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新大東亜戦争  作者: 零戦
89/131

第七十六話 椎名将斗の一日その二




―――土佐湾沖合13:00―――


別府湾を出航した第二機動艦隊は土佐湾の沖合演習を開始した。




―――空母瑞鶴艦橋―――


「長官。時間です」


角田の代わりに参謀長に就任した城島高次少将が山口多聞に告げる。


「うむ、演習開始だ」


そして瑞鶴から演習開始の発光信号が全艦に向けて伝えられた。


「さぁて行くか」


将斗が蒼零の操縦席で呟く。


蒼零は整備員達によって前部飛行甲板にまで押されている。


そしてイナーシャが回され、将斗はコンタクトした。


将斗はそのままフルスロットルする。


その瞬間、機体は猛烈な勢いで前方に投げ出された。


バアァンッ!!


将斗は搭乗員の本能で操縦桿を正位置にして引く。


蒼零は発艦直後の弱い状態を通り越して、空高く舞い上がった。


将斗が背後を見ると瑞鶴に搭載した空母用油圧カタパルト二基がフル活動をして瑞鶴の搭載を打ち出していた。


「流石油圧カタパルトやな」


『そうやな』


将斗の呟きを蒼零が返す。


選ばれた航空機が上空に集合にするのに30分かかった。




―――演習攻撃隊―――


制空隊隊長椎名将斗中佐。


制空隊百八十機。


艦爆隊隊長江草隆繁中佐。


艦爆隊百八十機。


艦攻隊隊長村田重治中佐。


艦攻隊百八十機。


五百四十機の演習攻撃隊は土佐湾沖合から南下。


そして30分を過ぎたら反転してまた30分かけて第二機動艦隊がいる土佐湾沖合に向かう……これが演習攻撃隊の飛行計画である。




―――1時間後―――


「お、いるいる♪」


将斗は口がにやけるのを感じた。


第二機動艦隊の上空迎撃機には百八十機の戦闘機がいた。


「制空隊につぐッ!!全機突撃やッ!!」


将斗は列機に告げるとスロットルを最大にして、迎撃隊に向かって突撃した。




―――村田機―――


「嶋崎隊は左から、残りは全機俺に続けッ!!」


村田は百八十機ある艦攻隊を半分に分けて突撃を開始した。




―――空母瑞鶴―――


「敵攻撃隊、迎撃網を突破ッ!!」


「全艦対空砲火開けッ!!弾幕射撃開始だッ!!敵機を近づけさせるなッ!!」


見張り員の報告を聞き、第二機動艦隊司令長官の山口多聞中将は対空射撃を許可した。


ドンドンドンドンッ!!


ドドドドドドドドッ!!


全艦艇の高角砲と機関銃が火を噴く。


ペイント弾を使用しているのに凄い砲火である。




―――機銃員達―――


「左舷から来るぞッ!!」


「弾ないぞッ!!弾持ってこいッ!!」


「弾運びッ!!弾ァァァッ!!」


「あっぞッ!!弾持って来たぞッ!!」


「おぉッ!!内田ご苦労じゃッ!!」




―――高角砲員達―――


「弾落とすなよッ!!」


「西ッ!!しっかり持てッ!!」


「はいッ!!」


「敵機来るぞッ!!」


「西ッ!!急げッ!!」


「はいッ!!」


各艦の機銃員達や高角砲員達は大忙しである。




――村田機―――


「狙うは旗艦だッ!!」


村田の中隊が瑞鶴を狙って迫ってくる。


「村田の奴め……」


防空指揮所で瑞鶴が村田中隊を斬りつけようとした時、見張り員の怒号が防空指揮所に響いた。


「敵ィィィッ!!急降下ァァァッ!!直上ォォォーーーッ!!!」


「しまったッ!!」


瑞鶴が上空に仰ぐと江草が率いる百八十機の艦爆隊が一斉に急降下を開始した。




―――江草機―――


「狙うは旗艦が妥当だな」


『……うん』


急降下をする流星の機内で江草の呟きをクゥが答える。


そして江草機は高度五百で操縦桿を引いて上昇する。


列機も続く。


「う〜ん、瑞鶴に爆弾五発だな」




―――村田機―――


「よくやったぞ江草ッ!!」


村田が機内ではしゃぐ。


「今だッ!!魚雷撃ェェェーーーッ!!」


ヒュウゥゥ……ザバァーンッ!!


