第八十四話 目覚めのコスプレ
イルクーツク会戦から一週間後の5月25日、相変わらずの日本は平和だった。
―――午前7時空母瑞鶴―――
「……あ…か…た…」
何やら将斗の部屋の前で四人の女性がいた。
「おい、播磨。本当にやる気か?」
「何を言っているんだ瑞鶴。おちおちしてたら将斗殿は気づかないんだ。こうなれば当たって砕けろだ」
「なはは〜。私も最近私も出番無いからね〜」
「それは作者に言って下さいよ肥前さん」
「てか何故は私がここにいるのよ?」
「神鶴は暇そうやったからね」
四人は瑞鶴、肥前、播磨、神鶴だった。
そして何故か四人は『裸エプロン』だった。(ここ重要やでッ!!)
「しかし、何故裸エプロンなんだ?別にナース服やチャイナ服でもいいのでは?」
瑞鶴が播磨に聞く。
「何言ってるんだ瑞鶴。ナース服やチャイナ服は既に新米士官先生のマリーダがやってるんだ。ならば、それと違う服を着るのが常識だ」
「「「(常識なのか?)」」」
播磨の言葉に三人は心の中でツッコミをいれる。
「では行くぞ」
播磨の言葉に三人は頷く。
カチャッ
「お邪魔します……」
播磨が小さめに呟く。
「邪魔すんなら帰ってや〜」
「はい〜……て何をやらしてるだ瑞鶴ッ!!」
「すまぬ。つい……」
「ついですんだら警察はいらんぞ?」
「いやゴメンだからね」
肥前がいろんな意味で播磨にツッコミを入れる。
「気づかれるわよ」
神鶴の言葉に三人は口を閉じる。
「……くかー……」
幸いにも将斗は気づいていなかった。
「……大丈夫のようだな。それじゃ起こすか」
瑞鶴の言葉に四人は寝ている将斗に近づく。
「(相変わらずのいい寝顔だな)」
「(わ〜、将斗君の寝顔可愛い〜♪『肥前視点で』)」
「(将斗殿の寝顔……(〃д〃))」
「(……何故こんなにも凛々しいと思うのかしら?)」
上から瑞鶴、肥前、播磨、神鶴である。
「それじゃ……」
四人が布団を剥がそうとした時、何かモゾッと動いた。
『???』
四人がゆっくりと布団をめくるとバスタオルを羽織った女性が二人いた。しかもバスタオル以外は裸。(笑)
「か、香恵ッ!!それに琥珀までッ!!」
瑞鶴が思わず叫んだ。
将斗の布団の中にいたのは空母瑞鶴制空隊員の土方香恵中尉と原田琥珀中尉だった。(二人とも昇級した)
「…んぅ…何だ?瑞鶴か…」
「何だ瑞鶴ではないぞ香恵ッ!!何で此処にいるんだッ!!」
「ん〜?そりゃあ将斗を起こしにきたんだが……つい添い寝を……」
「後で私がやろうとしてたのに……」
播磨が悔しげに拳を握りしめる。
「ぅ〜ん。騒がしいで……」
とりあえず将斗が起きた。
「ぁ〜……てお前らその格好はなんやねんッ!!!Σ(゜Д゜)」
『だって、翡翠がこの格好したら将斗は落ちるって……何?』
裸エプロンした四人と裸バスタオル(そのまんまやん)の二人が見合わせる。
『……………犯人は翡翠…か?』
六人が同時に言う。
「……そうか、翡翠か……」
将斗の低い声が部屋に響き渡る。
『……………』
何故か黙る六人。
「ひぃぃぃすぅぅぅいぃぃぃーーーッ!!!」
将斗の怒号が瑞鶴艦内に響き渡る。
「呼んだー?」
『うぉおおッ!!Σ(゜Д゜)』
いつの間にか将斗のベッドに翡翠がいた。
「び…びくった〜って翡翠ッ!!」
「何ぃな将斗?六人の服装マジよかったでしょ?」
将斗は翡翠の手を握った。
「マジでよかったッ!!!」
『ええんかいッ!!』
六人がツッコミを入れる。
「まぁ将斗も起きた事やし食堂行こうや」
翡翠の言葉に一同は頷き、部屋を出た。
グラグラッ
「今日はやけに揺れるな」
「今朝から強風で時化てるからね」
肥前が将斗に説明する。
ふと将斗が瑞鶴を見ると瑞鶴は左目を擦っていた。
「どうした瑞鶴?」
「ん?いや、さっきから両目が痒くてな」
「ノミでもいるのか?」
「それは全力でやめてくれ」
だが、瑞鶴の目の痒みは止まる事はなく、仕方なく後で工作艦の明石を呼ぶ事にして一同は食堂に向かった。
……はい、日常編でした。
次回は瑞鶴の身に何か起きます。
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