表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新大東亜戦争  作者: 零戦
61/131

第五十二話 宴会大波乱



『…………………』


連合艦隊旗艦大和の第三会議室は一発触発の雰囲気が出ていた。


そこへ将斗達が部屋に入って来た。


「ようッ!!やっているか……」


将斗が声をかけるが、雰囲気に飲まれた。


「将斗、飲まれたら駄目だ」


瑞鶴が将斗を元気づける。


「あ、あぁ…。とりあえず何でこんなんなってんの?」


将斗が近くにいた大和に説明を促す。


「……将斗を傷つけたから謝らせようとしたら、向こうが『知るかッ!!』とキレてこうなった…」


大和が説明しようとしたが大和の後ろにいた山城が将斗に話す。


「んで、謝らせようとした奴は?」


「……金剛と三笠さん……」


「将斗、止めるな」


金剛が将斗に言う。


「こいつらの旗艦は降伏したのにも関わらず、大和に砲撃し将斗を再び負傷させた……その罪は重いぞッ!!」


三笠も珍しく怒りを現わにしている。


「フンッ!!だから言ってるでしょう?艦の命令系統が切断されて命令が届かなかったと何回言えばわかりますの?まぁジャップは猿ですから無理もありませんけど」


頭に包帯を巻き、右腕を吊っている旗艦ワシントンが大和達を嘲笑うかのように鼻で笑う。


「き、貴様ッ!!切り捨ててくれるッ!!」


金剛がシャランと日本刀を取り出すと榛名や飛龍達も日本刀を取り出す。


対するワシントン達も拳銃を出して世界艦魂戦争が起ころうとした時、金剛達の前に将斗が立ちはだかった。


「将斗ッ!!そこをどけッ!!」


長門が将斗にどくように言うが将斗は静かに首を振る。


「……あかん。こんなところで戦争なんかするな。俺が負傷したのは自分のせいや。ワシントンのせいにするな」


将斗の言葉にグゥの音も出ない金剛達。


「へぇ、ジャップにしては物分かりはいいですのね」


ニヤリとワシントンが笑う。


「別に俺の事を侮辱しても構わんで」


「あら、そうですの。ならもっと侮辱しますわ」


「あぁ、いいで。ただし……」


「……?」


言葉を止めた将斗に首を傾げ、ワシントンが眼を瞬きした瞬間、将斗は腰に据えいた日本刀を鞘から抜きワシントンの首に刺さる寸前で止めた。


「瑞鶴、翡翠や昴はもちろん金剛達を侮辱したら貴様の命はないと思えッ!!俺が一人残らず大阪湾に沈めてやるッ!!」


久々の将斗のキレた姿を見た瑞鶴達は少しびっくりし、翡翠と昴は……まぁ平気な顔をしてた。


逆にワシントン達は将斗の強烈な殺気に恐怖感を覚えた。


日本刀が当たったのかワシントンの首からツゥと血が流れる。


「……いいなッ!!」


将斗の言葉にコクコクと頷くワシントン。


「……ならいい」


将斗はチンと刀をしまう。


そこへ空気を読めない馬鹿が一人乱入してきた。


「ヤッホーーーッ!!もう宴会やってるかッ!!俺の分の酒残しとけよなーーーッ!!」


バァンと荒々しく信一が会議室に入ってきた。


将斗と昴と翡翠の三人は信一の乱入に頭を抱えた。


「信一。今はそれどころとちゃうわ」


翡翠がため息をつきながら信一に訳を話す。


「ゲッ!!( ̄▽ ̄;)てゆーことは俺……馬鹿?」


『馬鹿ッ!!』


何故か連合軍の艦魂までハモった。


「ふんだ。いいもんいいもん……」


信一は部屋の端っこでのの字を書いていじけてる。


「ほら信一ッ!!ク、クヨクヨするな。私がいるでしょ?」


「陸奥……」


なんだかいいムードになったを察知したのか緋龍が二人の間に割り込む。


「旦那様〜ッ!!私もいますわッ!!」


「緋龍……」


「ラブコメはもうええから」


翡翠がシッシと追い払うかのように手を動かす。


「フォーじゃないですかッ!!」


懐かしい声に緋龍が振り返る。


「イラストリアス姉様ッ!!」


二人の姉妹は抱き合った。


「お姉様、お久しぶりです」


「フォー、元気にしてますか?」


「はいッ!!それとこちら私の旦那様です」


緋龍が信一を紹介した。


「……いい男…」


イラストリアスが呟いたのを陸奥は見逃さなかった。


「あんたに信一なんか渡すもんですかッ!!」


「私が貰いますッ!!」


ギャアギャアと三人が喚き出した。


「あー、こほん。何か脱線したが、これより連合軍艦魂の連合艦隊を祝して宴会する。それでは乾杯ッ!!」


『乾杯ッ!!』


連合艦隊の艦魂達は叫んだが、連合軍艦隊の艦魂達は無言だった。


