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新大東亜戦争  作者: 零戦
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第六話 真珠湾奇襲攻撃後編

航空機紹介 零式艦上戦闘機二十一型 航続距離三千六百二キロ(落下式燃料タンクも積んでいる場合) 武装 機首に十二.七ミリ機銃×二 主翼二十ミリ機銃×二 六十キロ爆弾×二 最大速度五百三十三キロ 九九式艦上爆撃機二二型 最大速度四百六十五キロ 航続距離千九百キロ 武装 機首七.七ミリ機銃×二 十二.七ミリ旋回機銃×一 二百五十キロ爆弾×一 六十キロ爆弾×二 九七式艦上攻撃機二二型 最大速度四百五十五キロ 航続距離二千二百キロ 武装 機首七.七ミリ機銃×二 十二.七ミリ機銃×一 八百六十五キロ航空魚雷×一 八百キロ爆弾×一 二百五十キロ爆弾×四 六十キロ爆弾×六

関衛少佐はト連送を打電すると操縦桿を倒して、急降下に入った。目標は炎上してるテネシー型の戦艦だ。


「高度八百…七百…六百…五百…」


「撃ぇーー!」


ヒュゥゥゥーーーン。

ドカァァァァーーーン!!!


二百五十キロ爆弾は見事に艦橋直下に命中した。


「よぉーし!他の中隊はどうだ?」


関が後ろの偵察員に声をかける。


「他の中隊も爆撃には成功してるみたいです」


関も下の戦艦群見ると次々に命中の証の閃光が見える。


「よし、帰還だ。攻撃を終えた機は直ちに帰還せよ」


関が航空無線電話で列機に指示を送る。関自身も翼を翻して帰還していった。


第二次攻撃隊が帰還して、十八分後再び真珠湾に多数の航空機が押し寄せた。第三次攻撃隊である。この米軍は救助活動を始めており、それが原因でさらなる犠牲者を生むことになったのである。


―――攻撃隊総隊長嶋崎重和少佐機―――


「全機突撃せよ!狙うは敵軍事施設だ!」


嶋崎機からト連送が打電され、水平爆撃隊は軍事施設に狙いを定めた。水平爆撃隊は六番六十キロ爆弾六発で投下する。


「投下用意!…ヨーソロー…。撃ぇーーー!」


ヒュゥゥゥーーーン。

ドカァァァァーーーン!

ドカァァァァーーーン! ドカァァァァーーーン!


爆弾は軍事施設に命中し

紅蓮の炎を上げた。


「よーし!命中だ!」


「やりましたね隊長!」


後部座席の部下が声をかける。


「あぁ、所で他の部隊はどうした?」


「水平爆撃隊はあらかた爆撃終了してます。艦爆隊は燃料タンクを攻撃中です」


部下が嶋崎の問いに答える。


「そうか。燃料タンクを破壊したら真珠湾もほぼ終わりだな」


嶋崎はそう呟くと列機を率いて帰投していった。


―――艦爆隊隊長江草隆繁少佐機―――


「狙いは敵燃料タンクだ!外すなよ」


江草は列機に指示を送ると操縦桿を倒して急降下に移った。突入角度は六十度弱である。だんだんと目標のタンクが見えてくる。その瞬間投下レバーを引いた。


「撃ぇーー!」


江草は操縦桿を引き寄せた。

グゥイーン…。

もの凄いGが掛かり、気が遠くなりそうなのを必死でこらえて愛機を上昇させる。が上昇し切らないうちに、

ズカァーーーーン!

と炸裂音が響き、なんとも言えない充実感が全身に満ちてくるのを江草は感じた。

―間違いない。命中だ! 高度を充分に確保し、江草がにわかに振り返って見下ろすと燃料タンクは跡形もなく吹き飛び、他の燃料タンクと誘爆を起こしていた。


「隊長やりましたね!」


後ろから電信員の石井少尉が声をかける。


「あぁ」


江草は列機を率いて嶋崎と同様帰投していった。


―――真珠湾上空椎名将斗少佐機―――


「敵戦闘機は出てこないな」


将斗が呟く。将斗は真珠湾の上空で敵戦闘機が出てこないか一個中隊を率いて警戒したがいなかった。


「隊長。先の攻撃隊がほとんど地上撃破したんじゃないですか?」


二番機の坂井三郎一飛曹機が無線で連絡する。


「だといいが………。ん、なんだ?」


将斗は二時の方向に黒点を見つけた。距離は約二千メートル。数は三十数機。一瞬味方機かと思ったが、風防が胴体と一体化してる航空機は日本海軍にはなかった。そう思った将斗は、


「二時の方向に敵機発見!」


将斗は機体を大きくバンクさせてそのまま上昇した。上空から攻撃するためだ。敵戦闘機より五百メートル程上空にいた。


「全機突撃や!全部叩き落としたれ!」


将斗は航空無線電話に叫ぶと急降下に移った。将斗は操縦桿の上にある十二.七ミリ機銃の発射ボタンに手を乗せる。まだ発射しない。将斗が九八式射爆照準器を覗く。敵戦闘機のエンジンかコクピットを狙ってボタンを押した。


「くらえ!」

ダダダダダダダダダッ。

ボゥワン…キューンドォーン。


「一機撃墜!」


将斗はわずか一連射で撃墜した。将斗はそのまま操縦桿を引いて上昇し敵戦闘機の隊長機だと思う一番機に狙いを定める。

将斗がボタンを押す。


ダダダダダダダダダッ。 ボゥワァァァン!


