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まほろば

作者: プロ大学生

<まほろば>


これは今からすればもうすぐそこまで来ている話なのかもしれない。

私たちの生活は完璧になった。

無人運転をする乗りものや言葉という隔たりがなくなった異文化交流、どころか心の有り様まで数値としてあらわされ可視化する世界。


この手に埋め込まれた薄くて軽い一枚の電子チップが私たちを完璧にしている。

仕事から帰れば、電子制御化された完全な無駄のないプラットホームが私を迎える。

食事も電気も水道も話し相手も娯楽も全備されていて、私は使い手としてしか存在しない。


生きてる意味ってあるんだっけ。

そもそも私って何がしたいんだっけ。


望めば簡単に手に入る暮らしはやる気も夢も欲も根こそぎ持ってった。

人間が望んだ平等な世界には誇るためのステータスだってない。


例えば何かを上達したいという目標があるとしよう。

機械演算が導き出した答えとして、その目標にあたっての完璧なチュートリアルとマニュアルが自動的に与えられ、

私たちは受動的にただこなすだけなのだ。


その時の達成感はあるかもしれないが、機械にとっては実行して結果が出るという遂行ゲーなのだ。


人々の息遣いも営みも聞こえないこの世界の一部として生きていくことは正しいのか。

遺伝子操作によって作られた私たち人間はこの世界が変わらないために消費されるだけなのではないか。


さらに世界の技術が発達して、心の操作ができるようになればこの虚無感も感じなくなる。


私には分かる。

もう来る。

まほろばがすぐそこまで来ている。

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