願い、三つの界を繋ぐ場所に、中立地をと呼ばれる島を置いた。


そうして、アーネシアという世界が出来上がった。





こんな感じの世界の、魔族のお話しです。

身も蓋も無い言い方をすれば、三つの種の関係性がジャンケンです。

そして、あまりこの設定出てきません!!

ふわぁ〜っと、こんな感じの世界だと思ってください。


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