変な趣味ですが引かないで
基本3000字前後で書いていこーと思います。
あとあんまり今回のサブタイトル大して意味無い……
バリィッ!!
「」
一瞬意識が消し飛ばされそうになった。
今までのスタンガンとは比べ物にならないくらいの音が鳴り、衝撃も凄かった。
受けたことは無いけど、ショットガンを何十発も同時に受けた感じの衝撃。
そのくらい強かった。
「かっ…はっ……」
息も止まってしまうくらいの電流が全身を駆け巡る。
「はぁはぁ…はぁっ…… 何…これ……」
他のスタンガンの数倍、いやもっと、
「気持ちいい/////」
やっぱりこういうのは強いのが1番なんだ。
もう一度やろうとスタンガンを胸に当て、スイッチを押す。
カチッ
「あれ?」
電流が流れない。
「なんで?」
何度も押すが、まったく反応しない。
まさかの電池切れ? と思い、スタンガンをひっくり返して電池を入れる場所を開く。
単三電池が5本、これが1回で無くなった。
「凄い使うじゃん」
単三電池5本って結構使うんだなぁ。
他のスタンガンから抜き取ろうかと思ったけど、単四電池だったり単二電池だったり、そもそも充電式だったりで地味に合うのがない。
単三電池はあったけれど2本足りない……
「これ、持って帰ろうかな……」
単三電池は家にあったはず。
持って帰ればいつでも使えるし、便利だと思う。
棚の奥に頑丈に封をされて置かれてたわけだし、どうせ使わないんだろう。 持って帰ったって文句は言われない気もする。
「他のはしまっちゃおう」
出したスタンガンを棚の元あった場所に戻す。
改造されてるスタンガンは自分のカバンの中へ。
今の時刻を確認しようと、壁に掛けられた時計を見る。
「今は…やば、あと1時間しかない!」
社長さん達が来るのは8時、今は7時。
あと1時間で人が来る。
意外とスタンガンで時間を使ってしまっていた。
「お掃除しなきゃ……」
シャツのボタンを留め、給湯室の角にジャケットを丁寧に畳んで置いておく。
入社した時から給湯室が私の部屋みたいになってるから、給湯室では基本自由にしててもいい。
だからいつもカバンとかは、給湯室に置いてある。
給湯室から出て、オフィスの掃除を始める。
オフィスの掃除は社員1人1人の机の下や上を掃除する事。
給湯室から濡れた雑巾と小さい掃除機を持ってオフィスに出る。
この会社には男性社員が12人で女性社員は私1人。
私の机は無いから、12人分の机を掃除すればいいだけで済む。
これ結構楽しいんだ。 色々出てくるから。
「まずは木村さんからかな」
木村さんは、よく私に首輪とリードをつけて、オフィス内を散歩するのが好きな人だ。
この人の机を掃除するといつも首輪とか色々出てくる。
今日も首輪とか出てきていつも通りかなぁって思ってたけど、いつもと違うものがあって少しびっくりした。
「なにこれ……」
本だ。
ちょっと薄くてコンビニとかでトイレの近くに売ってるやつ。
表紙に女の人が犬に襲われてる絵が描いてある。
「こういうの好きそうだもんなぁ……」
とりあえずその本は机の上へ。
こういうのを他の社員の方が見て親交が深まるらしいから。
本を机の上に置いたあとは、掃除機で机の下を綺麗にして終わり。 次に行く。
「次は……佐藤さん」
佐藤さんは〜……よくわかんないなぁ。
いつも私にコーヒーを沢山飲ませるくらいしかしないし……。
特に特徴はない人かな。 あ、ちょっと禿げてた。 特徴あったね。
この人の机も掃除して、なんにも出てこなかった。
