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ぎふと  作者: えふ
10/11

それは昔の夢の話でね……

今回はティア視点です。

オレチャマはあやのの柔らかい胸の中で目が覚めたっチャ。


(気づいたら寝てたっチャ……)


昨日、あやのがすぐに寝てしまって暇になったからベッドから抜け出してゆかりが風呂から上がるのを待ってみようかと思っチャけど、あやのの抱きしめが意外と強くて抜けれなかったから諦めて寝るかと思ってたらいつの間にか寝ちゃったみたいっキャ。


(寝るっていいっキャな。 スッキリするニャ)


前回寝たのはいつかなんて覚えていないニャ。

そもそも寝たことなんてなかったかもしれないっキャ。

でもかなり疲れは取れるみたいだし、これからはしっかり寝ようと思うっチャ。


「ほわぁぁ〜……」


「チャッ」


「あ、おはよう。 ティア」


隣で寝ていたらしいゆかりが起きておはようと言ってくれたニャ。

朝起きたらおはようと言うと、いつだか聞いたことがあったっチャ。


「おはようっチャ」


「ふー。 彩乃はまだ寝てるみたいね」


「早くこいつを起こしてくれっキャ。 オレチャマこっから出れないっチャ」


オレチャマは昨日と同じ体勢のまま、あやのに抱きしめられていチャから、あやのの腕から抜け出せなかったニャ。

これはゆかりにあやのを起こしてもらわないとならないニャね。


「彩乃……起きて。 朝だよ」


「……」


「ん? 彩乃……?」


「チャ……?」


なんかゆかりがあやのを見て不思議そうにしたから、首を頑張って曲げてあやのの顔を見たら……


「キャッ?」


「……」


目があったニャ。

でも、あやのの目がすっごい暗いっチャ。

なんか……言い方が分からないけど、あやのの目を見ていると真夜中の墓場に1人でいるみたいな感じになるニャ。

……例えが分かりずらいっチャなぁ〜。

まぁいいニャ。

あやのってば、急にどうしたっチャ……。


「あやの〜。 大丈夫っチャかぁ〜?」


「大丈夫……」


「やっと喋ったっキャ」


「……」


「あらら〜。 今日なっちゃった?」


「うん……」


「これは予定変えないとなぁ……」


「どーしたっチャ? あやの、なんか変っキャよ?」


「えーっとね、 なんて言えばいいかな……。 わかりやすく言うと、彩乃はたまーにこうなるの。 いつなるのかはわかんなくてすごーくたまに」


「キャ……」


なんかたまになるらしいっキャね。

それが今日きたみたいっチャ。


「これどうするんチャか? このままかニャ?」


「んーほぼ1日こうなるから、彩乃は今日ほとんどベッドの中にいると思う」


「そうっキャか。 なんかよくわからんっチャ」


「まぁ、そんなに気にしなくてもいいよ。 そこまで悪いことになる訳じゃないだろうし」


じゃぁあやのは今日1日このままってことニャ。

でもそうなるとオレチャマも1日このままっチャ。

それはさすがに辛いから、ゆかりにどうにかしてもらわなきゃならないっチャ。


「ゆかり、へるぷっチャ」


「あぁ、そのままじゃティア動けないね…。 彩乃、ティアのこと離してあげて」


「え……」


「嫌なの?」


「もう少し…このまま……」


「うーん……ティア、もう少しそのままでもいい?」


「1日ずっとじゃなければいいっチャ」


「ごめんね、ティア。 彩乃カーテン開けていい?」


「ん、と……暗いままがいい……」


「分かった。 じゃあ電気もつけないままでいっか。 彩乃、お腹減ってる?」


「少し……」


「じゃぁ作ってくるね。 ティアも待ってて」


「分かったっチャ」


ゆかりが朝食を作りに台所に行った。

朝食ができるまで少し時間があるだろうし暇になるニャ。

少しあやのに話しかけてみるっチャか……。

なんでこうなったのか気になってるニャし。


「あやの?」


「ん……?」


「急にどうしたっチャ。 昨日は今より元気だったっキャよ?」


「うん……ちょっとね……」


そう言ってあやのは黙り込んだ。

なんなんだっキャ……?


「なんかあったんチャか? なんかあったんなら言ってみろっキャ。 オレチャマがなんとかしてやるっチャ」


「本当に……?」


「チャ?」


「本当になんとかしてくれるの?」


「まぁオレチャマのやれる範囲っチャけど……」


「そっか……」


オレチャマのやれる範囲ってどんくらいっチャ……?

自分でも分からんっチャ。

自信満々に言っといてなんだけど、オレチャマ、役にたてるきしないっチャ……。

どうするっキャ……。




「夢を…見たんだ……」


「チャ?」


オレチャマが自分の頼りのなさに頭を抱えてたらあやのが喋り始めたニャ。


「夢っチャか?」


「うん。 昔の、私とお姉ちゃんが孤児院にいた頃の夢でね……」


「……」


それからあやのは、あやのが見た夢の話をしたっチャ。

その話を聞いて、オレチャマはもの凄く悩むことになっチャって、正直どうにかするとか言ったことを後悔したっチャ。

自分じゃどうしようもないくらいに深い闇がある。

こんなこと考えたのは初めてニャ。

兎に角、あやのを元気にしなくチャならないっキャ。

いつまでも大切な手下の元気のない状態を見てたくないっキャ。

ゆかりは…その後っチャ。

オレチャマだけじゃどうにもできないから……。

初のティア視点でした。

これからもちょくちょくティアや他のキャラの目線になって書くことがあるかもしれないです。

投稿ペースは少し上げていこうかなと思います……

よろしくお願いします!

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