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14話 出たよ

「……はっ!」


 起きたら、周辺は見慣れない景色だった。

 そうだ俺、1階から落ちてきたんだった……。

 周辺を見回してみるが、ここが何か分からない。いや、何かの部屋だろうことは分かるのだが。

 出入り口に行くためには今度は登って行かなければならないのか。

 落背中がズキズキと痛い。が、確認してみると幸いと言うべきか、怪我などはしていなかった。まあ、背中などを打ち付けたのでかなり痛かったが、少しすると痛みもましになってきた。背負っていたカバンが衝撃を吸収してくれたというのもあるかもしれない。


 更に幸いなことにすぐ近くに一緒に落ちてきていた魔導ランプがあったので、拾って辺りを見回してみる。


 周囲には何かよく分からない筒のようなものが横たわっている。

な、何だここは!?

 広い部屋にその筒が等間隔で並んでいる。何か見たことあるような光景だな確か……同じようにSF映画に出てくるような冷凍睡眠カプセルとか、あとエイリアンを保管する保管容器みたいなものがイメージ的に近い。


 部屋の中を歩いてみるが唯一の出入り口と思われる分厚そうな金属扉は鍵がかかっているのか開かなかった。シャベルで殴ったりしたが塗装がはがれただけで壊れはしなかった。というか、この扉は機械で開閉させるような物々しさであり、とても個人の力で開くようなものではない見た目をしている。『装甲隔壁』とか呼ばれるレベルだ。

 クソッ! と思いながら落ちてきた穴を見上げる。天井まではかなりの高さがあるので上るのは不可能だ。


 何か上に上がるための道具はないかと、横たわっている筒の一つに近付いてみる。どうやら既に開いているようだ。ゆっくりと開ける。何も出ませんようにと祈りながら。……いや何か道具はほしいんだけども。


「……ひぃ!」


 そっと目を開いて中をのぞいてみるとミイラが横たわっていた。ヤバイよこれ。やっぱり冷凍睡眠のカプセルとかだったのだろうか。以前にテレビとかで見た人間のミイラとはちょっと違うような気もするが……


 横を見ると相変わらず規則正しく並んだ冷凍睡眠カプセル(推定)が……こ、これ全部そうなの?


 少し後ずさった際に何かが腕に当たった。


「――うわぁ!」


 ビックリして大げさに飛びのいたが、どうやら部屋の壁付近にあった操作パネルのようなものに当たっただけだった。


「おいおい、脅かすなよ。…………ん?」


 何かチカチカと点滅している。

え!? なにこれ。まだ動いている!?

 操作パネル(推定)を覗き込む。どうやらまだ動いてるようだ。3000年前の施設じゃなかったのか?

 操作するキーボードは見当たらないな。ならタッチパネルとか。

 恐る恐る触れてみるとブォンといかにも機械的な音と共に画面が立ち上がった。


「本当にまだ生きてるよ……」


 これ電源とかどうやっているのだろうか? 電気じゃなくて魔法なのか?

 あ、室内の電源という項目がある。ポチッ!


 パッパッパッ――――


 端から天井の電気がついていく。それに伴い部屋の全貌もわかる。一部天井に穴の開いたところ周辺は暗いままだが。


 周囲が明るいということで多少心に余裕が出てきた。

 部屋はかなりの大きさだ。そこに端から端まで冷凍睡眠カプセル(推定)が並んでいる。


 操作パネルを再度覗き込む。文字は分かる。以前教会から聞いた話ではなんでも異世界召喚者には言語を自動的の翻訳するような能力があるらしい。さすがファンタジーだな。

 また、翻訳魔法のようなものもあり、この大陸では国が違うからと言って言葉が通じないということは無いらしい。


 とりあえず、パソコン操作の要領でどんどん進めていく。


 どうやらここは軍事研究施設のようだ。なんでも人型戦闘機(マリオネット)という人型兵器の研究施設らしいのだが、

 人型兵器……ガ○ダムとかではないよな。カプセルの大きさを見る限りア○ムみたいな人間大の兵器だろうか。

 さらにこの施設の見取り図があったので、更に進んで行くとこの部屋の俯瞰図が出てきた。その図には計48個のカプセルが描かれているがほぼすべてが『RED』という文字と共に赤く点滅している。ただ一つだけ『GREEN』と書かれて緑色に光っているものがある。

 え、これってもしかしてまだ生きている奴がいるとかか? こ、これって助けた方がいいんだろうか

……放っていくのもあれだし、ここから出るための情報も欲しいし……い、一応確認を――


 さっきの見取り図で唯一生きていると思われるカプセルの前に来た。

 それはいいんだが……どうやって開けるんだ?

 取っ手を引っ張ってみても開かない。カプセルを見ているとモニターが設置されている。十中八九これで開けるんだろう。


 これもさっきの操作パネルと同じようなものだったらしく触れたら起動した。


《起動を確認しました。》


 ……起動しちゃたけど大丈夫だよな。一応情報を手に入れないといけない。何もなければ最悪ここで餓死ということもあり得る。選択肢はないも同然だった。


《MMF-27型汎用人型戦闘機を起動させますか。YES/NO》


 YESっと。


《マスター認証を行います。パネルに手を置いて魔力を流してください。》


 表示された通りに手を置いて魔力を流す。


《魔力登録を確認しました。以降は魔力登録者を主人と設定しますがよろしいですか。YES/NO》


 とりあえずYESっと。


《設定完了しました。以降詳細設定はMMF-27型汎用人型戦闘機との『会話』によって登録してください。》


 か、会話って何? 


《保管容器のロックを解除します》


 ガシュッ! という音と共にカプセルのロックが外れ、少し開く。

 これ開けるんだろうか。……と思っていたら勝手に開いていく。


「え? え?」


 混乱していたら、中から全裸の女の人が出てきた。

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