次々〜。
「誰だっけ?」
なんかメガネかけてる人。
この人なんにもしてこないから覚えてないや。
机を掃除して……、なんか色々出てきたなぁ。
手錠に足枷、猿轡やらなぜか刃のないトラバサミ等の拷問器具、あとは全年齢対象じゃ見せられないもの多数が出てきた。
「え〜この人なんて趣味……」
特徴的すぎてなんかやだ。
この人のは全部元に戻しておこう。
あとは掃除機かけたり濡れ雑巾で机の上を拭いたりして、この人の文は終わり。
で、終わってから机にあったネームプレートを見てみる。
「へー工藤さんっていうんだ〜。 すぐ忘れそう」
特徴的すぎて逆に忘れそう笑
つぎつぎー
「斎藤さんか〜」
芸人さんじゃないよ。
この人はハリセンとかプラスチックのバットでよく私のお尻を叩いてくる。
まぁ、そこまで痛くないからいいんだけど。
でもなぁ……。
この人の机から釘バット出てくるなんて……。
これで叩かれたら痛いなんてもんじゃないよ……。
別に気にしないけど。
この人の机も適当に綺麗にしてー。
つぎ
さすがに少ないとは言っても全部書くのは大変なのです。
一気に社長さんまでれつごー。
「佐々木しゃちょーの机だー」
社長は多分この会社で1番私を玩具にしてる。
大体は水責めだから私も普通に楽しめてる。
毎日のように私に2リットルくらいの水を飲ませて、私が飲みきったら腹パンして吐かせるのを繰り返す。
何回かやるうちに吐くのに慣れたから、今では1日の楽しみなんだ。
たまーに水責め以外に縄で首絞めがあるけどあれはちょっと大変。 息できないのは辛いからね。
あとは天井に逆さまでぶら下げられたり、ワイヤーで全身縛られたりする。
そういうのをよくやるから、社長さんの机からは沢山出てくる。
「あ、有刺鉄線」
有刺鉄線巻くのも好きだったっけか。
これ巻いた後、体中に傷ができるから家に帰った後入るお風呂で、凄い染みるんだ。 痛いよ。
まぁ、それがいいんだけど。
「今日も水責めだろうなぁ〜。 バケツ用意しとかなきゃ」
いつも吐いたのを片付け安いようにバケツに吐く。
最初の頃は普通に床にぶちまけてたけど、それだと片付けがめんどくさくて、バケツに吐いたら?って社長さんに言われたから今はそうしてる。
1日に使うバケツの数は大体7、8個。
結構な量吐くよ。
さすがに全部ただの水だと飲みにくいからって、社長さんはオレンジジュースとか色々持ってくる。 水だけだと飽きちゃうしね。
とりあえず、社長さんの机を掃除する。
「机の上を綺麗にしてっと……」
これで机は大体綺麗にできた。
あとは床に掃除機をかければ終わり。
「うぃーんって」
オフィス全体の床を掃除機で綺麗にする。
このくらいで掃除は終わり。
掃除する時間が短い気もするけど、基本このオフィスは綺麗だからあまり掃除しなくてもいい。
でも一応いつもやってる。
1日のほとんどを過ごす場所は綺麗にしておきたい。
「もうやることないな…… 待ってよっかな」
窓の近くの床に座り、外を眺める。
もう朝の8時に近いから下の通りは朝より少し多くの人が通っている。
1番多いのは学生。 高校生くらいかな。
近くに高校があるからなんだろうけど。
「高校ってどんな場所なんだろう……」
今の私の年齢だと高校卒業するぐらいだよね。
この会社に入った時は高2、奴隷になった時が高1。
そういえば高校どころか学校なんて行ったことがない。
勉強したことはあるけどそれは孤児院でだ。
「そーいえばなんでお正月なのに高校生?
