No title
やぁ
急に話しかけてごめんね
驚いたかな
ねぇ
君は自分が誰か分かってる?
そう
分からないんだね
心配しないで
それが正常だよ
私が誰か、って?
さぁ?
貴方は知ってるはずだけどね
今の貴方は知らないんだろう
なぁ
ここがどこだか分かるか?
分からないよな?
ならいい
何をしたいんですかって?
そんなことどうでもいいじゃないですか
とりあえずさ
アンタのその足元にある本、拾ってくれ
そう、それだよ
その本に名前はある?
ない?
そんなはずはねぇんだけどな
まぁいいや
それ、読んでみてよ
まぁ、その本
とっても幼稚な内容で
文章もゴミで
くだらなくて、途中で読みたくなくなるかもだけど、
君には必要なんだ
読んでみて
ま、途中で読むのをやめることなど許さないけどね
とにかくさ
自分が誰なのか知りたいなら
それ、読んで
すべて読み切れば
ここがどこで、僕は誰か、君が誰なのかを知ることができる
楽になれるよ
そうか
読んでくれるんだね
嬉しいよ
じゃぁ
読み切ったら僕に声をかけて
あと
途中で読むのが辛くなっても僕に声をかけて
なんとかする
まぁそんなことにはならないだろうけど
きっと君はその本を最後まで読んでくれる
なに、そんな顔しないで
ふふっ
どんな表情してるのかなんて分かんないけど
怒らないでよ
なんて
君の感情なんて分からないけど
はぁ、そろそろ読み始めないと
疲れてしまうかもしれないよ
誰がって?
さぁね?
いつまでもこのくだらない会話を読んでくれてる人のことだよ
会話って言っても僕が1人で
一方的に話してるだけなんだけど
それじゃぁ、始めよう
ヒントは与えた
君が自分を覚えてくれることを祈るよ
君を待ってる人達がいるんだ