だが、少しずつ皆の酒が進む中、ワシントンが将斗に近づいた。


「何か用か?」


「……貴方に謝りたいですわ」


ワシントンが神妙な顔をして将斗に向き合う。


「……先程は申し訳ありませんでしたわ。姉であるノースカロライナ姉様が戦死したので少々乱れていました」


スッとワシントンが将斗前で正座をした。


「確か日本では謝る時はこうでしたわね。……ごめんなさいm(__)m」


ワシントンは土下座をして謝った。


「……顔を上げろよ。お前が謝る事はない」


将斗はコップに溜まった酒を飲む。


「そうでもしないと私の腹の虫が収まりませんわ」


凜と答えるワシントン。それの言葉に将斗は苦笑してしまう。


「キャアァァーーーッ!!」


その時、一人の連合軍艦魂が悲鳴をあげる。


「マサチューセッツッ!!どうしたの?」


ぺたりと座りこんだマサチューセッツはぶるぶると震えている。


「あ…あの人が……」


マサチューセッツが指差す方向に右手にメイド服を持っている翡翠がいた。


「いやぁ〜、メイド服着せようとしたら嫌がって」


ハハハと笑う翡翠。


「……翡翠。止めとけよ」


将斗がため息をついた。


「……貴女が翡翠?」


一人の二十歳ぐらいの女性が翡翠を尋ねた。


髪型はくるくるした髪だ。(某アニメの曹○みたいな髪型)


「そうやけど。何か用?」


「これは失礼。私は英国海軍戦艦クィーン・エリザベスだ。私は英国支部のSOS団団長だ」


「…貴女がクィーン・エリザベスね。私は日本支部のSOS団団長の近衛翡翠よ」


ガシっと二人は握手をした。


「いやいや。小澤先生の山城から許可は貰ったんか?」


将斗が一応ながらツッコミ。


「「もちのろんッ!!」」


「古いぞ……」


金剛が珍しく突っ込んだ。


「じゅあクィーン。……やりますか」


「……そうだな翡翠」


二人の手にいつの間にか何故かナース服が握られていた。


「「いっただきまーーすッ!!」」


『キャアァァーーーッ!!』


日本の艦魂達は勿論、連合軍の艦魂達は一斉に逃げ出した。


「おい翡翠ッ!!チッ!!信一手伝えッ!!」


「合点承知ッ!!」


「だから古いぞ……」


昴と信一が翡翠達を止めに行く。


金剛がまた信一の古さにまた呟く。


ギャアギャアと騒ぐ第三会議室から一人の影が出てきた。


将斗である。


将斗が向かったのは防空指揮所だった。


「ここにいたのかワシントン」


ワシントンが会議室からいなくなったのでもしかしたらと将斗は防空指揮所に行ったのだ。


「………」


ワシントンは黙ったまま夜空の星を見ていた。


「……ノースカロライナはもういないで」


将斗がそう言うとワシントンの頬にツゥと涙が流れてきた。


「分かってますわ。けど……」


ワシントンはそこまで言うと再び黙ってしまう。今まで一緒にいた姉がいきなりいなくなったのだ。


「……気持ちは俺にも分かるで。翡翠と昴の時もそうやった」


将斗はポツリポツリと自分の事を話し始めた。



―――十分後―――


「……凄いとしか言いようがないですわ…」


ワシントンは若干冷や汗をかく。


「まぁそうやろな」


将斗も苦笑する。


「将斗」


瑞鶴が防空指揮所に来た。


「将斗、これ」


ぽんと瑞鶴が渡したのは久しぶりに見たハーモニカである。


「ワシントンを慰めろ」


「んじゃ、お前は歌え」


「わ、私がか?」


瑞鶴が眼を点にする。


「あぁ、歌えるやつを吹くから」


そうゆうと将斗はハーモニカを吹き始めた。


「〜〜♪」


瑞鶴は将斗が吹いている曲に思い当たりがあるのかコホンと咳をすると歌い出した。


『(著作権に引っ掛かるかもしれませんので歌詞の部分はは削除しました)』


瑞鶴の綺麗な音色がインド洋に響く。


まるで死んでいった兵士や艦魂達の鎮魂歌のように……。


瑞鶴が歌い終わるとワシントンは泣いていた。


「お姉様…お姉様…」


そんなワシントンに将斗はスゥっと肩に手を置く。


「……ノースカロライナの分まで生きろ…」


ワシントンは泣きながらコクっと頷いた。



連合艦隊は捕獲した連合軍艦隊を曳航しながらインド洋の夜空に輝く星達を見ながら祖国日本をへと帰投した。


歌はDEENの『明日へ続く道』です。かなりいい歌です。御感想や御意見等お待ちしていますm(__)m

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