初っ端からスタンガンに目覚める馬鹿
ちょっと中途半端な終わり方かも
ねぇ皆、ブラック企業ってどう思う?
私が勤めてる会社はね、凄いブラックなんだ。(最近知った)
しかも私だけにね。
広告代理店なんだけどさ、それに関係してる仕事はしたことないよ。
私の仕事は会社の掃除とか、セクハラ受けたりとか。
会社に女性は私しかいないからね。 だいたいの会社はそんなものでしょ?
毎日午前四時に出社して、午後24時すぎに帰れる。
上手くいけば2時間は寝れるから幸せだよね。
今日は1時間半しか寝れなかったけどね。
こんな私は皆から見たら幸せに見えるでしょ?
セクハラ受けれるなんて人から気にされてる証みたいなものだし、ちょっと前までは付き合ってる人だっていたからね。
幸せ絶好調!
って、そんなわけないでしょ……
ポジティブキャラって難しいね……
お話の冒頭だから、せっかくだし新しいキャラでいこうと思ったけど、これは辛すぎるわ笑
何が幸せ絶好調よ……
ちょっと前まで付き合ってた人がいるって、別れてんじゃん。
男の人となんか付き合いたくないし。
しかも別れたわけじゃないし、私の胃袋に収まっただけだし。
あ、別に食べようと思って殺ったわけじゃないよ?
その人はね〜既婚者でさ〜
私は付き合ってたっていうより、孤児院にいた時に奴隷としてその人に飼われることになって引き取られただけだから。
その人の家で飼われてた時に、自分の料理作ろうと思って包丁持ったら、手が滑っちゃってうっかり頭に刺しちゃって片付けに困って食べただけだよ。
私ってドジっ子だから仕方ないよね。
まぁたった一人しか殺ってないし、奥さんにはバレないように片付けられたし、その日の食料になったからいいことずくめだった。
まぁ、その1食で食いつくしちゃったけど。
人の肉って食べててどんどんお腹空いてくるもんだからさ。 お肉なくなっちゃった時は我慢したから大丈夫だったけど。
セクハラは受けてて楽しいから別にいいや。
まだセクハラ受けれるだけ人に見られてるってことだし。
ていうか、こんなこと言ってないで早く行かないと……
2019年1月1日午前四時
東京都とある大通りにて
大通りには近くにある神社へ、初詣に行く家族やカップルで早朝にも関わらず少し賑わっていた。
そんな中、私は1人だけスーツ姿で会社に向かう。
「皆元気だなぁ……」
人々があまりにも元気だから、自分も元気を出さないとって思ってしまう。
(私はこれからセクハラ受けに行くんだぜ〜 いぇーい 今日はどんなことされるのか、めっちゃ楽しみですよ〜)
凄く最初はローテンションに見えるんだろうけど、これでも元気だよ。
いつもの倍以上明るい。 てかいつもこんな感じか。
「早く行って掃除しなきゃ」
薄く雪が積もり、滑りやすくなっている道を転けないように早歩きで歩いた。
彩乃が働いてる会社は…… あ、彼女の名前は青葉 彩乃です。
この話で言ってなかったねゴメンなさい…… 書くの忘れてたわぁ……
で、ね。 彩乃が働いてる会社は、佐々木広告社という会社で、広告代理店。 彩乃は入社してやっと1年になる。 会社の中での彩乃の仕事は雑用みたいなもので、他の社員のストレス解消みたいな感じで使われる。
大体は、今日みたいに朝早く出勤して掃除している。
かなり楽な仕事だ。
彩乃が働くこの会社があるのは、様々な会社が混在する二階建ての古い雑居ビルの一角。 ビルが建てられたのは40年くらい前なので、かなりボロくなっていた。
たまーに廊下で雨漏りするくらいに。
