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新大東亜戦争  作者: 零戦
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第六十七話 超空ノ要塞ヲ撃破セヨ前編

短めです。



それは一機の彩雲からの電文から始まった。


『超大型ノ四発爆撃機ガ、敵デリー航空基地ニ三十機余リガ出撃シ、ボンベイ方面ニ侵攻中ナリ』


この電文をボンベイにいたデリー攻略部隊司令官の本間雅晴中将は即座に思い当たったのがB―29だった。


彩雲からの報告は途絶えたが、本間中将は直ちに警戒警報を発令。


同時に大本営にも緊急電として報告した。


その三十分後に、空襲警報が鳴り響いた。


局地戦闘機の雷電十八機が発進していく。


しかし、敵が侵入した高度は一万メートルだった。


ヒュルルルルルッと一トン爆弾が開いた爆弾倉から地上に向かって落ちていく。


ズズウゥゥゥーーンッ!!


ズズウゥゥゥーーンッ!!


空襲は三十分で終わったが、防空壕から出てきた兵士達はア然とした。


先程まで、デリー攻略用として整備されていた新型の三式戦車や、野砲、重砲は全て消し飛んでいたのだ。


本間中将は慌てて大本営に追加電を入れた。


敵爆撃機の迎撃は散々だった。


雷電隊は排気タービンを装備していないので一万メートルまで上がるのが一苦労した。


大半の雷電は振り切られたが、二機の雷電はどうにか敵爆撃機の上空を取った。


雷電二機は急降下を開始する。


空気が薄いため、降下するよりも落下という感じである。


傾いた主翼の浮力が失われ、雷電二機は、滑るように高度を落とす。


二機は最後尾にいた爆撃機に狙いを定める。


照準器の中で敵四発爆撃機が膨れあがる。


照準機のスコープから主翼の両端がはみ出した。


狙うは主翼の胴体への付け根。


どんな航空機でも、ここが急所である。


二人の搭乗員は満を持して機銃発射レバーを握り締めた。


ドドドドドドドッ!!


両翼に備えられた二十五ミリ、二十ミリ機銃が火を放つ。


赤い炎の尾を曳く曳光弾が敵爆撃機の左主翼付け根に吸い込まれた――はずだった。


「馬鹿なッ!!」


一瞬にして雷電の二人の搭乗員は、自分達のミスを悟った。


目前の敵爆撃機は二人の搭乗員の予想以上に大きかったのだ。


二機が放った機銃弾は敵爆撃機に到達する前に、自らの重さに負け、カクンとお辞儀してしまった。


二機の雷電はそのまま八千まで降下。


敵爆撃機は悠々とデリー方面に帰還していった。


大本営は直ちに追加の戦車や野砲の輸送を決めたが、一ヶ月以上はかかるため、他方面から戦車を転進する事になったが、ここで海軍が横槍を入れた。


「なら、我が海軍の大型輸送飛行艇蒼空を送りましょう」


この一言に陸軍は感謝の喜びでいっぱいだった。


史実では試作のみで終わった蒼空だが、この世界では百機以上が活動していた。




―――四式大型輸送飛行艇蒼空二一型―――


発動機 三菱火星四二型二○○○馬力×六。


最大速度四百五十キロ。


航続距離四千五百キロ。


武装二十ミリ旋回機銃×一、十二.七ミリ旋回機銃×三。


搭載貨物最大十トン。



流石に戦車は搭載できないが、野砲や重砲は充分に搭載できる。


第一陣の三十六機はシンガポールを出撃して一路、ボンベイに向かった。


また、内地から高速輸送船団が海上護衛隊の護衛の元、シンガポールを目指した。


さらに、この時第三機動艦隊と交代でシンガポールに来た第二機動艦隊もセイロン島に進出し、シアトルの工場を爆撃するため、オアフ島に駐留している第一機動艦隊にもシアトル爆撃を命令した。



御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

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