村田に続いて列機が模擬魚雷を投下して離脱する。


「取り舵一杯ッ!!」


新任の桜田大佐が必死に回避するが、六本の模擬魚雷が艦底を潜った。


「爆弾五発、魚雷六発命中。……大破航行不能だな」


瑞鶴がため息をついたその時である。


「敵機一機突っ込んでくるッ!!」


瑞鶴を上空を見ると蒼零が急降下してた。




―――将斗機―――


『容赦ないな将斗』


「はて?何の事やら……」


蒼零のジト目を何も効かない将斗は五百で操縦桿を引いて上昇をした。


「瑞鶴沈没♪」




こうして演習は終了した。


第二機動艦隊の被害はというと。


沈没 空母瑞鶴、瑞穂、飛龍、蒼鶴、戦艦榛名、重巡青葉、駆逐艦八隻。


損傷 空母四隻、戦艦二隻、重巡二隻、軽巡二隻、駆逐艦九隻だった。


迎撃隊六十七機損失。



攻撃隊


戦闘機五十九機、艦爆隊七十四機、艦攻隊九十七機損失。




―――空母瑞鶴―――


「将斗め……止めを刺さなくてもいいだろう」


「あれは悪かったてッ!!ごめんて瑞鶴ッ!!」


あれから将斗は瑞鶴の部屋で瑞鶴に謝っていた。


将斗のあの攻撃で少し拗ねているのだ。


瑞鶴の部屋はあまり殺風景である。


寝るところのベッド、机と椅子、替えの士官服が入ってる箪笥、後はシャワーとかトイレしかない。


ちなみに、翡翠の部屋は箪笥の中はコスプレ、本棚は漫画ばっかりである。


(時代あきらかにちゃうやん( ̄▽ ̄;))



話しがそれた。



「なぁ瑞鶴。ええ加減に機嫌治してや」


将斗がこのとーりと瑞鶴に拝む。


「むぅ…分かった。ただし、一つお願いがある」


「何や?」


「……ギュッて抱きしめて(上目遣い)」


「Σ( ̄▽ ̄;)……分かった」


将斗が後ろから瑞鶴を抱きしめる。……ケッ!!


「これでええんか?」


「……うん」


ラブラブ全開の二人(ちなみにまだ将斗は告白していない。ここ重要やでッ!!by作者)


「フフフ。ネタいただき♪」


扉の前で吾妻が中の様子を伺っている。


「将斗は暖かいな」


「そうか?今日の晩飯はシチューやったからちゃう?」


「そういうのをでりかしぃがないと翡翠が言っていたぞ」


「なんでやねん」


「フフフ……(いい出来ね)」


吾妻はメモをしてる。


こうして将斗の一日が終わった。




―――翌朝、瑞鶴の部屋―――


「ふみゅぅ………」


瑞鶴が寝ていると姉の翔鶴がやってきた。


「ちょっと瑞鶴ッ!!」


やたらと怒っている。


「うにゅぅ……どうした姉上?」


若干寝ぼけてる瑞鶴。


「今日の艦魂新聞見てみなさいよ」


翔鶴が手に持ってた新聞を瑞鶴に渡す。


「えぇと何々………………………なんじゃこりゃあァァァーーーッ!!!」


瑞鶴の叫び声が艦内に響いた。


『瑞鶴ッ!!』


そこへ三笠達が転移してきた。


「瑞鶴ッ!!この記事の内容はどうゆう事だッ!!」


一応年長者の三笠が殺気を出しながら尋ねる。


「いや…これは…その…」


「将斗と抱き合っていただとッ!!」


「あたしは別に将斗に抱いてほしいだなんて思っていないからねッ!!本当よッ!!」


榛名と飛龍が言う。


「いやだから誤解だッ!!」


「嘘つけッ!!瑞鶴ッ!!今日という今日は許さんッ!!者どもこいつをやるぞッ!!」


『オオオォォォーーーッ!!!』


三笠の言葉に翔鶴以外の全員が瑞鶴に襲い掛かる。


「ちょ、ちょっとそこ触るなッ!!……ってやめろォォォーーーッ!!!」


瑞鶴の悲鳴を聞きつつ、翔鶴はため息をつく。


「将斗君も無事だといいけど……」


翔鶴は艦魂新聞に目を移す。


一面を飾っていたのは瑞鶴と瑞鶴を後ろから抱きしめている将斗の写真だった。


そして、その文章がこれだ。


『将斗×瑞鶴、結婚の秒読み近い?てゆーか夫婦じゃねぇ?おめでとう♪by吾妻』




その日、瑞鶴と将斗を見る者はいなかった。


その次の日、二人が瑞鶴の格納庫でボロボロの状態で放置されているのが見つかった。


二人は揃って『三笠コワイ金剛コワイ榛名コワイ翡翠コワイ昴コワイ飛龍コワイ………』と言っていた。(笑)


え〜予告ですが次回はバレンタインの話しです。


「それは当日にしろよ」という人がいると思いますが執筆が間に合わなかったのです……(-.-;)

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