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新大東亜戦争  作者: 零戦
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第八十三話 イルクーツクヲ防衛セヨ前編

『注意』


砲撃音等の擬音が多いので、それが嫌な人は戻るをして下さい。




―――イルクーツク防衛司令部―――


「今村長官。防衛準備完了しました」


「ご苦労」


報告してきた部下をロシア方面軍総司令長官の今村均大将が労う。


「ウランウデにいる第五航空艦隊はどうした?」


「は、現在全機発進準備が完了。敵が来たらすぐに飛び立てるようです」


ウランウデには吉良俊一中将率いる第五航空艦隊がいた。


ちなみに吉良俊一は山口多聞や宇垣纏達とは同期である。


「だが、相手は連合軍だ。もう一個航空艦隊が必要だな」


この時、日本軍は六個の航空艦隊があった。


大西中将の第一航空艦隊はインド。


多田武雄中将の第二航空艦隊はオアフ島。


福留中将の第三航空艦隊は日本。


草鹿任一中将の第四航空艦隊はセイロン島。


編成中の松永貞市中将の第六航空艦隊は日本。


とこのようになっていた。


全航空艦隊は千機以上を保持している。


理由としては、ソロモンの消耗戦に参加していない。


また陸軍航空隊が海軍航空隊に編入された。


さらに、満州には日本軍が主体とする満州国航空隊がいたが、これも日本人全員を海軍航空隊に編入した。


等の理由によるものだ。


また、翔鶴型に女子航空隊員がいるように他の部隊にも女子航空隊員達がいるが、上層部は「万が一、捕虜になったら凌辱される恐れ(ソ連の満州侵攻時)があるので女子航空隊員は一部を除いて、本土防空隊に編入する」と決定しており、戦隊長や司令官を除く、本土防空隊は女子航空隊員で九割を占めている。


なので本土防空隊に所属していた男子搭乗員達は戦線に送られるので千機以上の保持をしているのである。


話しがそれた。


「今回の防衛戦のカギは航空機と戦車だッ!!決して弱音を吐くなよ?」


今村の言葉に司令部にいた将兵達は苦笑してしまう。


その時だった。


「敵連合陸軍接近ッ!!」


伝令の兵士が慌てながら司令部に駆け込んで来た。


「来たか。総員戦闘配置につけッ!!」


今村は椅子から立ち上がって指示を飛ばした。




―――連合陸軍―――


「フッフッフ。ヤポンスキーめ、このロシアから追い出してくれるわ」


そう呟くのは連合陸軍攻撃隊司令官パドフ大将である。(ジューコフ達は後方のアンガルスクにいた)


彼は元々ソ連軍の指揮官の一人であったがジューコフ達同様にロシア軍の将校になったのである。


「全軍突撃せよッ!!」


ゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!


戦車隊を先頭にして連合陸軍は突撃を開始した。




―――イルクーツク司令部―――


「連合陸軍、こちらに向かってきますッ!!」


「右山砲撃開始ッ!!」




―――右山司令官河辺虎四郎中将―――


「砲撃開始ッ!!」


「撃ェェェーーーッ!!」


ズズウゥゥーンッ!!


ドドォォーーンッ!!


右山に備えられていた野砲、重砲、対戦車砲が一斉に砲撃を始めた。




――地図――


    連合陸軍

     ↓↓




   |    |

 左山|    |右山

   |    |

   |    |





イルクーツク





となっている。


話しがそれた。




―――連合陸軍―――


ヒュルルルル……ズズゥゥンッ!!ドガァァァンッ!!


右山から放たれた砲弾は次々とイルクーツクに進撃していた連合陸軍に降り注いだ。


「側面攻撃だッ!!」


「あそこから撃ってきてるぞッ!!」


「進めェェェッ!!まずはあの要塞から血まつりだッ!!」


戦車隊は次々と右山に向かって進撃を始めた。




―――連合陸軍司令部―――


「何をしているッ!!攻撃目標は正面のイルクーツクのはずだぞッ!!」


パドフ大将が怒鳴り散らす。


「しかし、司令官。左右の側面要塞を放置しておく訳にはいけませんッ!!また、敵にいつ何時挟撃されるか分かりませんッ!!」


参謀長の言葉にパドフは反論出来なかった。


確かに参謀長の言う通りなのだ。


「……よし、分かった。側面攻撃に切り替える。第一目標は右の山の要塞だッ!!」


ズドォォンッ!!


ドドォォンッ!!


重砲、戦車砲、野砲といった砲弾が右山に降り注ぐ。




―――右山司令部―――


ヒュルルルル……ズドドドッ!!ドドォォンッ!!


『………………』


要塞が揺れる中、中にいる将兵は誰一人喋ろうとはしない。


しかし、士官の一人が遂に口を開いた。


「か、河辺中将ッ!!我々はいつまで我慢すればよいのですかッ?!反撃を開始させて下さいッ!!」


河辺中将は皆が聞こえるような大声で叫んだ。


「まだだッ!!」


『ーーーッ!!』


司令部にいた将兵は息を飲んだ。


「敵が側面の要塞に本気になるまで決して応戦してはならんッ!!我々は弱いと見せかけておく必要があるのだッ!!」


『ーーーッ!!』


将兵は河辺中将から発せられる気迫に何も言えなかった。




―――イルクーツク司令部―――


「まだだ」


今村が静かに言い放つ。


「まだ早い。……もっと引き付けるのだ」


今村は双眼鏡で敵戦車隊を見つめる。


ヒュルルルル……ズズウゥゥーンッ!!ドドォォーーンッ!!


右山に砲撃が集中する。


だが、まだ今村は命令を出さない。


その間にも砲弾が右山に降り注いでいる。




その時だった。


今村は叫んだ。


「今だァァァッ!!反撃開始ィィィーーーッ!!!」




―――右山司令部―――


「イルクーツク司令部より反撃開始の電文がッ!!」


「よし、全門開けッ!!応戦開始だァァァーーーッ!!!」


「撃ち方始めッ!!」


ズドォォンッ!!


ズズゥゥンッ!!


右山の野砲、重砲が一斉に反撃を開始した。



次回後編。


御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

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