第八十話 英海軍の復活
―――3月18日イギリス領オークニー諸島スカパフロー―――
「ん〜壮観壮観♪」
スカパフローに停泊している一隻の戦艦の防空指揮所で英海軍の士官服を着た少女が停泊している獰猛達を見て満足そうに見渡している。
「姉さん。ここにいたのですか」
そこへ眼鏡を掛け、ポニーテールの少女が転移してきた。
「あ、ネルソンどうしたの?」
「先程、ヴァンガードさん達の艦隊が到着したのわ。姉さんは挨拶に行ってね」
「ぶぅ〜。めんどくさい〜(´Д`)。ネルソンが代わりに行ってきてよ」
少女が頬を膨らまして拗ねる。
「阿保なこと言わないのよ姉さん。姉さんは英海軍の旗艦なんだから」
「だって〜ヴァンガードさん厳しいんだもん」
「それはあの人の性分です」
ネルソンが擦れた眼鏡を直す。
「ですから早く行って下さい。てか行けや」
「ネルソンッ?!Σ(゜Д゜)言葉使い悪いよッ?!」
「……早く行って下さい」
ネルソンはスルーした。
「スルーしたΣ(゜Д゜)」
そこへ誰かが転移してきた。
「何だ、ここにいたのかトラファルガー」
「ゲッ!!!Σ( ̄▽ ̄;)ヴァンガードさんッ!!」
少女―――トラファルガーは慌てて転移してきた英戦艦の艦魂ヴァンガードに敬礼をした。
「ほほぅ……トラファルガーよ。ゲッとは何だ?まさか私に会うのが嫌だったのか?」
「いえ、それはありませんッ!!」
「正直に言えば怒らないぞ?」
「怒らないですよね?なら思いっきり嫌ですッ!!」
トラファルガーが正直に言うとヴァンガードはゆっくりと腰に据えているサーベルを抜いた。
「あ、あのぅ……ヴァンガードさん?何故、サーベルを抜いて構えてるのですか?お、怒らないのでは?」
よく見ると肩がプルプルと震えている。
「あぁ……怒っていないさ……今、新しい技を披露しようじゃないか。お前を使ってなッ!!」
そしてヴァンガードはトラファルガーに襲い掛かった。
「ギャアァァァァァァッ!!Σ(゜Д゜)お、怒らないって言ったじゃないですかァァァーーーッ!!!」
「だから怒ってないぞォォォーーーッ!!ただ私の技で死ねェェェェェーーーッ!!!」
そこから真剣リアル鬼ごっこが始まった。
―――1時間後―――
「………」
「……全く…」
追い回されたトラファルガーは自艦の予備会議室の机にどっぷりと浸かっていた。
「……死ぬかと思いましたよ……」
「いらんことを言うからだ」
「そうですよ」
ネルソンがヴァンガードの言葉に肯定する。
「ネルソンが裏切った……」
「いや当たり前のことですよ姉さん」
「ネルソンは厳しいよぅ……」
オヨヨとトラファルガーは泣く。
「泣きまねはいいですから」
「チッ」
「何舌打ちをしとるんだ」
ヴァンガードがツッコミを入れる。
「まぁそれはさておき、ヴァンガードさん演習ご苦労様でした」
いきなり真顔になるトラファルガー。
そんなトラファルガーにヴァンガードは苦笑する。
「何、当然の事をしたまでだ」
「……ですが姉さん。我がロイヤル・ネイビーの練度は最悪の状況です」
「むぅ……やはりインド洋大海戦の敗戦が響いているな」
ヴァンガードが唸る。
「それはアメリカやドイツも同じですよヴァンガードさん。……報告書を見ると目を疑うのも無理はないです。史実の第一機動艦隊並の練度です」
「姉さん。第一機動艦隊とは?」
「何か電波を感じたから」
「………ハァ」
ヴァンガードはトラファルガーの言葉に溜息をつく。
「ところで空母部隊の編成は?」
トラファルガーがネルソンに問う。
「現在、インプラカブル級とオーディシャス級の合わせて六隻が竣工して航空隊の編成中です。また軽空母としてコロッサス級が五隻が竣工。編成途中です。なので本格的な機動部隊の復活は来年になると思います」
「戦艦部隊も同じ状況だ」
ネルソンの報告が終わり、次にヴァンガードが発言する。
「現在、ライオン級が二隻、ヴァンガードの私が一隻、そしてトラファルガー級が二隻の合わせて五隻しかいない」
「まぁ我が英国の工業力はこのくらいが限界ですからね。無いよりかはマシですよ」
「まぁな」
「……ですがそこからプラス戦艦が六隻、巡洋戦艦二隻が竣工と改装しています」
ヴァンガードは目をカッと見開く。
「どういうことだネルソン?」
ネルソンがニヤリッと笑う。
「ソ連から押収した戦艦部隊です」
「そうかッ!!それがあったなッ!!……だが、旧式戦艦のガングートとセバストーポリがあったがあれは旧式だから艦隊戦では約にたたんだろう?」
「はい、ですので近代化改装をして機動部隊を護衛する防空戦艦として再就役します」
「成る程。では残りの艦は?」
「四隻の戦艦はソビエツキー・ソユーズ級です。二隻の巡洋戦艦はクロンシュタットとセヴァストポリです。連合軍がレニングラードを占領した時、オルジョニキーゼ工廠で放置されていたので我がロイヤル・ネイビーとドイツ海軍で半分ずつ押収したのでそろそろ竣工します」
「それは願ってもない戦力だな」
「そうですね。では会議はここまでッ!!さぁて昼寝でもしようかな」
「……待て」
トラファルガーは勝手に会議を閉会させ、こそこそ逃げようとするが、ヴァンガードに見つかる。
「お前はこれからやることがある書類があるのだが……」
「それはまた今度ってことでさいならッ!!」
ピューとトラファルガーが逃げた。
「待たんかァァァァァァーーーッ!!!貴様の頭を修正してやるゥゥゥーーーッ!!」
ヴァンガードがサーベルを抜いてトラファルガーを追い掛ける。
「ゲッ!!Σ(゜Д゜)逃げようっと。ちなみに修正は作者でェェェーーーッ!!!」
Σ( ̄▽ ̄;)俺かよッ!!
「二人ともだッ!!」
『嘘ッ!!Σ(゜Д゜)』
そして何故かトラファルガー+作者対ヴァンガードのリアル鬼ごっこが始まった。(笑)
「……こいつら早くなんとかしないと……」
ネルソンの呟きは誰にも聞こえなかった。
トラファルガーは英戦艦の中で付けてみたかった名です。
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