将斗は敵編隊を下から抜けるとフラップのボタンを押して、旋回をした。

旋回半径が小さいため敵編隊の後ろにつくことができた。将斗は狙いを定め銃撃する。P40は瞬くに墜ちて行く。他の零戦も敵戦闘機を落として行く。五分後、敵戦闘機の姿はなかった。


「よし、引き上げや」


将斗は列機に無線で指示を送る。将斗達は翼をひるがえして真珠湾を離れ、母艦へと帰投した。







―――第一航空艦隊―――


「塚原長官。攻撃隊の未帰還は全部で八機ですが、八機とも第一艦隊に不時着水して救助されてます」


「そうか。搭乗員が死ななくてよかった」


草鹿参謀長からの報告に塚原長官は安堵した。とその時だった。


「敵偵察機発見!」


見張り員からの報告だった。


「直掩機が迎撃します!」


塚原と草鹿上空を見ると単発機の偵察機が火を吹きながら海面に落ちていった。


「見つかったかな?」


「電波が出てたら見つかってると思います」


艦橋に通信兵が入る。


「敵偵察機から電波が発信されてます。平文ですが『敵艦隊発見』と送られてます」


若い通信兵が電文を読む。


「そうか。…参謀長、上空直掩機を増やせ。各空母から一個中隊を出すんだ!」


「ハッ!」


塚原の命令が伝わり、各空母は慌ただしく直掩機の準備をする。


―――空母瑞鶴防空指揮所―――


「瑞鶴!」


防空指揮所にいた瑞鶴は誰か呼ばれ振り返る。そこにいたのは将斗だった。


「将斗。どうだった真珠湾は?」


「敵戦闘機を八機撃墜したよ。後二番機の坂井がB−17を撃墜した」


「ほぅ。坂井が撃墜したのか。空の要塞も流石に零戦に敵わなかったか」


瑞鶴はくすりと笑った。


「将斗君。やっぱりここにいたのか」


将斗らが振り返るとそこにいたのは第二機動部隊司令長官の山口多聞少将がいた。


「山口長官」


将斗がさっと敬礼した。


「聞いたぞ、将斗君。敵戦闘機を八機撃墜したってな、さっき飛行長が言っていたぞ」


「別にたいしたことじゃないですよ」


将斗が照れる。


「あらでも他の空母でも有名よ」


「姉上!」


将斗らの目の前に現れたのは、翔鶴だった。長髪のポニーテールの翔鶴は将斗に抱き着く。


「お、おい翔鶴。やめろよ」


「たまにはいいじゃない」


翔鶴は面白そうに笑う。


「ほう。翔鶴でも話題になってるのか?」


山口長官が翔鶴に質問する。


「えぇ。普通は三機程しか撃墜できないのに八機撃墜したのは凄い!て評判よ」


「こっちも評判よ」


そういって現れたのは、蒼龍と飛龍だ。


「ふ、ふん。評判だからっていい気にならないでよね」


ツンデレの飛龍が答える。


「こら、飛龍」


蒼龍が怒るが飛龍は「ふん」と無視する。とその時。


『電探に感あり。敵機来襲!』


電探室からの警報だ。将斗は真剣な顔で艦橋を駆け降りる。艦魂達も急いで各空母の防空指揮所に移る。


「早く君達も自分の空母に戻りなさい」


山口長官が翔鶴達に言う。


「将斗の真剣な顔もいい」


「何言ってんの飛龍!早く戻るわよ!」


蒼龍と飛龍が光って消える。


「私も戻らないとね」


翔鶴も真剣な表情で消える。瑞鶴は飛行甲板見る。そこには直掩機が発進しようとしてた。一番機はもちろん将斗だ。


「チョーク外せ!」


将斗が大声で叫ぶ。整備員がチョークを外したのを確認するとブレーキを緩めながらスロットルレバーを前に出す。既に発着艦指揮所では青ランプが大きく孤を描いて振られてる。零戦が滑走し速度が上がった。将斗は操縦桿をゆっくり引いて発艦した。各空母も直掩機を発艦させてる。


『敵の攻撃隊は二手に分かれてる。一方は北よりから。もう一方は西から』


飛行帽の耳当てに仕込まれたレシーバーから電探員から指示が出る。


「第一機動部隊の直掩機、第一機動部隊直掩機。第二機動部隊の直掩機は西からの攻撃隊を迎撃する。そちらは北からの攻撃隊を迎撃してくれ」


「第一機動部隊直掩機、了解。直ちに迎撃する」


返答したのは板谷茂少佐だった。


「第二機動部隊直掩機につぐ。これより西からの敵攻撃隊を迎撃する。全機俺に続け!」


将斗は機体を西よりにずらす。そして黒点を見つけた。数は四十数機程だ。この攻撃隊はハルゼー中将の機動部隊から発進した、攻撃隊だ。高度差は千メートル程こちらが上だ。


「全機突撃!叩き落とせ!」


将斗は叫ぶと一気に急降下していく。むろん三十五機の零戦も急降下していく。将斗は敵急降下爆撃機ドーントレスを狙った。


「くらえ!」


ダダダダダダダダダッ。

ボゥワァン!