ちなみに彩乃の家からは徒歩20分くらいで結構近い。
彩乃がこの会社を選んだ理由だ。
彩乃は給料とかあまり気にしないタイプなもので、楽しければいいやって考え方でしてね。
大通りを通って会社の前まで来る。 いつもは路地裏使って近道するんだけど今日は正月だからっていう謎の考えで大通りを通ってきた。
会社の前に来て、階段を上がる。
ビルの二階の南側にある鉄製の扉の前に立って、人がいないかなーって思って試しにドアノブを回してみた。
ドアノブを回してみたけどガチッっていって、途中で止まっちゃった。
「まだ誰も来てない…て、あたりまえか」
いつも持っている小さなカバンの中から、扉の鍵を取り出して、鍵穴に差し込んで鍵を開ける。
このビルにある他の企業は防犯強化の為に鍵をカードキーとかに変えたりしている。 なんなら、扉ごと新しいものに変えているのに、 この会社だけ、元の扉のまんま。 なんせ、そこまで稼げているわけじゃないから扉なんて変えてる余裕は無いんだよね。 あと稼げてないんだから当たり前だけどパソコンとかの設備も結構古いまま。
部屋に入って、電気をつける。
電気をつけたら、いつもの見慣れた光景が広がった。
「ここに来るのは4時間ぶりだなぁ〜」
少し伸びをしてから、ホウキを手に取り掃除を始めた。
いつも掃除をしてると、仕事場だってのに少し変わったものをよく見つける。
今も給湯室の掃除をしてたら、給湯室のコップとかを入れておく棚から、スタンガンがいっぱい出てきてビックリしてた。
普通のスタンガンから警棒型のスタンガンにナックル型のスタンガン等、種類が豊富すぎる。
たしかまだスタンガンは使われたことなかったはずだから、多分いつかここでビリビリされちゃうんだろう。
「試してみよ」
今はまだ5時、他の社員の人達が出社時間してくるのは早くても8時過ぎだから、2時間くらいなら気絶しても大丈夫なはず。
それ以上は気絶しないようにすればいいはず、どうすればいいのかわかんないけど。
まぁとりあえず、種類があるんだし選んでみよう。
「どれにしよっかな〜」
なんかすごいワクワクする。 今まで頑張ったご褒美みたいな感じかな。
(悩むなぁ……)
普通のやつも警棒型のもナックル型のも気になっちゃう。
でもやっぱり初体験は普通のやつでいきたいかんじもするから普通のタイプのスタンガンにすることに。
一番最初に目についたスタンガンを手に取る。
スタンガンって重いのかなぁって思ってたけど、手に持ってみると意外と軽く、持ちやすい。
「強さとか変えれるのかな……」
電圧調節的なことができないのかと、スタンガンの脇やら何やら色々見てみるが、見当たらない。
多分、調節とかは出来ないんだろう。
「まぁいっか。 どこに当てればいいんだろ……」
スタンガン自体は知っていたけれど家にテレビとかないから、ドラマとかでスタンガンを使ってるシーンみたいなのを彩乃は見たことがない。
「でもなんか服の上からだと効きにくいとか聞いたことあるし……」
それに直接肌で体験してみたい。
「首とかかな」
なんか、スタンガンって首に当てるイメージとかあるし、首なら確実な気がする。
そうときまれば早速実践。
スタンガンの電源を入れ、首に当てる。
首に当たるスタンガンの先端の金属部分のヒヤッとする感覚にドキドキする。
「3、2、1でいこう。 さんにーいち……」
いち、で電流を流すボタンを押す。
バチッ!
「はぁんっ////」
鉄バットか何かで殴られた様な衝撃が全身に襲いかかり、一気に体温が下がる様な感覚を覚える。
「」ポケー…ハッ!
