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新大東亜戦争  作者: 零戦
99/131

第八十五話 災害

いつの間にかPVが54万もありました……本当にありがとうございますm(__)m




―――午前7時半食堂―――


将斗達が食事をしていると急に放送が流れた。


『ピン〜ポン〜パン〜ポン〜』


「ん?何や?」


「さぁ?」


将斗が笹井に聞くが当の笹井も首を傾げる。


『全乗組員にお知らせ〜。今日は海が強風で時化てるので、今日の練習航空隊の発着艦訓練は無いよ。なので午前9時から格納庫でカラオケ大…ゲフンゲフン…音楽祭を開催するから参加したい人は参加してな〜。ちなみに艦魂達は無条件で参加な〜』


『何ぃぃぃッ!!Σ(゜Д゜)』


放送から流れる翡翠の言葉に食堂にいた艦魂達が驚く。


『それと山口長官にはちゃんと許可取ってるからね。以上。ピン〜ポン〜パン〜ポン〜』


「……まぁガンバ?」


将斗の慰めは食堂を覆った。






―――午前9時格納庫―――


『え〜、これから音楽祭を開催しますッ!!』


瑞鶴整備隊隊長芹沢春香少佐が司会役をしている。


『審査員はこの三人、第二機動艦隊司令長官山口多聞中将、連合艦隊参謀長宇垣纏中将、そして我が撫子新撰組航空隊司令官の椎名将斗中佐ですッ!!』


パチパチパチパチパチッ!!


「…何で俺が此処に…?」


「いいじゃないか将斗君」


「気にしたら負けだな」


山口、宇垣が将斗に声をかける。


『それでは行きましょうッ!!エントリーナンバー1番、近衛翡翠、近衛昴、艦魂の瑞鶴、播磨、榛名で【檄!帝〇〇撃団(改)】ですッ!!』


「ええんか?」


ええんや。


そして歌が始まる。


『走れ〜光速の〜帝国華撃団〜唸れ〜衝撃の〜帝国華撃団〜♪(省略)』


パチパチパチパチパチッ!!


格納庫に来ていた女性乗組員達が拍手する。


ちなみに乗組員達の大半(女性)は艦魂が見えていた。


ある者は将斗達と同じで姿が見えたり、ある者は姿は見えないが声が聞こえる。ある者は姿や声は聞こえないが気配がある。


何故かは判らないがやはり同じ女性どうしなので波長が合うのだろう。


話しがそれた。


『ありがとうございました。いや〜やはり翡翠さん達は歌が上手いですね』


『まぁカラオケは好きやしね』


春香の言葉に翡翠が答える。


『本当にありがとうございました。次はエントリーナンバー二番艦魂の金剛、榛名姉妹で【ETERNAL〇LAZE】です』


そして歌が始まる。



時空(とき)を越え刻まれた〜悲しみの記憶〜♪』


パチパチパチパチパチッ!!


「フェ〇トは金剛でな〇は榛名できたな……」


何故か真剣に呟く将斗。


「は〇て役は無かったのか」


宇垣が苦笑する。


と、このように何やこんやで30分が経った時、事件は起きた。


『さぁ音楽祭もいよいよ終盤を迎えましたッ!!次はエントリーナンバー十八番、艦魂瑞鶴でJup〇terですッ!!』


瑞鶴がさぁ歌おうとした時だった。


ビュウゥゥゥゥゥンッ!!


グラグラグラグラッ!!


バキイィッ!!ヒュウゥゥ……ガシャアァァーーンッ!!


今まで類もみない強烈な強風に空母瑞鶴の艦体が揺れて、艦橋に搭載されていた対空電探が海に落下した。


『グワアァァァァァーーーッ!!!』


空母瑞鶴の艦魂である瑞鶴が悲鳴を上げた。


将斗がステージを見ると、うずくまった瑞鶴の顔の周りから赤い液体である血が流れていた。


「瑞鶴ゥゥゥーーーッ!!!」


将斗が瑞鶴に駆け寄り、瑞鶴の身体を抱き抱える。


「しっかりするんや瑞鶴ッ!!」


「…グゥ……」


将斗が瑞鶴の顔を見ると目から血が出ていた。


「山口長官大変ですッ!!」


第二機動艦隊参謀長の城島少将が格納庫に飛び込んできた。


「どうした城島ッ!!」


「は、今の強風により艦橋上部に搭載していた対空電探が根本から折れ、そのまま海に落下しましたッ!!幸いにも死者はいませんッ!!ですが……」


城島は将斗を見た。


城島は艦魂は見えないが艦が損傷するということは艦魂である瑞鶴も……。


「明石は何処やァァァーーーッ!!!」


将斗が吠えた。


「ここにいるぞォォォーーーッ!!」


ステージの脇から明石が上ってきて瑞鶴を診る。


「……う〜ん、早く修理をしたら両目失明はならないと思いますが若干視力が下がるかもしれませんね」


明石が診察結果を将斗に言う。


「こんなに血が出てるのにか?」


「はい。瑞鶴さん、目は見えますか?もし見えるならこの数字は何ですか?」


明石が三の数字を作る。


「…あぁ…三だ…」


「さっき瑞鶴さんから目が痒いと言っていて、少し涙目でした。恐らく、それが対空電探が折れる前兆だったのでしょう」


将斗達はさっきまで瑞鶴が目を擦ってたのを思いだした。


「一応、目を包帯で巻いときますね。それと山口長官、早く修理した方がいいですよ。手遅れになると本当に両目失明になるかもしれません」


「分かった」


その後、まだ瑞鶴のボイラーにはまだ火があったために急いで機関を始動して呉工廠に入った。


山口がまだ修理箇所があるかもしれないと念のためにドック入りを許可したのだ。


「大丈夫か瑞鶴?」


「あぁ。だが、将斗の服が……」


今、瑞鶴と将斗は瑞鶴の部屋にいた。


あの後、将斗は瑞鶴をおんぶして運んだのだ。


「ん?あぁ血付いてるけど洗えば落ちるわ」


瑞鶴をおんぶした際に、瑞鶴の目から流れる血が将斗の服の背中を汚していた。


「だが……」


「気にするなって。困った時はお互い様やで」


将斗が瑞鶴を己の胸の中に引き寄せる。


「あ……//////」


瑞鶴は目を包帯で巻かれているため、将斗の顔は見えないが、自分の顔は真っ赤だと思った。


実際そうやけど……。


その後の調査で、瑞鶴に対空電探を搭載した際に工員が手抜き工事をした事が発覚。


工事をした工員は軍法会議に掛けられて、懲役十五年で執行猶予五年が言い渡された。


この事故により、幸運艦の名も無くなると思われたが、「一発も被弾もしていないし、事故の際も飛行甲板側に落ちていないので幸運艦であるべきだ」の声も上がり、結局は幸運艦の名は無くならなかった。


御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

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