ドーントレスはエンジンから火を吹いて落ちていく。他の零戦も敵機と空戦をしてる。将斗はF4Fワイルドキャットを狙った。敵機も将斗が銃撃しようと気付いたのか左旋回でかわそうとするが、将斗は、その一瞬の隙を逃さず、真後ろに回りこんで機首十二.七ミリによる一撃を掛けた。


ダダダダダダダダダッ。

ズバァーン!


敵機はまたもエンジンを撃ち抜かれ錐揉み状態となり見る見るうちに海面へ落ちていった。


「隊長全機撃墜です!」


レシーバーから近藤大尉の声が聞こえてきた。


「隊長!第一機動部隊の直掩隊がてこずってるようです」


松田大尉が将斗に知らせる。二人は、瑞鶴の制空隊の副隊長である。


「よし、第一機動部隊の直掩隊を援護する。全機行くぞ」


「「「「「「「了解!!!」」」」」」」


零戦三十六機は第一機動部隊の直掩隊を援護するべく、艦隊の北に向かう。


「よし、見えた。全機突入や!」


将斗以下零戦は、速度を上げ突入する。この時敵機にてこずってたのは空戦場所に雲があったからである。そこへドーントレスらが逃げこみ中々撃墜できなかった。ただし、雷撃機のデバステーターはすぐに撃墜した。将斗らの直掩隊が加わっても中々撃墜できず、ドーントレス五機が艦隊上空にきてしまった。


「しまった!」


将斗は急いで速度を上げる。将斗は最後尾にいたドーントレスを撃墜するが残り四機は急降下して空母を狙う。狙われたのは飛龍と瑞鶴だ。


「「対空砲火撃ち方始め!」」

ドンドンドンドンドン! ドドドドドドドドドッ!

飛龍の加来止男大佐と瑞鶴の横川市兵大佐は同時に叫んで、高角砲が火を吹く。ドーントレスは、急降下中に二機撃墜したが、もう二機は一機ずつ分かれて飛龍と瑞鶴を狙う。


「いや…いや…こないで!こないで―!」


飛龍の防空指揮所にいた飛龍は叫びながら刀を振り回す。とそこへ、零戦が一機急降下してきた。


「え?誰だあれ?何するんだ?」


飛龍は首を傾げるが、零戦はドーントレスの後ろにいた。その零戦から機首からぽっぽと火が出るとドーントレスが火を噴いて海面へと落ちた。


「……助かったのか?」


いつもの口調に戻った飛龍はその零戦の所属を見ようとするがもう零戦はいなかった。


「どこ行ったんだ?」


飛龍は辺りを見回すがいない。後ろから対空砲火が聞こえて後ろを見ると、瑞鶴目掛けてドーントレスが急降下した。


―――瑞鶴防空指揮所―――


「くそ!落ちろ!」


瑞鶴が刀をドーントレスに向けて振るが中々当たらない


「あ…あ…くるなくるなくるな―!」


瑞鶴が絶叫した時、飛龍を救った零戦がドーントレスに機首を向けて上昇していた。そして、機首から火が噴くとドーントレスは炎上し、そのまま空中分解となった。


「…一体誰だあれは?」


瑞鶴が零戦の垂直尾翼を見ると『誠』の文字が見えた。誠の文字をつけた、零戦は一機しかいなかった。


「将斗お前…」


そう飛龍と瑞鶴の危機を救ったのは将斗の零戦だった。直掩隊は次々と着艦してきた。将斗は一番最後に着艦した。


艦橋に入るなり横川艦長に怒られた。


「椎名危ないだろ!気をつけくれよ」


「すいません、艦長。無我夢中でしたので」


将斗が頭を下げる。


「まぁ今回はなかったことにしとく。次からは気をつけろ」


「わかりました」


将斗が横川艦長に敬礼して艦橋を降りる。


「「将斗!」」


誰に呼び止められ、振り返ると瑞鶴と飛龍がいた。


「瑞鶴、飛龍。どうした?」


「あ、えっと、そのだな…ありがとな!」


顔を真っ赤にしながら瑞鶴は頭を下げる。


「今回は助かったわありがとね!今回だけだからね!」


真っ赤にしてる飛龍が将斗から顔をそらす。将斗はくすりと笑う。


「何よ!なんかおかしいとこあるの!」


「いや、飛龍と瑞鶴可愛いなぁて思ってな」


「「え!?」」


二人はますます真っ赤にする。もはや煙さえも出てる。将斗は中へと入っていく。二人はしばらくそこから動けなかった。



―――将斗―――


(ついに始まった…。どこまでやれるかだな。せめてすばる翡翠ひすいのあの事件みたいなことは絶対させすか!)

将斗はそう決意し、廊下を歩いて行った。


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