スタンガンを離したあともまだ全身が軽く痺れる感じがする。
手足の指先の感覚が薄く、末端が痺れている。
兎に角、彩乃にとってスタンガンの電流は、
「すっごく気持ちいいなぁ〜♡」
なのだ。
「そういえば気絶しなかったな……。 意外と気絶しないものなのかも」
ビリビリはきたけれど、気絶まではしなかったし気絶しそうな感じもしなかった。
これならまだ試せそう、と、警棒型のスタンガンを手に取る。
「あ、これは調節出来るのかな」
警棒型のスタンガンには電圧調節のためと思われる小さなツマミがある。
MAXとMINに分けられてて、今は中間を指している。
「MAXでしょ」
ツマミを一気にMAXまで回す。
「次はどこにやろ」
首にやったから違う場所にやりたい。
なんか腕とか足とかだと違う気がするから胴体にやりたい
あ、でも頭でもいいのかも。
頭にやったらどんな感じかなぁ。
「これどこビリビリするんだろう?」
警棒の形だけど、持ち手以外全部好きビリビリするのか先端だけなのか、分かりにくい。
でも先端にはさっきのスタンガンと違って、金具のようなものが無い。
「棒の部分かな」
なら頭じゃなくてもいっか。
棒なら……脇腹とかでもいいかな。
「体温計みたい」
体温計を挟むみたいにスタンガンを脇に挟む。
多分これでも気絶しないから、次はナックル型にしよう。
数はまぁまぁあるし、どんどん使ってかないと。
「どんどんやりましょ」
脇に挟んだスタンガンのスイッチを押す。
バチッッ!
「お゛っ////」
さっきと同じように鉄バットで殴られる感じがした。
さっきのスタンガンより電圧は強くなってるのだろうけど、このクセになる感じは変わらない。
「はぁ// 次いこ♡」
ジャケットを脱ぎ、シャツのボタンを外してお腹を出し、ナックル型のスタンガンを腹部に押し当てる。
これには電圧調節の機能は無いようだから、そのまま使う。
「これはどんな感じかなぁ」
バチッ!
「んぐぅ!」
やっぱり物によって違うのか少し電圧が弱い気がする。
今のとこ普通のスタンガンが1番いいくらい。
「はぁはぁ…次は…… 」
どんどん次のスタンガンを使おうと、片っ端から選んでは使っていく。
懐中電灯型や拳銃型等、まだまだあった。
彩乃は時間を忘れてスタンガンを使い続けた。
「ふぅ…次は……と?」
次のスタンガンを取ろうと棚の奥を見ると、1番奥に箱がある。
「なんだろうこれ……」
ガムテープで頑丈に封をされた小さいダンボール箱だ。
その箱には、
『使用厳禁 開封厳禁』
と、でかでかと書かれている。
まぁ、人ってもんはね、
「ダメって言われたらやりたくなっちゃうんだよ」
箱に巻かれているガムテを強引に剥がし、箱を開ける。
「これもスタンガン……?」
中にはスタンガンが入っていた。
普通のスタンガンと同じようにも見えるけど、先端の金属の金具みたいなのが4つついている。
最初にやったやつは2つだったはずだから、威力とか上げてるのかな。
特殊なスタンガンでも買ったのかと思ったけど、どうやら違うみたいで、明らかにあとから付けたようなパーツがあったりする。
「改造したのかな」
まぁものは試しでしょ。
使用厳禁って書いてたけど多分大丈夫なはず。
スタンガンの本体を見ると、
電圧調節のためのスイッチがあったけど、MAXで固定されている。
やっぱり改造したものみたいだ。
「どーしよっかなぁ」
どこにやろうか。
迷うのはそこだけ。
勿論使わないという選択肢は無い。
「よし、心臓の近くにやろう」
心臓止まった時に心臓に電気ショックやったりするんだから、体に悪いはずがないだろう。
シャツのボタンをさらに外し、スタンガンを胸に当てる。
ブラは元々嫌だからつけてない。
「さっきよりドキドキするなぁ……」
他のスタンガンとは違う、ずっしりとした重みに少し怖い感じがしないでもない。
でも好奇心の方が勝っているから、スタンガンのスイッチを押す。
バリィッ!!