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俺が死んだ日

暑い夏の温度がだんだん日が沈んで夜となり少し肌寒く感じる。


俺の名前は坂下 優希。家の近くにある公立高校に通う3年生だ。

今スマホの電源をつけ時刻を確認すると19:30と表示された。


「やっぱり夏の夜は少し冷えるな」


ガチャ


と音を鳴らし扉を開けると、俺は全国どこにでもある有名なコンビニのトイレから出ると黒い覆面を被り、右手にナイフを持っている人が定員を脅しているのを目撃した。



「おい!金を出せ」


「は、はい」


声的に男だろうか?覆面男が金を要求して定員がレジを開きレジに入っている金を急いで取り出し渡している。


「おい」


「な、なんんでしょうか」


「まだ金はあるだろう、全部出せ」


おいおい、まだ金を要求するのか?誰か警察に連絡しているやつはいないのかと俺は店内を見渡す。


ん!あれは、妹の優菜じゃないか。それに優菜の友達の凛ちゃんも一緒にいる。


二人はどうやら目の前の覆面男に怯え、抱き合いその場で蹲っている。


どうやら、この店にいるのは定員1人と俺と優菜と凛ちゃんと覆面男の4人だけのようだ。


定員が店の奥に金を取りに行く。何故か覆面男は定員と一緒に行かず、まっすぐと優菜達の方へと歩く。


(やばい、あいつ優菜達に何かするつもりだ)


俺はポケットからスマホを取り出し覆面男の頭に投げる。そして、覆面男がスマホが当たった場所を抑えているうちに優菜達の方へ走り、庇うようにして前に立った。


「優菜!凛ちゃん大丈夫か!」


「お、お兄ちゃん」


「優兄さん」


「二人は急いでトイレの中に入り、警察に連絡してくれ!」


「わ、わかったよ」


優菜は返事をすると凛ちゃん立ち上がり、トイレの方へと走っていく。


「クソが、コノヤロウ!!」


覆面男は走って俺にナイフを刺そうとタックルしてきた。


俺は優菜達をトイレの方に走って行く姿を首で後ろの方へと向きながら見ていたので覆面男のタックルに気づかず、腹部へとナイフが刺さった。


「うっ、っっ」


痛い痛い痛い痛い、熱い熱い熱い…刺された場所から痛みから熱々のお湯をかけられたかのように熱く感じてきた。


「俺様を怒らせた罰だ!ワッハッハー」


覆面男はそう言い、笑い出す。


「お兄ちゃん!」「優兄さん!」


優菜達は覆面男の笑い声が聞こえたせいか、俺の事を呼ぶ。


俺は、刺された痛みを我慢して優菜達に向かって叫ぶ。


「俺の事は気にせず、トイレに行け!」


「ふーん、お前の妹なんだあの子。刺しただけでは俺の怒りはおさまらないから、妹ちゃんを君の目の前で痛みつけるね」


覆面男は俺の腹部に刺さっているナイフを抜いた後、そう言った。


「ふ、ふざけんな」


俺は覆面男の頭を思いっ切り殴り、ナイフを遠くに蹴り飛ばす。


「おいおいおい、さっきから大きな音が聞こえて来てみたらなんだ?」


店の奥から白いシャツを赤く染めて右手にはナイフ、左手には恐らく金が入っている袋を持った、覆面男とは違う白い覆面を被った男が出てきた。


優菜達はトイレに無事行けたようだ。


「あ、あにき、こいつが抵抗してきたんです」


「ふーん、なるほど」


覆面男が会話する一方で、俺は刺された後から無理に体を動かしすぎたので、血を流し過ぎてしまい、力が抜けていく感覚を味わっていた。


「じゃあ、こいつも殺すか」


白い覆面男は、袋をドサッとその場に置くと俺に向かって突進してきた。


俺は白い覆面男が突き出したナイフを右手をパーにして受け止めた。当然ナイフが右手を貫通し、激痛が走る。


「へー、じゃあ次はこれだ」


白い覆面男はズボンのポケットに1度左手を入れて何かが入っている小さなケース取り出した。


「これはね、1度刺されたら激しい痛みで、死ぬ毒針だ

よ。」


「く、そが…… 」


もうダメかと、思ったその時にパトカーのサイレン音が聞こえてきた。


「兄貴、サツが来ました、逃げましょう」


「んー、残念だな。……苦し見ながら死ぬ姿を見れなくて」


白い覆面男はそう言って俺の右手首に針を刺し、店の奥へと覆面男と一緒に走って行った。


俺を急に刺された時より激しい痛みが身体全体を襲った。俺はその場で倒れ、もがき苦しむ。


「がっ、ぐっううー、あっぁぁぁ」


声にならない叫びが口から出る。


「お兄ちゃん?お兄ちゃん!」


俺が急に大きな声を出したからか、優菜がトイレからでて、俺の方へと走ってくる。


「お兄ちゃん、お兄ちゃん。ねぇ、私の声が聞こえる?」


優菜が俺の側でしゃがみこみ、心配そうに泣きながら何か言っているがわからない。


「警察だ!犯人は大人しくその場で手を上げろ」


勢いよく、扉を開けて銃を構えた警官2名が来た。


俺は激しい痛みでもがき苦しむ中で警察官の姿を見ると、これで優菜と凛ちゃんは無事だと思った瞬間。痛みとかが無くなり、だんだん意識が遠のいて行く。消えていく意識の中で最後に見たのは優菜の泣き顔だった。


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