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落ちる世界  作者: 掃本将大
声を聴いた
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 しばらく自分の城にてゴロゴロしていた。しかし、あまりに喉が水を欲しがったので、リベンジに一階へ下った。ソファには父が寝ていた。母と妹はもうベッドでおやすみしていて、リビングには父一人だった。

 父一人、父一人なのだが、威圧を感じた。

 とりあえず冷蔵庫から牛乳を取り出し、注ぎ、飲んだ。生き返るような心地だった。死んでないが。

 さて、この後は城に帰り、籠城予定だったが…流しの食器が目についた。父が起き出してこれを見たらどうなるだろうか?考えて恐ろしくなる。と、いうことで流しの皿を全て洗った。これで心置きなく籠城できるというものだ。


 さて、歯を磨いて自室へ帰ると日付が変わろうという時間であった。とりあえずソシャゲのスタミナを消費するべくスマホをいじり、そのままなろうの小説を読みふけった。

 それは異世界を冒険している最中のことだった。僕の手からスマホが落ちた。拾おうと手を伸ばすがどうにも力が入らない。なるほど僕は睡魔から攻撃を受けているのだと気づくか気づかないかその時に、僕の意識が瞼共々落ちてった。


 そして翌朝、目が覚めたらもう10時近くだった。なんてもったいない休日の使い方だろう。僕は嘆いた。嘆いたが意味無し。時間が巻き戻ることは無い。本当に残念ながら。


 ご飯を食べるため下に降りるがその前に、ソシャゲのスタミナ消費は忘れない。両親、一番下の妹は買い物へ行ったらしく居なかった。リビングは僕だけだった。とても清々しい。窓から注ぐ太陽が僕の起床を祝福しているように思えた。

 朝食にトーストを食べ、部屋に戻ったがどうしたもんかね。する事が無い。いや、正確にはしたい事が無かった。学生のすべき事は勉強だろうと人はいうが、いやいや、実際進んでやろうと思えない程つまらないモノなんだよ、コレが。

 そういうことで僕はベッドに寝そべり、そのままだらだら、だらだら。お昼の素麺を家族と食べ、まただらだら、だらだら。

 これじゃ流石にまずいと思って、申し訳程度に英単語帳に手を伸ばす。が、やはりつまらない。直ぐ飽きてまただらだら。

 時がたち、だらだら夕飯を食べる。そうだ、自転車パンクしてたんだ。伝えると、「そうか、当分地下鉄で行きなさい」だそうで。食べ終え、食器を洗い、ついでに風呂も洗い、湯を入れる。

 お風呂に入って歯を磨いて、いつの間にか眠る。

 わかっているのに止められないというたちの悪いこの習慣に終止符を打ちたいが、難しい。

 きっとずっとこのままなのかな。なんて救いの無いことを思ってみるが、何処か他人事でだめだ。

 

 こんな感じで僕の休日は過ぎてしまう。

 月曜日の学校が億劫だな…

 

 

 僕は基本的に平日6時半に起きる。学校は行きたくないが、吹っ切れて不登校になるほどの勇気を備えていないのでちゃんと登校している。ちなみに皆勤だ。

 朝起きると大抵活動しているのは父だけで、他の方々は皆夢の中だ。父は朝早く起き、僕の弁当を用意してくれている。とてもありがたく、とてもソレに文句などつけられない。しかし何度か弁当に注文を入れた事はある。反映されていないが。

 朝は互いに頭が回らず、会話は少ない。準備を済ませ、家を出る時、「弁当、水筒持ったか?」「持ったよ」これぐらいだ。 


 本日から当分はイカレタ自転車のため、駅まで徒歩20分、それから地下鉄40分。計1時間かけての登校だ。人が少ない時間のようで、椅子に座り携帯をいじりながら揺られて向かう。


 教室のドアを開けると誰も居ない。毎朝、教室一番乗りとなるくらいに無駄に早く登校している。何人かが居る教室に入るのが億劫で、怖く感じるからだ。8時前に着いたことに変な達成感を感じながら席に着き、伏せ、ダラダラダラ。

 

 

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