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僕は狐と出会った。
しかも、それの尻尾は二本もあった!
───なんて事はなかった。
純白だったという訳でもないし、話しかけてくるなんて事もなかった。
ただの普通のごくごく一般的なその辺にいる狐だった。がっかりしている訳ではない。心の内で、けものっ娘になったりしないかなぁ、とか、実は神様でしたみたいオチだったらなぁ、とかなんて考えて無い、断じて。それこそ神に誓って。
僕は羊丘通りという、大きな道を通っていた。そこの歩道に狐はいた。
この周辺には他に猫や栗鼠なんかがいるらしい。猫はたまに見かける。栗鼠は数カ月前に一度だけ見かけた気がする。狐は、初めて見た。
アップダウンの激しい道のりだったため、僕の呼吸は乱れている。休憩を兼ねて、狐のそばに止まって、一つ大きな深呼吸。
狐と向き合った。
この時刻にここにいなかったら、出会うはずの無かったもの。
僕の心は少し興奮していた。
狐はもふもふしていた。
だが、冬でないためか、もっふもふもふでは無かった。結構スマートな部類に入るもふもふだ。
だからといって、可愛くない訳ではなかった。
薄い茶褐色の毛皮を纏い、キュートな耳、円らな眼であらせられた。
かわいい。ああ、かわいい。僕は僕の語彙力の限界をみる。
まあ最近の若いもんはこんなもんか、と一人納得。
狐が後ろを向いた。
からの振り返って上目づかい。
あああああああああ。
失礼、取り乱しました。
全力でもふりたい。
だが、病気やら、寄生虫やら、何だっけあれ、キノコエックス?違うか?まあいい。
そんななんやらをもっていたら困りものだ。
ああくそ滅べその類。
少し悶えた後、そうだ、写真を撮ろう、と思い立った。
逆に何故、狐を見た時にそうしようと思わなかったのかを思ったりもしたが、それは僕のテンションが上がってて、まともじゃなかったんだろう。
携帯を取り出し、写真を撮ろうとした。が、小路へ逃げてしまった。
ああ、待っておくれよ。
僕は狐を追った。
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この時、僕はそのまま家に帰るという選択肢があったのに、狐を追った。
それは、その時の僕の気分でしかなかった。
しかし、この時の僕の行動は、今後の自分に大きな影響を与えることとなる、そのことをこの時の僕は知らなかった。
一応、終わりまで考えていますが、文字に起こしていません。
また、こんな風になって欲しいなどといったものがあり、私に伝えて頂ければ、勿論全てではないですが、参考にさせてもらう事があると思います。
ここからは、ゆっくりな更新になると思います。
読んで頂きありがとうございました。
これからもぜひ、よろしくお願いします。