なにかあるのかな……」
今日は正月で学校は全部休みのはず。
「……。 どーでもいっか」
学校は自分に関係の無いこと。
学校に行けて幸せな人がいれば、私みたいに学校行かなくても幸せな人がいるから、そこまで気にしなくても別にいいんだ。
学校に行きたくても行けない人がいるらしいけどそこまで興味はない。
行きたくても行けない人達を支援したりする人もいるんだろうけど、他人の心配する前に自分を心配すればいいのに。
いつ自分が支援される側になるか分からないんだから。
とかなんとか考えてるうちに時間は経ってたらしく。
8時になり社長さん達が来た。
今日も1日、楽しい日が始まるんだ。
急に飛んでゴメンね。
今は午後の10時。
午前8時からめっちゃ飛んじゃったわ。
今日されたのは思ってた通り水責めだったよ。
でね、今は社長さん達は帰って1人で片付けしようとしてたところ。
「よっこいしょー」
バケツの中身を全部給湯室の流しに捨てる。
今日は10個もバケツを使いました。
オレンジジュースとリンゴジュースとぶどうジュース、と水。
沢山飲みました。
今水道に全部流したけど。
「ふぅ……っていつもより疲れてないなぁ?」
沢山吐くからいつもかなり疲れて家に帰るんだけど、今日はあまり、っていうか全然疲れなかった。
「耐性ついちゃったのかな?」
疲れてないならまだ飲めるはず。 ちょっと物足りないしね。
腹パンしてくれる人はいないけど、胃に入りきらない量飲めば吐けると思う。
「ペットボトル2本でいいかな」
2リットル入るペットボトルを2本水で満たして、1本ずつ飲む。
「おいっしょっと」
1本手に持ち一気に飲み干す。
「んぐ……ごくごく」
何度も2リットルを一気飲みしてるからこれくらいなら簡単に飲める。
「ふぅ…あと1本」
かなりお腹はいっぱいだ。
これ飲みきれたら凄いけど無理な気もする。
「ごくごく」
飲み始めるけど半分くらいで、
「ゲボッ……」ビシャビシャ
胃に入りきらなくなり飲んだ分を吐く。
「はぁ……。 スッキリした……」
いっつも吐いたあとはスッキリするから体調悪いなって時は家でも吐いたりする。
吐きすぎて無意識に吐くこともたまにあるけど。
「んー、やっぱり疲れてないなぁ……」
不思議な感じだ。
昨日までは疲れてたはずなのに、今日になっていきなり変わるのかな?
「でもまぁ、疲れないならいっか」
マイナスなことじゃないから気にしない。
「もう帰ろうかな。 いつもより早く帰れそうだし」
ペットボトルの残った水を出して、ペットボトルを洗い直し片付ける。
「これでいっかな」
ジャケットを着てカバンを持ち、玄関から出る。
「電気消したし鍵閉めた。 帰ろ」
外は朝と同じで結構寒い。
「はー」
吐く息は白い。
「早く帰ろう」
家まで近道をするためにある路地裏を通る。
暗いから転がってる物につまづかないように歩く。
(まぁまだかぼちゃ頭とは会いませんからね)
暗い路地裏を抜けて、近くにある小さいアパートが彩乃の家。
1Kの小さい部屋で暮らしている。
「お姉ちゃんは先に帰ってるよね」
アパートの3階まで上がり、家のドアを開ける。
鍵はかかってないからお姉ちゃんは先に帰ってるみたい。
「ただいま〜」
「あ、おかえり」
ドアを開けると、玄関の近くにある台所でお姉ちゃんがご飯を作っていた。
「もう少しでできるからちょっと待ってて」
「はーい」
お姉ちゃんの後ろを通って、普段一緒に過ごしている部屋に入り、ジャケットをハンガーにかけ、カバンを置く。
「ふぅー」
コタツに入り、外気に触れて冷たくなった手先を暖める。
「はい、おまたせ」
「わぁ、カレーだぁ」
コタツで暖まってるとお姉ちゃんがカレーを持って来た。
「いただきます」
「召し上がれ。 ゆっくり食べてね」
スプーンを手に取り、カレーを1口掬い食べる。
いつも通りの美味しい味がする。
「ふふ〜美味しい」
「よかった」
私が笑顔になるのを見てお姉ちゃんも食べ始める。
「今日早かったね。」
お姉ちゃんがカレーを食べながら聞いてくる。
「今日はいつもより早く帰れたから」
「そっか。 じゃぁいつもより長く休めるね」
「うん」
いつもより長く休めることに少し喜びを感じながらご飯を食べる。
カレーってすぐ食べ終わっちゃうもので、何回かおかわりをした。 お姉ちゃんは料理が上手だから何度食べてもとっても美味しい。 ずっと同じ料理でも食べ飽きない気がする。
「ごちそーさまでした」
「お粗末さまでした。 お風呂もう準備出来てるから入っていいからね」
「分かった。 お姉ちゃんはもう入ったの?」
「うん。 入ったよ」
「そっか。 じゃぁ入ってくるね」
「いってらっしゃい」
その後お風呂に入って、のんびりしてお風呂から上がったあと寝る準備をしようと思ったら、黒いGが出て、ちょっと騒いじゃって頑張って退治して、疲れたねーなんて笑いあって一緒に1つのベッドで寝たんだ。
いつもより長く寝られたから、とってもいい気分だったよ。
これがティアと出会う前の日のお話